プリズナーズの紹介:2013年アメリカ映画。「愛する娘を奪われた時、父が踏み越えた一線とは。」というキャッチフレーズで、子供を誘拐された父親とその誘拐犯を追う刑事の行動を描いた緊迫感迫るサスペンス・クライム映画です。
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 出演:ヒュー・ジャックマン(ケラー・ドーヴァー)、ジェイク・ギレンホール(ロキ刑事)、ヴィオラ・デイヴィス(ナンシー・バーチ)、マリア・ベロ(グレイス・ドーヴァー)、テレンス・ハワード(フランクリン・バーチ)、メリッサ・レオ(ホリー・ジョーンズ)、ポール・ダノ(アレックス・ジョーンズ)、ほか
映画「プリズナーズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「プリズナーズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
プリズナーズの予告編 動画
映画「プリズナーズ」解説
この解説記事には映画「プリズナーズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
プリズナーズのネタバレあらすじ:1.誘拐事件、発生
アメリカのペンシルベニア州のとある田舎町、工務店を経営するケラー・ドーヴァーは、妻グレイス、息子ラルフ、娘アンナと幸せに暮らしていました。感謝祭の日、ケラー一家は家族ぐるみで親しくしている隣家のフランクリン・バーチの家を訪ねました。フランクリンとその妻ナンシー、長女のイライザ、そしてアンナと同じ年頃の次女ジョイは、ケラー一家をもてなし、一緒に感謝祭を祝いました。アンナは「パパにもらった緊急用の赤いホイッスルなくしちゃったの」と言うと、フランクリンはその笛が出てくるようにと、トランペットを吹き出しました。アンナとジョイはその音に合わせて「ジングルベル」の替え歌を歌い、みんなを楽しませました。そんな中、突如とアンナとジョイの姿が消えてしまいました。必死でケラーたちは二人を探しますが、二人の姿は見つかりませんでした。心配になったケラーたちにラルフは、外に止まっていた不審な人の気配のするキャンピングカーのことを話しました。雨降る中、ケラーやフランクリンはそのキャンピングカーを探しましたが、もうそのキャンピングカーの姿はありませんでした。ケラーは二人がそのキャンピングカーに誘拐されたと思い、すぐに警察に連絡をしました。
プリズナーズのネタバレあらすじ:2.ロキ刑事、容疑者アレックスを拘束
その連絡を受けたデビッド・ロキ刑事は、そのキャンピングカーを捜索しました。その夜、ロキはそのキャンピングカーを見つけました。ロキが近づいていくと、そのキャンピングカーはロキをひき殺そうと暴走し、林の木にぶつかり止まりました。ロキはその車を運転していた青年アレックス・ジョーンズを拘束しました。ロキは警察でアレックスを二人の誘拐犯の容疑者として尋問しますが、10歳位の知能しかないアレックスは「やってない」と呟き否認しました。アレックスは事実上母親代わりの叔母ホリー・ジョーンズと二人で暮らしていました。ロキはホリーの家を訪ね、彼女にアレックスのことを尋ねましたが、ホリーは「やっかいなことはしない子」と言うだけでした。警察はキャンピングカーの中をくまなく調べますが、決定的な物的証拠も出てきませんでした。ロキは翌日、ケラーの家を訪ね、アレックスの事、キャンピングカーの事を伝え、証拠がないため、アレックスは即釈放することを告げに行きました。しかし,納得のいかないケラーは、ロキに娘たちが見つかるまで、拘束してほしいと無理難題を懇願しました。署に帰ったロキは、ケラーの熱意を感じ、規則を破ることになりますが、上司リチャード・オマリー警部に1日だけでも拘束期間を延ばすことを願い出ました。しかし、ロキの予想通り、上司はそれを却下しました。
プリズナーズのネタバレあらすじ:3.別の犯人を求めて
ロキはアレックス以外に犯人がいると考え捜査を続けました。そして、ロキはかつて性犯罪の前歴を持つパトリック・ダン神父の家を尋ねました。神父は酔いつぶれて倒れていましたが、ロキは彼の家を捜索しました。ロキは冷蔵庫の裏に隠されたドアから入る異臭漂う地下室で、ミイラ化した死体を1体見つけました。そのミイラは円形「迷路」のペンダントをしていました。ロキは神父を拘束し、尋問しました。神父は、死体は自分のもとに懺悔にきた男で、子供を16人誘拐して殺害した男だと言いました。神父はその男に「また来い」と言うと、その男は「もっと殺す」と言ったので、自分が殺したと吐露しました。結局、ミイラ化した死体の身元は謎のままとなりました。
プリズナーズのネタバレあらすじ:4.ケラーの決断
