僕はラジオの紹介:2003年アメリカ映画。『僕はラジオ』はマイク・トーリン監督によるノンフィクション映画。知的障害を持つ主人公と、アメフト部のコーチとの友情を描いた人間ドラマ。
監督:マイク・トーリン 出演:キューバ・グッディング・Jr(ラジオ)、エド・ハリス(ハロルド・ジョーンズ)、アルフレ・ウッダード(ダニエルス校長)、デブラ・ウィンガー(リンダ)、S・エパサ・マーカーソン(マギー)、ほか
映画「僕はラジオ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「僕はラジオ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「僕はラジオ」解説
この解説記事には映画「僕はラジオ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
僕はラジオのネタバレあらすじ:ラジオとコーチの出会い
1976年アメリカ、サウス・カロライナの小さな町アンダーソンでは、高校のアメフトチームの試合は町中の人々の関心ごとであり、最も人気のある娯楽のひとつでした。ハロルド・ジョーンズ(エド・ハリス)は、名門ハナ高校アメフト部のコーチをしています。町の理髪店では、ファンが集まるのが恒例となっており、いつもアメフト話に花を咲かせていました。ある日コーチは、部活の練習が始まると、いつも校庭のフェンス越しに1人の黒人の青年がこちらを見ていることに気付きます。コーチが話しかけても、青年はただ黙っているだけで心を開いてくれません。青年が知的障害を持っていることに気付いたコーチは、彼を気にかけ、次の日もまた次の日も彼に話しかけるのでした。そんな折、校庭の外に出たボールを誤って持ち帰ってしまった事がきっかけで、青年は部員たちのいじめに遭い、手足を縛られ倉庫に閉じ込められてしまいます。コーチは部員たちを叱り、青年にお詫びの印にアメフトの練習に参加する事を提案しました。次第に心を開き、笑顔を見せるようになった青年は、ヴィンテージラジオが好きなことから、周囲に“ラジオ”の相性で親しまれるようになります。
僕はラジオのネタバレあらすじ:コーチの想い
ラジオの母マギー(デブラ・ウィンガー)は、ラジオの兄と3人で暮らしていました。夫を亡くし、家族のために病院での激務をこなし生活費をまかなっていました。コーチはそんなマギーの事を気にかけ、マギーもまたコーチの事を信頼していました。ラジオは部のアシスタントもするようになり一躍人気者になりますが、その頃アメフト部は成績不振に悩まされるようになります。部のエースであるジョニー(ライリー・スミス)はラジオの存在が邪魔になっているからだと訴え、さらに校長までもが生徒の学業に支障をきたすのではと忠告しますが、コーチは学内からラジオを追い出そうとは微塵も思っていませんでした。コーチの一人娘で、ハナ高校生徒であるメアリー(サラ・ドリュー)は、父がラジオの事ばかりで家庭を顧みない事に、次第に不満を募らせていきました。
僕はラジオのネタバレあらすじ:母の死
ラジオの事をよく思っていなかったジョニーとその仲間たちは、ある日ラジオを呼び「女子更衣室で先生が呼んでいる」と嘘をついて行かせようとします。信じたラジオは更衣室に行ってしまい、この一件は学校で大きな問題となってしまいます。コーチはラジオに、誰に指示されたのか問いただしますが、ラジオは決して口を割りませんでした。犯人がジョニーだと察したコーチは、ジョニーにバスケの試合(ジョニーは部活を兼任していた)の出場停止を言い渡しました。その夜コーチは家に帰ると、メアリーから、ラジオの母が亡くなったとのショッキングな知らせを受けます。メアリーと一緒にラジオの家に向かうと、ラジオは泣き崩れ、部屋はめちゃくちゃになっていましたが、コーチに会ってなんとか落ち着きを取り戻します。帰りの車で、コーチはメアリーに「初めて人に話す・・・」と言って、自らの体験を話し始めました。それは、コーチがまだ小学生の頃、早朝の新聞配達のアルバイトでいつも通る家の前に、小さな檻に閉じ込められた少年を見つけたという話でした。毎朝その場所を通りながらも、当時の自分は何もすることができなかったという激しい後悔が、コーチの心の奥底にずっと残っていたのです。ラジオの事ばかりで寂しい思いをしていたメアリーと、言えなかった過去を明かしたコーチの心が通じ合った瞬間でした。
僕はラジオの結末:名誉卒業生となったラジオ
謹慎処分から帰ってきたジョニーに、ラジオはお詫びにとお気に入りのラジオをプレゼントします。「僕の事でコーチに怒られてごめんね」と言ったラジオの純粋さに心打たれたジョニーは、ラジオに対するいじめを一切やめ、2人の間に友情が芽生え始めます。ある日、コーチはラジオに進級を勧めようと話を切り出しましたが、学校を卒業したくないラジオは、コーチの提案を断ります。校長と話し合い、ラジオはその後名誉卒業生として卒業式に参加、特別生徒として本人が希望する限りずっとハナ高校の生徒として居続けていいと言われ、ラジオは笑顔でそれを受け入れました。ハナ高校アメフトチームの成績不振について、ずっと頭を抱えていたコーチでしたが、これを機にアメフトチームのコーチを退任する事に決めました。コーチは、町民が集まるいつもの理髪店で「今後も教師は続けたい事」、また「これまで蔑ろにしてきた家族との時間を今後は大切にしていきたい事」を皆に告げるのでした。そして、ラジオに対して否定的だった町民たちに、「純粋な心を持つラジオから学んだことはたくさんある」と話しました。ラジオは50歳を過ぎた今も、ハナ高校アメフト部の名物マネージャーとして活躍し続けています。
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