リメインダー 失われし記憶の破片の紹介:2015年イギリス,ドイツ映画。「パイレーツ・ロック」(2009)のトム・スターリッジ主演によるスパイラル・ミステリー。突然の事故で記憶を失くしてしまった青年。莫大な示談金を手にしたことから思いついたのは、記憶の断片を完璧に再現し、過去を掘り起こす作業だった。トム・マッカーシーによる原作小説「もう一度」を、映像作家のオマー・ファストがシュールな世界観で描く。
監督:オマー・ファスト 出演者:トム・スターリッジ(青年)、クーシュ・ジャンボ(キャサリン)、エドワード・スペリーアス(グレッグ)、ニコラス・ファレル(ドーバニー)、ジュメイン・ハンター(クリストファー)、アーシャー・アリ(ナズ)ほか
映画「リメインダー 失われし記憶の破片」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「リメインダー 失われし記憶の破片」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
リメインダー 失われし記憶の破片の予告編 動画
映画「リメインダー 失われし記憶の破片」解説
この解説記事には映画「リメインダー 失われし記憶の破片」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
リメインダー 失われし記憶の破片のネタバレあらすじ:起
人々が行き交う街中を、1人の青年がスーツケースを引いて歩いて行きます。急いだ様子の青年の頭上から突然、何かが落下してきました。頭に強い衝撃を受けた青年はそのまま倒れ、血まみれの状態で意識を失います。病院で目覚めた青年は、自分が何らかの落下事故で瀕死の重傷を負ったと知ります。しかし、事故に遭う直前の自分の行動が全く思い出せないのです。病室のベッドの上、青年は奇妙な幻影を見ます。そこは古いアパートの階段。見知らぬ老婆と少年がおり、少年は老婆に手を差し出しています。それが何を意味するのかわからないまま、青年の容態は奇跡的に回復。右手と歩行のリハビリに励み、無事に退院します。まだ体の不自由を感じつつ、青年はアパートで独り暮らしを始めます。そこにドーバニーという弁護士から電話がかかります。青年の事故原因を作った相手が、示談を申し出てきたと言うのです。今後、事故について一切言及しないこと。そして法的手段に訴えないこと。それらを条件に、850万ポンドという大金が提示されます。
リメインダー 失われし記憶の破片のネタバレあらすじ:承
青年は一端電話を切り、公衆電話から再びドーバニーにかけます。電話で話す青年の前に、知らない2人の男が現れました。男達は銃を持っており、青年は驚きます。しかし、その光景を目撃したクリストファーという黒人青年が、慌てて携帯で撮ろうとしました。男達はクリストファーを脅して去って行きます。青年が帰宅すると、部屋には1人の女性がいます。キャサリンというその女性は青年の知り合いらしく、伸びきった青年の髪を切ってやります。後日、青年はドーバニーのもとへ行き、示談金の申し出を受けることにます。ある日、青年の友人だったグレッグという男が現れます。グレッグはキャサリンの夫でしたが、なぜかキャサリンには気をつけろと警告してきます。混乱した青年の目に、再びあの少年と老婆の姿が映ります。青年とキャサリンはグレッグのことで口論になり、キャサリンは青年の部屋を出て行きます。後日、青年は奇妙な行動に出ます。手に入れた多額の示談金で、以前住んでいた5階建てのアパートとよく似た建物を購入。役者達を雇い、そのアパートに住んでいた人々そっくりの格好をさせます。青年は、過去の記憶をそのまま再現することで、消えた記憶を取り戻そうとしていました。
リメインダー 失われし記憶の破片のネタバレあらすじ:転
幻影で見たあの老婆や、自分を気遣うキャサリンを役者達に演じさせ、過去の記憶をリプレイさせようと焦る青年。しかし、何度試みても記憶は戻りません。ある日のこと、青年はクリストファーを路上で見つけ、記憶再生の芝居に参加するよう依頼します。多額の謝礼に喜んだクリストファーは了解しますが、その後、あの謎の2人の男達に殺害されます。クリストファーの死を知った青年は、その死の現場を再現することで記憶を取り戻そうとしますが失敗。さらに自分もあの2人の男達に襲われ、拷問まがいの暴力を受けます。男達は、青年が事故直前まで持っていたスーツケースを探していました。ある日、青年はテレビで銀行強盗のニュースを見ます。犯人とされていたのはクリストファーでした。この銀行強盗の場面を再現しようと考えた青年は、大金をかけて巨大倉庫に銀行そっくりのセットを作ります。大勢の役者を雇い、銀行強盗と銀行の客達の演技をさせます。芝居の目的が何なのか知らされないまま、役者達は与えられたシナリオを繰り返し練習します。しかしリアルさを追求する青年は、役者達の演技に満足できません。ある夜、再びあの少年の幻影を見た青年は、今度は本物の銀行で再現ドラマを実行しようと決意します。
リメインダー 失われし記憶の破片の結末
青年は何も知らない役者達を騙し、いつもの倉庫ではなく本物の銀行へと連れて行きます。青年もまた銀行強盗の格好をし、芝居に参加するつもりでした。その頃、銀行にはキャサリンが来ていました。キャサリンは個人金庫の鍵を受け取り、中の荷物を取りだすところでした。銀行の前で車から降ろされた役者達は、いつもの芝居だと思い込んで銀行へと乗り込みます。店内は混乱に陥り、店員も客達も大騒ぎになります。役者の1人が撃った銃が仲間に当たり、血を流して倒れました。役者の1人は、銃が実弾だとわかった途端にパニックを起こします。金庫からスーツケースを持って出てきたキャサリンは、銀行強盗に驚きます。一連の光景を眺めていた青年の目に、あの少年の姿が見えました。記憶の中の少年が、青年に向かって手を差し伸べます。青年がコインを渡すと微笑んで去りました。青年の記憶は戻りました。キャサリンが金庫から出したスーツケースを見つけ、僕のものだと言って手にします。撃たれて動かない役者に目をやり、満足そうに銀行を出ると歩き出す青年。その後を、あの2人の男達が追います。彼らは警官でした。青年はスーツケースを持ってひたすら歩き続けます。キャサリンもその後を追います。青年が事故に遭う直前の記憶場面が再現されます。キャサリンが見つめる中、青年の頭上で大きな音がしました。青年は目を閉じ、思います。「俺はここに生まれ変わった。そして再び待っている」。
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