ロキが捜査している間に、アレックスは規則通りに釈放されました。その知らせを聞いたケラーは、アレックスがちょうど警察から釈放されるところに駆けつけました。憤っていたケラーはマスコミや警察官の制止を振り切り、アレックスに飛びかかり、彼に「あの子たちに何をした!」と訊きました。すると、アレックスは小声で「僕がいる間は泣かなかった」と呟きました。ケラーはその言葉を聞き、アレックスが犯人だと思い込みました。取り押さえられたケラーは、ロキにその言葉を伝え、アレックスを即逮捕するように命じ、警察を出て行きました。証拠のないアレックスを逮捕できないでいる警察に業を煮やしたケラーは、単身、アレックスを張り込みました。ケラーはある決断をしていました。そんなある夜、ケラーはアレックスが犬と散歩しながら鼻歌で歌った「ジングルベル」の替え歌を聞き、アレックスが犯人だと確信しました。ケラーはアレックスを拉致しました。そして、ケラーは、今は空き家となっている刑務官で自殺した父の家に、アレックスを監禁しました。ケラーは同じく娘を誘拐されたフランクリンにも協力を求めました。当初、フランクリンはこのような監禁は犯罪なので、協力を拒否しました。しかし、ケラーの執念と自らの娘を見つけたいという心に負け、ケラーに協力することにしました。ケラーはアレックスを拷問し、娘の居場所を吐かせようとしましたが、彼は何も答えませんでした。
プリズナーズのネタバレあらすじ:5.暴走するケラー
そんなある夜、ケラーの家の周辺で、この誘拐事件の無事解決を祈る人たちがろうそくを持ち寄り集会をしていました。ロキはその集会である不審な男に目をつけました。ロキはその男を尋問しようと近づいて行くと、その男は急に走り出し、ロキから逃げようとしました。ロキはその男を追いました。ロキは誘拐犯の容疑者として、その男の似顔絵を公開しました。するとあるスーパーマーケットから、よく似た男がいつも子供服を買っていくという通報をもらいました。ロキは今度来たら至急通報をするように依頼し去りました。その頃、ケラーは妻グレイスには娘の捜索と嘘をつき、ほとんど家には帰らず、空き家となった実家でアレックスを拷問し続けていました。ある夜、フランクリンは警察が新たな容疑者を見つけたことで、不安になり、妻ナンシーにケラーと共に行っている事を吐露しました。ナンシーは驚き、ケラーのもとに行きました。アレックスの顔面は殴られ、血だらけで腫れ上がっていました。ナンシーは言葉を失いましたが、彼女はアレックスに娘の居場所を問いかけました。その時、アレックスが突然、ガラスを手にナンシーを襲い、逃げようとしました。ケラーとフランクリンはアレックスを取り押さえ、事なきを得ました。ケラーの憤りは募り、彼は熱湯のシャワーが出る即席の拷問部屋をつくり、その中にアレックスを閉じ込めました。ケラーはフランクリンとナンシーにその拷問部屋を見せました。常軌を逸したケラーの行動に、フランクリンは異を唱えましたが、ナンシーは娘を救うためと言い、ケラーの行動を黙認することにしました。
プリズナーズのネタバレあらすじ:6.ケラーへの疑惑
ある夜のこと、ケラーの家に不審な男(集会でロキから逃げた不審な男)が不法侵入しました。ケラーの妻グレイスは娘アンナが帰ってきたものと錯乱状態で家を歩き回りますが、その男は彼女に発見されることなく、窓から逃げ去りました。グレイスはロキに連絡し、アンナが帰ってきたと主張しましたが、ロキは睡眠薬に頼っているグレイスの証言をあまり信用しませんでした。ロキは誰かが侵入したと思い、痕跡を調べるため、家の中を捜索しました。ロキは、地下室にカセイソーダなど一般家庭には普通ないものが大量に備えてあったことから、「最善を願い、最悪に備えよ」が口癖のケラーに疑念を抱きました。ロキはケラーを尾行しますが、ケラーの感づかれてしまいました。ロキはケラーのここ最近の行動を訊きますが、ケラーは娘を探しているとしか答えませんでした。未だ犯人を挙げられない警察やロキに、ケラーは感情的になり怒りました。そんなケラーにロキは「お嬢さんが帰ったとき、パパとママがいないと」となだめ、二人は別れました。ケラーは実家に戻り、拷問部屋で熱湯のシャワーをアレックスに浴びせ、拷問しました。そこにロキがやって来ました。新聞記事でケラーの父の実家を知ったロキが調べに来たのでした。ケラーは焦りつつも、ロキに部屋を案内して回りました。その最中、ロキにスーパーマーケットからあの似顔絵の不審人物が来たという連絡が入りました。ロキはケラーの家を飛び出し、その人物の車を追跡しました。
プリズナーズのネタバレあらすじ:7.容疑者ボブ・テイラーの「迷路」
