さらば青春の光の紹介:1979年イギリス映画。ザ・フーの同名ロックオペラを映画化。退屈な生活から抜け出そうと藻掻く若者の姿を描いた青春ドラマ。鬱屈とした毎日を送るモッズのジミーは、仲間と騒ぐことだけに生きがいを見出していた。毎夜クラブやパーティーに顔を出し、薬物と恋に溺れ、敵対するロッカーズとの喧嘩に明け暮れる。若者達の鬱憤と熱狂はついに海辺の町ブライトンで爆発し、暴動騒ぎにまで発展してしまう。スティングの映画デビュー作。
監督:フランク・ロッダム 出演者:フィル・ダニエルズ(ジミー・クーパー)、レスリー・アッシュ(ステフ)、マーク・ウィンゲット(デイヴ)、フィリップ・デイヴィス(チョーキー)、スティング(エース・フェイス)ほか
映画「さらば青春の光」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「さらば青春の光」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
さらば青春の光の予告編 動画
映画「さらば青春の光」解説
この解説記事には映画「さらば青春の光」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
さらば青春の光のネタバレあらすじ:怒れる若者
舞台は1964年イギリス、ロンドン。広告会社のメールボーイとして働くモッズのジミー・クーパーは、退屈な毎日に嫌気が差していました。夜になると派手にデコレーションしたスクーターに乗り、クラブやパーティーに出て仲間とダンスを楽しみます。顔なじみの売人ファーディーから薬物を購入し、帰りはいつも深夜でした。そんな折、軍に入って以来会っていなかった友人ケヴィンと再会します。はじめは喜ぶジミーでしたが、ケヴィンが敵対するロッカーズと知って失望しました。ろくに話もせずケヴィンと別れたジミーは、新しく細身のスーツを仕立てます。今度の土曜日に、各地のモッズが海辺の町ブライトンに集結する予定になっていました。心躍らせるジミーの心情を、両親はいまいち理解出来ません。夜、近くまで来たからとケヴィンが訪ねて来ました。「ロッカーはいかにも三流市民だ」と暴言を吐くジミーに、「モッズもロッカーも――結局は同じだろ」と語るケヴィン。ジミーは人と同じでは我慢出来ず、大物になりたい、そうでなければ死んだ方がマシだと考えていました。ケヴィンも同じことを考えて軍に入りましたが、結局町も軍も変わらないと思い知り除隊したそうです。
さらば青春の光のネタバレあらすじ:狂い始める歯車
ジミーはスクーターに乗り、クラブやパーティーでよく顔を見るステフに会いに行きました。美しい彼女にジミーは恋をしていましたが、既にピートという恋人がいます。ブライトンへも彼と一緒に行くと知り、ジミーは肩を落としました。しかし軽い付き合いだと聞き機嫌を持ち直します。その夜、いつものように遊び歩いていたジミー達のもとに不穏な知らせが届きました。仲間のスパイダーがロッカーズに襲撃され、怪我を負ったらしいのです。怒り狂ったジミー達は「殺すんだ」と叫んでスクーターに跨り、ロッカーズを見つけて酷い暴行を加えました。標的になったロッカーズはケヴィンです。それに気付いたジミーはやめろと叫びますが、助ける訳でもなくその場から逃げ出してしまいました。家に帰ると、夜遊びを咎めるため父親が待ち構えていました。父はいつも苛々しているジミーのことを「性根がフラフラ定まらないから――自分を見失ってる」と注意します。翌日、ジミーは会社を無断欠勤して薬物を探し回りました。ブライトンでより盛り上がるためです。しかしファーディーの姿が見えないため、閉店後の薬局に忍び込んで盗みを働きました。
さらば青春の光のネタバレあらすじ:ブライトンの暴動
土曜日。髪を整え、細身のスーツに袖を通したジミー達はブライトンへ向けてスクーターを走らせます。途中仲間のチョーキーがロッカーズに襲われて転倒するアクシデントがありましたが、無事ブライトンに到着しました。モッズが集まり盛り上がる中、一際目立つ男が現れます。モッズのカリスマ的存在、エース・フェイスの登場でした。憧れの存在にジミーは目を輝かせます。夜、ジミーはステフをダンスに誘いますが、騒ぎを起こして店から追い出されてしまいました。翌朝、不機嫌なジミーのもとに友人デイヴがやって来ます。そしてピートが別の女を連れていたので、ステフがフリーになったようだと教えてくれました。彼はジミーがステフに惚れているので、口説くのをやめたそうです。それを聞いたジミーは一気に上機嫌になりました。我が物顔で大通りを歩くモッズの列。昨日チョーキーを襲ったロッカーズを見つけた彼らは、集団で殴りかかりました。これをきっかけにモッズとロッカーズの喧嘩が始まり、暴動騒ぎにまで発展してしまいます。ロッカーズと戦い、到着した警官隊ともみ合うジミーは最高の刺激を感じました。ジミーはステフと路地に入り、初めて肌を重ねます。素晴らしい興奮を覚えるものの、路地から出たジミーは警官に捕まってしまいました。ステフはデイヴに助けられ、彼のスクーターでブライトンを後にします。
さらば青春の光のネタバレあらすじ:突きつけられた現実
捕まったジミー達は裁判にかけられ、罰金刑となります。エースは75ポンドもの大金をすぐに小切手で支払うと宣言し、モッズの拍手喝采を浴びました。ジミーも得意げに彼を見つめます。ところが、ジミーの本当の罰は地元に帰ってから始まりました。家に帰ると怒りで半狂乱になった母親が待ち構えています。彼女はジミーが昨日の暴動に参加していたこと、薬物を使用していたことを知り喚き散らしました。ジミーはそのまま家から追い出されてしまいます。更に職場でも無断欠勤や暴動のことに言及され、嫌気が差したジミーは暴言を吐いて解雇されました。苛々したままモッズが集まるいつもの店へ行くと、付き合い始めたデイヴとステフの姿が。退職金をはたいて薬物を購入したジミーですが鬱憤が晴れることはなく、デイヴに殴る蹴るの暴行を加えてしまいました。「みんなクソだ!」と叫んでスクーターで走り去るジミー。その夜は野宿をして、翌日ステフに会うため道端で待ち続けます。ところが現れた彼女は明らかに迷惑そうな様子でした。そしてモッズもジミーとのセックスも、全てはお遊びだと一蹴します。強いショックを受けたジミーは事故を起こしてしまい、大事なスクーターさえ壊れてしまいました。
さらば青春の光の結末:青春の終わり
ジミーはあの興奮を求めてブライトンへ向かいます。熱狂の跡を辿るようにフラフラ歩いてみますが、ブライトンの町はすっかり狂騒など忘れたようでした。悪態をつきながら歩いていると、ホテルの前でエースのスクーターを見つけます。救われたような気分になっているジミーの視界に、ホテルから出てきたベルボーイの姿が映りました。その顔はなんとエースです。彼は平凡なベルボーイとして、現実に対して妥協し、堅実に働いていたのでした。最後の心の支えだった偶像を失ったジミーは、あまりのショックに「ベルボーイめ!」と叫んでエースのスクーターを盗み出します。ジミーはビーチー岬にスクーターを走らせ、自殺するつもりでスクーターを発進させました。しかし崖から落ちたのはエースのスクーターのみ。岩に叩きつけられたスクーターは、まるでジミーの青春の終わりを告げるように大破しました。青春の光とともに、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「さらば青春の光」のあらすじと結末でした。
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