ピンカートンに会いにいくの紹介:2007年日本映画。そんなに売れてなかったアイドルグループ”ピンカートン”の解散から20年。当時ファンだった少年が成長し、レコード会社で働くことになったことから”ピンカートン”再結成の企画を立ち上げます。そしてリーダーの優子に連絡を取りメンバーを訪ねますが、一番人気の葵だけ行方がわかりませんでした。かつてのアイドルたちが、30代後半になり復活をかけた勝負に出るという内容の、ハートフルドラマです。
監督:坂下雄一郎 出演者:内田慈(神崎優子)、松本若菜(中川葵)、山田真歩(藤塚美紀)、水野小論(五十嵐かおり)、岩野未知(渡辺葉月)、田村健太郎(松本浩一)ほか
映画「ピンカートンに会いにいく」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ピンカートンに会いにいく」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ピンカートンに会いにいく」解説
この解説記事には映画「ピンカートンに会いにいく」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ピンカートンに会いにいくのネタバレあらすじ:起
そんなに売れていないアイドルグループ”ピンカートン”のメンバー5人が喫茶店で沈黙しています。そして、あるタイミングではしゃぎだします。コンサート会場の日本民生館では観客が集まっています。その中にピンカートンの大ファンの少年・松本浩一がいます。会場近くで松本は、メンバーの葵とすれ違います。そして会場に入ると、司会者が「本日の公演は急遽中止になりました」とアナウンスします。
楽屋では「葵が逃亡した」とメンバーが騒いでいます。リーダーの優子が怒りだすと、葉月が突っかかって来ます。言い争いになり、「私もやめる」と優子が怒鳴ると、かおりも「やめればいいじゃん」と言い、優子はそのまま出て行きました。
20年後、優子は売れない女優をやっています。スタッフや共演者たちも、昔アイドルだったことを知りません。優子は少ないギャラの為、交換手の仕事をし、更には事務所を通さない闇営業もやっています。事務所からはパチンコ店のイベント出演などの、すその仕事しか依頼がきません。
成長した松本はレコード会社に就職し、企画を任されるようになります。そこで松本は、大ファンだった”ピンカートン”の再結成の企画を立て、リーダーだった優子に電話をし、会う約束をしました。
ピンカートンに会いにいくのネタバレあらすじ:承
20年前のあの日、優子が出て行った事で”ピンカートン”は解散したのでした。松本は優子に会い、再結成の話を説明します。優子は「30代後半にもなって今更出来ない。お断りします」と言って帰ります。その優子は、所属するプロダクションに闇営業が見つかり、クビを宣告されます。慌てた優子は、松本に電話をし再結成の話を受けます。
松本と優子は、メンバーの家を順番に訪ねます。美紀は3人の子供がいて「こんな状態だから出来ない」と断るものの、まんざらではないようでした。葉月は「家族には元アイドルだと言っていない」と言ってかたくなに断ります。中学生の娘がいて、葉月と娘は対立し、口をきかない娘に葉月は怒鳴り散らしています。
かおりは、アイドル時代から優柔不断で、やるのかやらないのか全くどっちつかずで、優子がアイドル時代のように、怒りとばします。そして最後の葵は「居場所の連絡先も全く分からない」と松本が言います。
4人は松本の事務所に集まります。懐かしいグッズを見ていると、松本が「再結成コンサートは最後にに中止になった日本民生館でやります」と言います。優子が「4人でやろうよ」と言いますが、葉月が「葵がいないからやらない」と言うと、美紀と香里も同調します。するとアイドル時代のように優子が怒りだします。自分勝手で傲慢な優子に葉月が切れて「帰る」と言って出て行きます。
ピンカートンに会いにいくのネタバレあらすじ:転
アイドル時代、優子と葵は、仲が悪かったわけではなく、葵が優子に合わせていました。不平不満ばかり言う優子に、葵も言葉を合わせうなづいていたのです。
”ピンカートン”の所属事務所の代表だった福田の居場所がわかり、松本と優子が訪ねます。今はバーのオーナーをやっていて「葵は解散後、またやりたいと言ってきた。でも一度やめたものを雇うわけにはいかないから断った」と福田が言い、実家を教えてくれます。実家に行くと弟が出てきて、「姉は携帯番号も替え連絡がつかないけど、少し前までいた芸能事務所を知っている」と言います。
「葵は業界に未練があったんだ」と二人で話しながら事務所のオーナーを訪ねると、オーナーは「元アイドルと言ったって、他の人が嫌がるようなどんな仕事もやってもらったよ」と言います。優子は自分も女優を続けていたことを隠し、葵を憐れんだような話をします。話が進むと、オーナーが葵を小馬鹿にしたようにけなしはじめます。それを聞いていた優子が怒りだしオーナーに暴行を加えると、松本も怒りが爆発し二人で暴行しました。
葵がアルバイトをしている事を聞きつけ向います。葵は加湿器の宣伝販売をしていました。葵を見た優子は動けなくなり、その場から逃げ出します。当時一人だけ人気のあった葵に優子は嫉妬していました。そんな葵に、ソロデビューの話が入ります。葵は福田に断りますが、この話は優子の耳に入ります。優子は葵を呼び出し、「ちょっと人気があるからってソロデビューするなんて奴は死んでしまえ。葵は、そんなやつ知っているか?」と怒鳴ります。葵は「そんなやつ死んでしまえ」と言って逃亡したのでした。
ピンカートンに会いにいくの結末
いなくなった優子を松本が呼び止めると、優子のいたプロダクションのマネージャーに会います。マネージャーは「今何してるの?」と聞くと、「この人と契約した」と松本の顔を見ます。松本が会社名を言うと「よかったじゃないか」と言って立ち去ります。
松本が「優子さんも芸能界にいたんですね」と言うと、優子は気まずくなり、屁理屈を言って、「葵になんで謝らなきゃならないの!こんなこともうやらない」とわめきだします。松本が真顔で「見損ないました。自分もまだやっていて、葵さんの事をけなすなんて、優子さん抜きで4人でやります」ときっぱりと言ったのです。
落ち込んだ優子は仕事が手に着きません。その間、松本は葵に会い、再結成の話を説明し、結局無くなった事を伝えます。そして「優子さんが来たら許してやってください」と言って去ります。
決意した優子は葵に会いに行きます。葵は優子だと分かったものの、加湿器の説明をし始めます。優子は再結成を加湿器に置き換え遠まわしに話します。やがて二人はお互いを許しあい歩き出します。
そのころ、葉月の家では葉月が娘に「学校へ行きなさい」と怒鳴っています。娘は「再結成したら行くよ」と言ったのです。一緒にいたかおりと美紀が目を合わせ、葉月を見ます。そこへ優子と葵がやってきます。5人は松本に会いに行きます。
20年ぶりにアイドルの衣装を着た5人は、日本民生館の客席を見ます。ガラガラの客席に5人が騒ぎ始めます。いよいよコンサートが始まります。中年の観客で埋め尽くされ、再結成した”ピンカートン”は力いっぱい歌います。歌い終わった5人は、あの日のように喫茶店で黙り込んでいました。
以上、映画「ピンカートンに会いにいく」のあらすじと結末でした。
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