その不審人物はボブ・テイラーという男でした。ロキはボブを自宅で尋問しようとすると怪しげな行動をとったので、ロキはその場で彼を拘束し、家宅捜査をしました。ロキはそのボブの家でちょうど子供が一人入る大きさの同じコンテナを何個も見つけました。ロキは拘束したボブを車に乗せると、その鍵のかかったコンテナを叩き開けました。そこから見つかったのは、何匹もの蛇と血の付いた子供服でした。ただ、最後に開けた1つから迷路クイズを閉じた「迷路をすべて解ければ家に帰れる」というファイルが見つかりました。ロキはボブこそが犯人だと思い、彼を署に連行しました。ロキは署にフランクリンとナンシー、そしてケラーを呼びました。そして、血のついた衣服の写真を見せました。そこには二人の誘拐当時の服がありました。ケラーは娘は既に殺されたと思い、ロキに「あんたのせいだ」と言い去りました。ロキはボブに二人の遺体が未だ発見されていないので、彼にその遺体の位置を描くように求めました。しかし、ボブは意味不明な言葉を呟きながら、ただ「迷路」を描き続けるばかりでした。苛立ったロキはボブを問い詰めましたが、その時、ボブは警官の銃を奪い、頭を撃ち抜き自殺してしまいました。ロキはふとボブが描いていた「迷路」が、神父の家で見つけたミイラの死体が着けていた「迷路」のペンダントと一緒であることに気づきました。しかし、ボブは犯人ではありませんでした。ボブの家で見つかった血は豚の血で、衣服はケラーとフランクリンの家から盗んだものでした。
プリズナーズのネタバレあらすじ:8.ホリー・ジョーンズの正体
一方、ケラーはアレックスを拷問し、ついに「迷路」という言葉を聞き出しました。「迷路」という言葉だけで意味が分からないケラーは、アレックスの事実上の親である叔母ホリー・ジョーンズの家を訪ねました。ケラーは、昔ホリーは亡くなった蛇好きの夫とよくキャンピングカーで各地に布教活動に行っていたことぐらいしか情報を得ることができずにホリーの家から発ち去りました。ホリー宅を立ち去り家に戻ったケラーは、フランクリンの娘ジョイが無事保護されたという吉報を受けました。病院で衰弱しきっていたジョイに、ケラーとグレイスがアンナの居場所について問うと、ケラーに「おじちゃんもいた」と呟きました。ケラーは自身の直近の行動から娘アンナはホリーの家にいると確信し、ホリーの家に急行しました。ケラーは再度ホリーの家に入ると、ついにホリーが拳銃をケラーに突きつけ、その本性を現しました。ホリーは夫と共謀して、これまで数多くの子供を誘拐し殺害していたのでした。アレックスとボブもホリーの被害者でした。ホリーはケラーに毒を飲ませ、彼の片足を撃ち、自由に動けないようにしました。ケラーは娘と会いたいため、ホリーの言われるがまま、庭の車の下に掘られた地下の密室に監禁されてしまいました。そこに愛娘の姿はありませんでした。あったのはケラーが与えた赤いホイッスルでした。
プリズナーズのネタバレあらすじ:9.ロキ、真相に迫る
その頃、ロキはケラーが父の実家に行ったものと誤認し、ケラーの実家に踏み込みました。ロキはそこで監禁されていたアレックスを発見しました。ロキはアレックスの無事保護を報告するために、ホリーの家へ向かいました。ロキはホリーの家に入ると、そこに飾られているホリーの夫の写真に目を奪われました。その夫はあのミイラが着けていた「迷路」のペンダンドをしていました。ロキはあの神父の家で見つかったミイラはホリーの主人だと確信し、ホリーが今回の誘拐事件の真犯人ではないかと推理しました。
プリズナーズの結末:10.アンナ救出。父ケラー行方不明
ロキは銃を構え、ホリーを捕らえ尋問するため、家の奥へと静かに歩み、ホリーを探しました。そして、ついにホリーを見つけました。彼女はアンナに薬物を注射しようとしていました。ホリーは尋問に応じるふりをしつつ、振り返り様にロキに発砲してきました。ロキはかすり傷を負いながらも、ホリーを射殺しました。そして、ロキはアンナの救出に成功しました。事件は解決しました。ただ必死で愛娘を捜索していたケラーは、アレックスを不当に監禁・拷問した罪で刑務所行きになりますが、彼は行方不明となっていました。
ホリーの家宅捜索が終了したある日、ロキは静寂に包まれた庭から微かにホイッスルの音を耳にし、振り返りました。
「プリズナーズ」感想・レビュー
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ボブ・テイラーは、いったいなんだったのでしょうか。
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迷路迷路のキーワードですぐ気がつかなかったのかな ラストでアンナを病院に連れて行くとき薬剤の瓶屋は持って行かなくちゃ
それ以外はサスペンスとして良く出来てる -
薬剤の瓶確認してたから笑
愛する娘を誘拐された父親の狂気と、誘拐犯を追いつつ父親にも目を向ける刑事との息詰まるサスペンス作品。私には子供はおりませんが、実際愛するわが子がこんな目にあったらこの父親のようなるのかなと想像しました。父親の常軌を逸した行動に目が行きがちですが、誘拐事件の背景などしっかりと作り込まれていてミステリーとしても見ごたえがあります。