われに撃つ用意あり READY TO SHOOTの紹介:1990年日本映画。佐々木譲の小説「真夜中の遠い彼方」を原作に描く若松孝二監督によるハードボイルドアクション映画。全共闘運動に青春を捧げ今はひっそりと新宿歌舞伎町でバーを経営する郷田克彦はひょんかことからベトナム難民の少女をかくまうことに。彼女は香港マフィアから命を狙われていた。店を襲撃され仲間を失った郷田はマフィアに一人立ち向かうことを決意しますが…。孤高のアウトローを演じる原田芳雄の骨太な演技が光る作品です。
監督:若松孝二 出演者:原田芳雄(郷田克彦)、桃井かおり(李津子)、ルー・シュウリン(ヤン・メイラン)、蟹江敬三(刑事・軍司浚平)、山口美也子(今井江里子)、斉藤洋介(馬場)、西岡徳馬(有本)、小倉一郎(三宅)、麿赤児(桜田)、室田日出男(香港マフィア・リュウ)、石橋蓮司(秋川)、ほか
映画「われに撃つ用意あり」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「われに撃つ用意あり」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
われに撃つ用意ありの予告編 動画
映画「われに撃つ用意あり」解説
この解説記事には映画「われに撃つ用意あり」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
われに撃つ用意ありのネタバレあらすじ:起
新宿歌舞伎町の片隅に佇むバー、カシュカシュ。マスターの郷田克彦は今日で店を畳むことを決めており、夜に行われる閉店パーティーに向けて準備を進めていました。
昼、買い物を終えて店へ戻ってみると、カウンターの隅に震えながら身を隠す女性を発見します。彼女はベトナム難民のヤン・メイラン。ヤクザから命を狙われています。
克彦は怪我を負っているメイランの手当をしてやったり、食事を作ってあげたりと世話を焼きます。メイランが何故助けてくれたのかと問うと、若い頃バーのマスターに同じように助けてもらったことがあるのだと打ち明けます。克彦は若い頃、全共闘運動に身を投じた闘士でした。
一方その頃、桜道会系戸井田組組長が百人町のマンションで銃殺されて見つかるという事件が起き、刑事軍司浚平らが捜査に乗り出します。
われに撃つ用意ありのネタバレあらすじ:承
夜になり克彦の仲間達がパーティーに参加するため続々と店に集まってきます。記者の李津子や熱狂的な巨人ファンの秋川など、皆克彦と共に全共闘運動に身を投じた同志です。
志を共にした仲間達も中年となった今はそれぞれ別の世界で生きており、考えの違いから喧嘩が起きたりするものの、フォークソングを合唱したりと賑やかにパーティは進んでいきます。
そんな中メイランはひっそりと店から姿を消します。しかし外には戸井田組のヤクザ達が待ち構えていました。逃げ場を失って雑居ビルの片隅に身を潜めていたメイランは克彦に救出されます。
克彦はメイランをいったん自宅へ連れて帰ります。メイランはタイの難民キャンプで暮らす兄を助けるため偽造パスポートを手に入れる準備を進めていたものの、不法滞在をネタにヤクザ達に追われていると克彦に説明します。
メイランを助けたい克彦は偽造パスポート受け取りの場に同行、その後二人は再びカシュカシュへと戻ります。
われに撃つ用意ありのネタバレあらすじ:転
メイランは連行されたマンションの一室で売春を迫られ、戸井田組組長を撃ち殺してしまったことを告白します。さらに桜道会のボス桜田が、外国人女性を壁に吊るして射殺するというショッキングなビデオテープまで見せられ、従わなければ同じ目に遭わせると脅されていたことが判明します。メイランは難民だった時代に海賊からレイプされるという悲しいトラウマを背負っていました。
一方その頃、軍司は戸井田組組長の殺害にメイランが関与していることを突き止めました。仲間達が神妙にメイランの話に耳を傾けているとそこに香港マフィア達が乱入してきました。
克彦が殴られ、酔って寝ていたはずの秋川が果敢に掴みかかるものの射殺、マフィア達はメイランをさらって店から出て行くのでした。
われに撃つ用意ありの結末
目の前で仲間を失った克彦は客達を店から退散させ、一人香港マフィアと対峙することを決意します。アパートへ帰ると李津子が待っていました。李津子は克彦を放っておくことができず、共に闘う決意を固めていました。
克彦は長らく隠し持っていた銃を手にし、李津子ともにマフィアのアジトへ突入します。激しい銃撃戦の末、克彦は負傷しながらもメイラン奪還に成功しました。アジトを出た克彦達を待ち構えていたのは軍司ら刑事達でした。
軍司は1969年の10.21国際反戦デー闘争で克彦を逮捕した因縁の相手でした。銃を捨て、メイランの身柄を引き渡すよう要求される克彦ですが、軍司ら二人の刑事と撃ち合いをし、なんとかメイランだけを逃がします。
克彦と李津子は傷だらけの身体を引きずりながら、新宿コマ劇場の前に腰を下ろします。そして薄れゆく意識の中で肩を寄せ合いながらタバコをふかすのでした。
以上、映画「われに撃つ用意あり」のあらすじと結末でした。
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