マキシマム・ブラッドの紹介:2014年カナダ映画。フィリピンを舞台にしたヴァンダムお得意のアクション映画。内容はシリアスで、腎臓移植をモチーフとした贖罪の物語となっている。原題のPound of Fleshは、シェイクスピアの「ベニスの商人」に基づいたもの。
監督:アーニー・バーバラッシュ 出演:ジャン=クロード・ヴァンダム(ディーコン)、ジョン・ラルストン(ジョージ)、アキ・アレオン(カン)、ダーレン・シャラヴィ(ドレイク)、シャーロッテ・ピーターズ(アナ・ライリー)、ほか
映画「マキシマム・ブラッド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マキシマム・ブラッド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マキシマム・ブラッドの予告編 動画
映画「マキシマム・ブラッド」解説
この解説記事には映画「マキシマム・ブラッド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マキシマム・ブラッドのネタバレあらすじ:起
フィリピンのマニラに、ディーコンという精悍な白人男性がやってきます。彼は被誘拐者奪回のスペシャリストでした。夜になると繁華街へ出ていき、そこで若い女性が男性と喧嘩しているところに出くわします。ふたりが路地に入っていったので跡をつけてみると、男は女性に暴力を振るっていました。見るに見かねて制止しようとしましたが、男はディーコンにまで殴りかかってきます。しかしディーコンが喧嘩に強いところを見せたため、男は尻尾を巻いて退散していきました。
女は助けられたお礼と言ってボルテックスというクラブで酒を飲んだ後、ディーコンの部屋で一夜を共にします。ところがセックスのあと、女が差し出したミネラルウォーターを飲んだディーコンはそのまま昏倒。気がついてみると氷を浮かべたバスタブに横になっていて、ベッドのシーツはなぜか血だらけになっていました。
背中に痛みを感じたディーコンは、鏡で痛みの部分をチェックして驚きます。ちょうど腎臓の裏辺りに大きな切り傷とそれを糸で縫った痕がありました。どうやら自分の腎臓のひとつを誰かが手術で取り去ったようです。あわててバッグを調べると、そこに入れてあった銃もなくなっていました。おまけに薬と札束が置いてあります。これでは警察に訴えても、ディーコンが自分から腎臓を売ったと思われてしまいます。
マキシマム・ブラッドのネタバレあらすじ:承
困りきったディーコンは昔からの知り合いであるカンに電話し、助けを求めることにします。やってきたカンに事情を話していると、部屋にさらに誰かが訪ねてきました。ドアを開けてみると、それはディーコンの弟のジョージです。実はディーコンがマニラにやってきたのは、ジョージの娘イザベラに自分の片方の腎臓を提供するためでした。
ジョージの体組織はイザベラに適合性がなく、完璧にマッチングしているのはディーコンの組織です。犯人は知ってか知らずか、その大事な腎臓を奪ってしまったのです。移植手術をしないとイザベラの命は3ヶ月も持ちません。ディーコンは腎臓を取り戻すべく、ジョージと一緒に犯人捜索に乗り出します。
2人がまず訪れたのはボルテックス。昨夜サーブをしてくれたバーテンダーの女性に話を聞こうとしますが、彼女はディーコンのことなど知らないととぼけます。おまけに用心棒たちが外へ連れ出そうとするため、ディーコンは彼らを叩きのめした上で女性に拷問を加え、ようやく手がかりをつかみます。昨日ディーコンと寝た女の名前はアナ・ライリー。ポン引きの男の情婦でした。
マキシマム・ブラッドのネタバレあらすじ:転
ディーコンとジョージはカンの協力でアナの電話番号を調べ、彼女が勤めているファイトクラブへ向かいます。ディーコンはそこでアナを見つけますが、尋問しているところへアナと一緒にいた男・ドレイクもやってきました。彼は元特殊空挺部隊員。今回の件で一時的にアナを雇ったのですが、彼自身も誰かに雇われているようです。
ディーコンはドレイクを捕らえようとしますが逃げられてしまいます。ディーコンは、腎臓移植を待っている金持ちが自分を襲わせたのだと推理し、ジョージの知り合いのハッカーからの情報で、サイモン・ランツ3世というイギリス人が怪しいとにらみます。
彼の邸宅を訪ねる前にアナを交えた一行はジョージの別荘で休息を取ります。アナはそこでジョージの亡妻メアリーの写真を見て、彼女が自分そっくりなことに気付きます。そのことからディーコンはメアリーとの情事を彼女に告白。実はジョージは無精子症で、イザベラはディーコンの娘でした。ドレイクがアナを雇ったのも彼女がメアリーに似ていたからです。
マキシマム・ブラッドの結末
一方、カンは別荘から武器の手配をしていましたが、冷蔵庫に仕掛けられていた手榴弾によって爆死。一同は悲しみに沈みつつ、武器を手に入れてランツの邸宅に向かいます。敷地前に着くと、まずディーコンが一人で内部へ侵入します。ランツは私設軍隊を抱えていて、邸宅内も大変な警戒ぶりでした。ディーコンは隊員たちを次々と倒しながら屋敷の奥へ進んでいきます。
ランツの部屋まで来るとそこにドレイクが登場しますが、ディーコンは後からやってきたジョージと協力して彼をなんとか殺害。ふたりはランツに腎臓を返せと迫ります。ところがその腹に手術跡はありません。不審に思いながらさらに奥の部屋に入ってみると、そこには子供が寝ていました。実はランツ3世というのはこの子供のことだったのです。
こうなるともう腎臓を取り戻す気にはなれません。ディーコンたちはそのまま屋敷を出ていきますが、ディーコンはこの時の戦いでひどい傷を負っていました。イザベラを見舞いに行っても彼は傷を治療しようとはせず、そのまま病室で死んでしまいます。イザベラを助けるための一種の自殺でした。おかげで残った片方の腎臓はイザベラに移植され、彼女の命は助かるのです。
以上、映画「マキシマム・ブラッド」のあらすじと結末でした。
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