ファントムの紹介:1998年アメリカ映画。未知の敵に襲われる恐怖を描いたSFホラー作品。開業医のジェニーは、妹リサを連れてコロラド州スノーフィールドの診療所に帰って来た。しかし町は異様な静寂に包まれている。生活感と数人の異様な遺体だけを残し、町の住人が忽然と消えていたのだ。そして怯える姉妹の前に「太古の敵」と呼ばれる未知の生命体が現れる。原作はディーン・R・クーンツの同名小説。脚本も彼が自ら行っている。
監督:ジョー・チャペル 出演者:ローズ・マッゴーワン(リサ・ペイリー)、ジョアンナ・ゴーイング(ジェニー・ペイリー)、ベン・アフレック(ブライス・ハモンド)、リーヴ・シュレイバー(ステュー・ワーグル)、ピーター・オトゥール(ティモシー・フライト)ほか
映画「ファントム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ファントム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ファントムの予告編 動画
映画「ファントム」解説
この解説記事には映画「ファントム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ファントムのネタバレあらすじ:謎の失踪事件
舞台はアメリカ、コロラド州スノーフィールド。人口約400人の小さな町で、ジェニー・ペイリーは診療所を開いていました。ロサンゼルス暮らしの妹リサを連れて町に帰って来たジェニーは、早速診療所に入って家政婦のヒルダを探します。ところがヒルダはキッチンで死亡していました。突然死だと判断したジェニーは電話をかけようとしますが何故か繋がりません。仕方なく歩いて警察を呼びに行くペイリー姉妹。町は異様な静寂に包まれ、人の姿はありません。普段の生活から人間だけが消えています。
警察署に到着した姉妹は保安官補ヘンダーソンの遺体を発見。更にジェニーの馴染みのパン屋では、オーナー夫妻の切断された頭部と手首が見つかりました。悲鳴を上げてパン屋を出ようとした姉妹ですが、突如電話が鳴り響きジェニーが応対します。しかしノイズのような奇妙な音が聞こえるばかりでした。そこに保安官ブライス・ハモンドが2人の保安官補と現れます。
ファントムのネタバレあらすじ:忍び寄る恐怖
状況を説明した姉妹は、ブライス達に付き添われ警察署へ移動することにしました。ブライス達はヘンダーソンから連絡を受けたものの、急に切れてしまったので様子を見に来たそうです。すると夜道に突如サイレンが鳴り響き、照明が明滅し始めました。騒ぎが止んだ後、明かりのついているホテルに向かったジェニー達。帳簿によると宿泊客は7人でしたが、1人の遺体が発見されただけで他の客は見当たりません。
そしてある部屋の鏡には「ティモシー・フライト 太古の敵」とメッセージが残されていました。どうやら口紅で書いたようですが、その口紅自体は部屋のどこにもありません。すると小さな金属類の山や、口紅を持った手首が突然現れました。更にホテルの外から「助けて!」と女性の声が聞こえます。急いで外に出た保安官補の1人は、絶叫を残して忽然と消えてしまいました。
ファントムのネタバレあらすじ:未知からの襲撃
警察署に移ったブライスは無線で応援を呼びますが、途中でノイズにかき消されてしまいます。それはジェニーがパン屋で聞いた音と同じものでした。すると突然電気が消え、窓の向こうに正体不明の「何か」が現れます。ブライスと保安官補のステュー・ワーグルが一斉に発砲。油断したステューが窓に近付くと、巨大な蛾が飛来し彼の顔に張り付きました。そして一瞬でステューの眼球や脳を食い尽くしてしまいます。何とか撃退したもののステューは死亡、残った3人も立て籠もるしかなくなりました。
一方、町の外では、ブライスからの断片的な情報をもとにFBIが動き始めていました。彼らは科学者のティモシー・フライト博士を訪ねます。彼はオックスフォードで「太古の敵」について論文を発表し、大学を追われていました。シャーウッド基地に送られた博士は、軍人のコパーフィールドに太古の敵について説明します。人類の歴史上に見られる、考古学でも人類学でも解明出来ない謎の集団失踪。博士はそれが太古の敵によるものだと考えていました。博士は軍や科学班と共に頑強な実験車に乗り込み、スノーフィールドへ向かいます。
