夜空に星のあるようにの紹介:1968年イギリス映画。ケン・ローチ監督の最初の劇場用映画。貧困の中でささやかな幸福を願う若い母親の生活を通してイギリス庶民の姿が提示される。ドノヴァンが音楽を担当し主題歌を歌う。32年後にテレンス・スタンプが主演するスティーヴン・ソダーバーグ監督の『イギリスから来た男』では、本作品のいくつかのシーンが主人公の若き日を物語るために引用される。
監督:ケン・ローチ 出演者:キャロル・ホワイト(ジョイ)、テレンス・スタンプ(デイヴ)、ジョン・ビンドン(トム)、クィーニー・ワッツ(エムおば)、ケイト・ウィリアムス(ベリル)
映画「夜空に星のあるように」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「夜空に星のあるように」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「夜空に星のあるように」解説
この解説記事には映画「夜空に星のあるように」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
夜空に星のあるようにのネタバレあらすじ:起・泥棒とは結婚するな
病院で赤ん坊が生まれる。母親のジョイは赤ん坊のジョニーを抱えて一人で貧しいアパートに帰る。赤ん坊の父親のトムは「もう退院したのか」と言う。彼は病院に来ることさえなかった。ロンドンのフラム生まれのジョイは子だくさんの家で、パブに入り浸る母と女好きの父の間で育って、トムと出会い妊娠して結婚した。トムにお金が入って前より高級な場所に引っ越したが、トムが働かないので食事はサンドイッチばかりに。トムの仕事は泥棒である。刑務所にいたこともある。そしてトムの身勝手さにジョイは辟易していた。
夜空に星のあるようにのネタバレあらすじ:承・優しいデイヴ
トムは友人たちと計画した強盗が失敗に終り、ジョイの目の前で逮捕される。ジョイはジョニーと、エムおばのアパートにころがり込む。更年期のおばは、体調がよくなったらもっと遊んでやると言いながら、しっかりお化粧をして男とのデートに出かける。強盗の一味だったが逮捕されずに済んだデイヴがジョイを訪ねて来るようになる。ある日、たまたま泥棒で意外な大金が入ったのでデイヴはジョイとジョニーを遊覧船に誘う。船を降りてからジョイはそのままデイヴの部屋を訪れ、彼と愛し合う。彼らはいっしょに暮らし始める。デイヴは優しく、ジョニーの本当の父親のようだった。ウェールズに旅行にも行き、おだやかで幸せな日々しばらく続く。しかし、デイヴの一味が宝石強盗で逮捕され裁判にかけられる。デイヴに禁固12年の判決が出る。
夜空に星のあるようにのネタバレあらすじ:転・男たちの間で
ジョイはパブで働き始める。そして刑務所のデイヴに手紙を書き続けた。ジョイはやがてパブの同僚のベリルに誘われてモデルの仕事を始める。といっても素人写真家たちのためのセクシーな写真の撮影会のモデルである。刑務所で面会したデイヴにはあなたの仮出所を待っていると言っているが、ジョイは男なしではいられない。仕事や育児の疲れを癒すように様々な男たちに身を任せていた。ジョイの生活についての噂は刑務所の中のデイヴにも伝わる。デイヴは他に男がいるなら君ともう会わない方がいいだろうという。彼に本当のことは言えなかった。
夜空に星のあるようにの結末:トムとよりを戻す
ジョイはデイヴにトムとの離婚の手続きを進めているという手紙を書く。結局、デイヴと過ごした半年が彼女にとって最も幸せな時間だった。だが、出所したトムがジョニーに会いたいと言ってジョイの前に現れる。新生活を始めよう、引っ越し先の当てがあるというトム。二人はよりを戻す。トムは前より穏やかになったようだったが、ジョイと口論になるとどうしても手が出てしまう。そしてジョニーのことをちゃんと気にかけてくれない。それでも女一人では生きられないジョイ、ジョニーのための家庭が必要と考えるジョイはトムとの生活を続けるしかなかった。ジョイは映画の最後にカメラに向かって話す。デイヴを愛していること、いつかデイヴといっしょに暮らせると思っていることを。
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