ペネロピの紹介:2006年イギリス,アメリカ映画。呪いによって豚の鼻と耳を持って生まれた女の子ペネロピが、真実の愛を探して呪いを解こうとする物語です。現代版のおとぎ話のような雰囲気を持った作品です。
監督:マーク・パランスキー 出演者:クリスティーナ・リッチ(ペネロピ・ウィルハーン)、ジェームズ・マカヴォイ(マックス)、キャサリン・オハラ(ジェシカ・ウィルハーン)ほか
映画「ペネロピ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ペネロピ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ペネロピ」解説
この解説記事には映画「ペネロピ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ペネロピのネタバレあらすじ:起
名家ウィルハーン家の娘として生まれたペネロピは、なんと豚の耳と鼻を持って生まれてきました。この一族は何世代も前に先祖が犯した罪により、魔女から呪いをかけられていたのでした。その呪いはめぐりめぐって、現代のペネロピにふりかかってしまったのです。呪いを解く方法はひとつ。真実の愛を手に入れることでした。
ペネロピのネタバレあらすじ:承
ペネロピを大衆の好奇の目から隠すため、両親はありとあらゆる手を尽くしました。記者を追い払い、他の子供達と遊ばせるのを避け、なるべくペネロピを外に出さないよう尽力しました。ペネロピは世間から隔離され、閉ざされた部屋の中でひとり成長していきました。 ペネロピが大人になると、今度は「真実の愛」を求め、必死になって花婿探しを始めます。何人もの名家の男性を集め、娘に関しては口外無用の約束の元にお見合いさせますが、ある日名家の男性の一人、エドワードが新聞社に情報提供してしまいます。エドワードは誰にも相手にされず、「名家の子息ご乱心」と逆に記事にされてしまいます。が、唯一真剣に耳を傾けたレモンという記者がいました。彼は、以前ペネロピを記事にしようとして、母親に片目を奪われた過去があるのでした。二人は共謀して、ペネロピの写真を入手しようとします。落ちぶれた名家の子息、マックスを雇い、屋敷に潜入させたのです。 一方、毎日成果のないお見合いの繰り返しで自暴自棄になったペネロピは、広間にお見合い相手を全員集めてから、わざと顔をみせてあいさつしました。そして、蜘蛛の子を散らすように逃げ出す見合い相手たちを見て、「手間が省けたわ」と鼻を鳴らします。しかし、マックスだけは逃げ出さずに残っています。淡い期待を抱きつつ、別室から話しかけるペネロピでしたが、単純に混乱にまぎれて顔をみていなかっただけのようでした。落胆し、帰るように告げるペネロピに、マックスはまた来ると言い残して帰ります。それから毎日のように来るマックスとペネロピは、依然顔を見せぬままに交流を深めていくのでした。
ペネロピのネタバレあらすじ:転
マックスが記者の差し金とは知らないペネロピは男に心を許し、ついに正体を明かします。ペネロピの姿をみたマックスは一瞬言葉を失います。エドワードからひどく醜いだの、牙があるだのと聞かされていたので、こちらを伺いながらうつむきがちに立つ女性を見て、レモンとエドワードへの怒りで顔を歪めたのです。それを拒絶されたと勘違いしたペネロピは、「結婚してくれたら呪いがとけて普通の顔に戻るから」とマックスに懇願します。しかし、マックスは苦々しげに「それはできない」と言い、立ち去るのでした。豚顔は実在するという証拠がつかめたエドワードは汚名返上に躍起になります。レモンに手伝ってもらい、ペネロピの似顔絵を描かせ新聞に賞金広告を出しますが、その似顔絵は実際のペネロピとは似ても似つかない牙のはえた醜いモンスターのようでした。 絶望に暮れたその夜、ペネロピはこっそり家を出ます。長いコートに、顔を鼻先までマフラーで覆って。
ペネロピの結末
はじめて見る外の世界は、ペネロピにとってとても新鮮で、煌めきに満ちていていました。夜の公園や街並をひととおり散策し終えると、ちゃっかり持ってきた親のカードでホテルに泊まり、夜の街を眺めるのでした。 一方、母親は半狂乱になって警察に捜索願を出しますが、娘の特徴を聞かれて言葉に詰まります。見かねた父親が「牙はないが」と前置きして、例の新聞の似顔絵を見せるのでした。 次の日も、ペネロピはあちこちを散策します。マックスから教えてもらったお店でビールを頼み、店の常連の女性、アニーと知り合います。配達屋のアニーはペネロピが世間のことを何も知らないと知って、配達のお共としていろいろな場所へ連れ出してくれるのでした。ひとしきり世の中を堪能し、ホテルへ戻るとペネロピは自分に賞金がかけられていることを知ります。カード利用履歴から両親がすぐそこまで迫っているのを知ると、うかつにカードを使えないことも悟ります。けれど、お金は必要です。ペネロピは自分自身を新聞に売ることにしました。自分の写真を撮り、レモンに渡すとお金をうけとりました。 エドワードはペネロピの写真が手に入るとすぐに記事にさせましたが、世間の意見は彼の予想に反して好意的でした。ペネロピはあっという間に有名になり、教養力も相まって各著名人とも面会するようになりました。やり玉にあがるのはエドワードです。今や国民のマスコット的存在となった彼女を批難していたエドワードは、スキャンダルの的になってしまいました。この事態を解消すべく、彼は嫌々ながらもペネロピにプロポーズをします。 結婚式当日、土壇場になって式場から逃げ出したペネロピを追って、母親が「せっかく元の姿に戻れるチャンスなのに!」と訴えます。しかし、ペネロピは「今の自分が好きなの」と叫び返します。次の瞬間、ペネロピの身体が宙に浮き一瞬気を失ったかと思うと、ペネロピの顔は普通の女性の顔に戻っているのでした。「真実の愛」とは誰かから与えられるものではなく、まず自分を愛するという事だったのです。 それからしばらくして、ペネロピはマックスと再会します。実は、マックスは名家の子息ではありませんでした。レモンが別人と取り違えてしまい、マックスに仕事の話を持ちかけたのです。最初こそ、金に釣られて引き受けたマックスでしたが、報酬の受取も拒否し、きちんとペネロピを愛していました。結婚を断ったのは、自分は名家出身ではなく、呪いを解けないと思っていたからです。自分の力で呪いを断ち切ったペネロピはマックスと顔を向かい合わせ、気持ちを確かめあうのでした。
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