その頃、ジェニーとブライスはそれぞれの事情について話をしていました。ジェニーは母親がアルコール中毒なので、リサを引き離すためこの町に強引に連れて来たことを。ブライスはかつて仕事中に少年を誤殺してしまったことを語ります。横になっていたリサはトイレへ向かいました。そこへ死亡したはずのステューが現れ、リサは慌てて逃げ出します。遺体を安置していた部屋へ行ってみると、ステューとヘンダーソンが消えていました。
ファントムのネタバレあらすじ:敵の正体
弱気になるジェニー達。そこへ実験車が到着し、姉妹はようやく保護されます。町中に調べが入る中、博士は数人の仲間と共に教会の礼拝堂を探りました。小さな金属類の山を見た博士は、「消化後のカスだ」と呟きます。太古の敵は町の住人を襲い、食べられない金属類を吐き出しているようです。すると突然太古の敵が現れ、調査員が次々食われてしまいました。生き残った博士は、太古の敵から「研究を続けろ」「論文を書いて福音書としろ」と命令されます。博士が実験車に逃げ帰るとそこにも太古の敵が現れ、コパーフィールドを殺害して彼の姿に変身しました。そしてトカゲを吐き出し、「私の肉だ 研究しろ」「福音書を書くのだ」と言い残して消えます。
町から出ることを禁止され、生き残ったペイリー姉妹とブライス、そして博士は実験車に立て籠もって分析を続けました。博士の分析によると、太古の敵とは扁形動物であり、肉と一緒に知識も吸収出来るそうです。普段は地底深くに潜んでいて、何十年に一度のサイクルで餌を探します。そしてたまたま人間が餌となり、そこから知性を獲得したと考えられました。するとパソコンが勝手に動き出し、太古の敵からのメッセージが流れます。彼らは神を自称し、人類を滅亡させると言い出しました。博士を使徒とし、自分達の存在を世界中に知らせろと要求します。この発言を受け、ブライスは太古の敵の弱点は自意識だと考えました。太古の敵を葬るには、彼らの自惚れによる自滅を狙うべきだと訴えます。
ファントムの結末:人類の逆襲
パソコンで分析を進める博士。彼は太古の敵を全滅させるには、母体の中の核を狙わなければならないと話しました。地上に出て人々を襲っているのは母体を離れた化物(ファントム)で、彼らは役目を終えると地中の母体へ戻っていくのです。パソコンを見つめる博士は「ワセリンか」と呟きました。太古の敵とワセリンは構造が似ており、特に炭化水素の含有率が近いと判明します。そこで博士は最新で最強のバクテリア、遺伝子工学が生んだ細菌を取り出しました。この細菌に感染させることで、太古の敵を消滅させられると考えたのです。細菌を注射器に仕込んで発射することにしますが、敵の全てを地上に誘き出さなくてはなりません。そこで博士が囮となり、実験車の外に出て太古の敵の虚栄心を煽りました。
まんまと現れた巨大な敵に向かい、ブライスが注射器を発射します。太古の敵は狙い通り感染し、苦しみのあまり暴れ出しました。避難するペイリー姉妹の前に、ステューの姿をした敵が現れます。リサが捕まり、ジェニーは死にもの狂いで注射器を打ち込んで撃退しました。地下を調べていたブライスの前には、誤殺した少年の姿で太古の敵が現れました。注射器を奪われたブライスは、トラウマを乗り越え発砲。注射器が割れて細菌が飛び散り、太古の敵に感染しました。断末魔の叫びが町中に響き、太古の敵は消滅します。
合流した4人は作戦の成功を喜びますが、博士は敵の勝ちだと言いました。理由を問われ、「彼らの望み通り――私が世界に告げる」と答えます。その後博士はテレビなどに出演し、太古の敵の存在を人々に訴えました。彼らが生き延びていれば、いつか人類を滅ぼすだろうと。とある店でその番組を見ていた男が笑い出します。それはステューの姿をしていました。新たな恐怖の幕開けを暗示し、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画ファントムのあらすじと結末でした。
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