映画「復讐者たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
復讐者たちの紹介：2020年ドイツ,イスラエル映画。第二次世界大戦時のナチスによるホロコーストを生き延びたユダヤ人たちが戦後に企てた復讐計画の行方を、史実を基に描いたサスペンスドラマです。ナチスによって妻子を殺されたひとりのユダヤ人男性の視点から計画の顛末を描いていきます。
監督：ドロン・パズ、ヨアブ・パズ 出演者：アウグスト・ディール（マックス）、シルビア・フークス（アンナ）、マイケル・アローニ（ミハイル）、イーシャイ・ゴーラン（アッバ・コヴナー）、ニコライ・キンスキー、ミルトン・ウェルシュ、オズ・ゼハビ、ヨエル・ローゼンキアーほか
この解説記事には映画「復讐者たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
1945年、ナチスドイツが第二次世界大戦に敗戦した直後。ナチスによるホロコーストを生き延びたひとりのユダヤ人男性・マックス（アウグスト・ディール）は生き別れた妻ルートと息子ベンヤミンの行方を捜していました。
マックスは自分たち家族の存在をナチス当局に密告した男の家を訪れ、妻子の行方を聞こうとしましたが相手にされませんでした。それどころか、男はマックスに殴りかかり、戦争が終わったからといってユダヤ人は安心できると思うなよと突き放しました。
マックスは続いてユダヤ人の難民キャンプへ行くことにし、途中でイギリス傘下のユダヤ人旅団に送ってもらいました。キャンプに着いたマックスは妻子の情報提供を呼び掛ける張り紙をしましたが、キャンプには妻子の姿は見当たりませんでした。
そんな時、マックスは何かと自分を気にかけてくれたユダヤ人旅団の兵士ミハイル（マイケル・アローニ）に連れ出され、とある場所へと連れていかれました。そこではユダヤ人旅団によるナチス残党の拷問、そして処刑が極秘裏に行われていました。
キャンプに戻ったマックスは妻と息子が既に死んでいたことを知りました。深い哀しみはやがて激しい復讐心へと変わり、マックスはナチスに復讐すべくミハイルにユダヤ人旅団と行動を共にさせてほしいと懇願しました。
マックスはユダヤ人旅団と行動を共にし、旅団が持つリストを元にナチス関係者を次々と抹殺していきました。そんな時、マックスは旅団の兵士のひとりから、収容所送りとなったユダヤ人はなぜ立ち向かわずに死を選んだのかと疑問を呈してきました。
これに腹を立てたマックスは旅団兵士らと揉め事を起こし、その隙を突かれて捕らえていたナチス関係者に逃げられてしまいました。
マックスは逃げたナチス関係者を追いましたが、その関係者に襲撃されました。マックスを救ったのはこの森の中に潜んでいた抵抗勢力パルチザンの女性・アンナ（シルヴィア・フークス）でした。パルチザンの者たちは長きにわたって森の中に潜伏していたため、戦争が終わったこともナチス政権が倒れたことも知りませんでした。
やがてユダヤ人旅団がナチス残党を処刑していたことがイギリス側にも露呈し、旅団は別の任務地へ飛ばされることになりました。ミハイルはパレスチナの軍事組織「ハガナー」への合流を決意し、マックスも「ハガナー」に加わることとなりました。
パルチザンの急進派である「ナカム」はナチス残党への過激な報復活動を展開しており、「ナカム」を危険視する「ハガナー」はミハイルに監視の任務を命じました。「ナカム」はニュルンベルクで大規模な報復作戦を計画しており、ミハイルに協力することにしたマックスもニュルンベルクに向かいました。
ニュルンベルクで「ナカム」との接触を模索していたマックスは、かつて森で自分を助けてくれたアンナが「ナカム」のメンバーであることを知りました。
アンナの後を尾行したマックスは「ナカム」がアジトとしているアパートに辿り着きましたが、「ナカム」のメンバーに捕らえられてしまいました。しかし、「ナカム」のリーダーであるアッバ・コヴナー（イーシャイ・ゴーラン）の計らいにより、マックスはアジトに一晩泊めてもらうことになりました。
「ナカム」は水道水に毒を混ぜ、600万人ものドイツ国民を抹殺する計画を練っていました。何としても「ナカム」の計画を阻止したいミハイルはマックスからの報告を受け、マックスにアッバに取り入って信頼を勝ち取るよう指示を出しました。
アンナはマックスに自らの身の上話を始めました。ナチスに一人息子を殺されたアンナは自分を含むユダヤ人が迫害されるのを黙って傍観していたドイツ国民もナチスと同罪だと考えており、殺されたユダヤ人の分だけドイツ国民にも復讐しようと頑なに誓っていました。
マックスはアンナの言葉に共鳴していき、「ナカム」のメンバーたちもナチスに妻子を奪われたマックスに信頼を寄せ始めていきました。そして、いつしかマックスも「ナカム」のメンバーと共にドイツ国民抹殺計画に加担していきました。
ある時、アッバは忽然と姿を消しました。ミハイルはマックスにアッバの行方を探すよう指示し、マックスはアッバが毒薬を調達するためパレスチナに飛んでいることを知りました。しかし、アッバは現地での毒薬調達が思うようにいかず、ニュルンベルクの同志たちに難航を伝える手紙を送りました。
「ナカム」のメンバーたちが焦りの色をにじませるなか、ニュルンベルクには続々と連合軍の部隊が集結しつつありました。さすがの「ナカム」も連合軍を手にかけるわけにはいかず、計画を実行するか否か迷い始めました。
そんな中、しびれを切らしたミハイルが「ハガナー」の仲間たちと共に「ナカム」のアジトに乗り込み、明日までにニュルンベルクを去るか「ハガナー」に捕らえられるかどちらかを選べと迫ってきました。
翌日、パレスチナから戻って来たアッバは「ナカム」のメンバーと合流、予定通り作戦を決行すると決断しました。どころが、アンナは子供まで巻き添えにするわけにはいかないと作戦から離脱、ドイツを離れてパレスチナに行くことにしました。そんなアンナの姿にマックスも心が揺れ動き、深く悩んだ末にひとつの決断を下しました。
マックスが導き出した結論は「ナチスに対する最大の復讐は幸せに生きること」でした。計画からの離脱を決断したマックスはミハイルにアッバの居場所を教え、故郷に戻って幸せに生きることを誓いました。
以上、映画「復讐者たち」のあらすじと結末でした。
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