プレンティの紹介:1985年アメリカ映画。第2次大戦後、ひとりの英国人女性の、自身を躍進させたいという強い思いによって周囲の人を傷つけ、自らも破綻していく様を描いた人生ドラマ。
監督:フレッド・スケピシ 出演:メリル・ストリープ(スーザン)、サム・ニール(ラザール)、チャールズ・ダンス(レイモンド)、スティング(ミック)、トレイシー・ウルマン(アリス)、ジョン・ギールグッド(ダーウィン)、イアン・マッケラン(アンドリュー)、バート・クウォーク、ほか
映画「プレンティ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「プレンティ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
プレンティの予告編 動画
映画「プレンティ」解説
この解説記事には映画「プレンティ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
プレンティのネタバレあらすじ:起
第2次大戦下、英国人女性のスーザンは本国SOE(特別作戦執行部)の任務でナチス占領下のフランス、サンベクア村でレジスタンス活動に従事していた。
ある日、村に同胞のラザールがパラシュートで降下、スーザンは彼にレジスタンス闘士として強がってみせるが、突如現れたナチスに恐怖を覚え、実はたいした任務ではなく、この地へも来たばかりだと告白する。
その晩、惹かれあった2人は一夜を共にするが、ラザールは金のカフスを残して去って行く。
終戦後、夫婦を装って仲間のトニーとブリュッセルを訪れていたスーザンは、トニーの急死によって英国大使ダーウィンとその補佐官レイモンドに出会い、その後彼女はレイモンドと関係を持つようになる。
ロンドンに戻り、海運会社に勤め始めたスーザンは、そこで着々とキャリアを積んでいく。そんな中、彼女は奔放な若い女性アリスと出会い、宿なしとなった彼女と同居を始める。
しかし週末ごとにスーザンの部屋を訪れていたレイモンドは、アリスの存在を良く思っておらず、そのことで口論となったスーザンはレイモンドと距離を置くことにする。
自身の力を発揮したいスーザンは会社を辞め、広告会社を立ち上げる。会社は軌道に乗り、仕事も順調だったが、公私ともに満たされない彼女は、ふと子供を作ることを思い立ち、アリスの知人ミックに子種を与えるだけの関係を持ち掛ける。
しかし1年以上経っても子供はできず、焦れたスーザンはミックに役割終了を言い渡す。スーザンに思いを寄せるようになっていたミックは一方的な言い様に食ってかかるが、スーザンはアリスの目の前でミックに対して威嚇射撃し、精神科施設に収容される。
スーザンはアリスから知らせを受けたレイモンドと婚約することで、彼の奔走により訴訟とならず、施設から出ることを許される。
プレンティのネタバレあらすじ:転
レイモンドと結婚し外交官夫人となったスーザンは、優雅な生活を送っていたが、退屈な日々を送る中で自身の能力、知性を発揮したいという欲求が高まり、その言動は周囲の人々に嫌悪感を与えた。
数年後、アリスはレイモンドの赴任に伴ってヨルダンに渡ったスーザンを訪ねる。そこでぼんやりと過ごすスーザンの覇気のなさに驚いたアリスは、ドメスティック・バイオレンスに悩む女性のための施設を作るため仕事を辞めたことを話す。
それを聞いたスーザンはにわかに自我を取り戻し、ダーウィンの葬儀への参列を口実に、反対するレイモンドを押し切ってロンドンに戻ると、そのまま留まる。
プレンティの結末
その後、女性活動家としてラジオ出演したスーザンは、かつての自分を取り戻し、周囲への攻撃的な行動が再燃する。窓際部署に追いやられたレイモンドの処遇について、外務省のトップに直談判する。
そこで自殺するとまで脅して騒ぎ立てたことで、レイモンドは職を失う。彼女の身勝手な振る舞いに耐え兼ねたレイモンドは、精神科の診察を受けろと迫り、激昂したスーザンは家を出る。
安ホテルに身を寄せていたスーザンは、ラジオ出演で彼女の消息を知って訪れたラザールと再会し、ベッドを共にしていた。しかし彼女は自身の人生が敗北して酒とドラッグに溺れ、もはや彼の話も耳に入ってはこなかった。
ラザールはスーザンのバッグの中に、かつて自分が残していったカフスを目に留めると、黙って部屋を去って行く。もうろうとしたスーザンの脳裏に浮かぶのは、緑の美しい丘にたたずんで自由を満喫している自分の姿だった。
以上、映画「プレンティ」のあらすじと結末でした。
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