パーティーの終わりの紹介:2018年ドイツ映画。クラブを営むオスカーは借金にまみれ、開発のためにクラブは明日には壊される。仲間たちと最後に年越のパーティーを酒を浴びながら過ごすオスカーの夢と現実が入り混じった一夜を描く。
監督:ヤコブ・ラス 出演者:ニクラス・ブリュン(オスカー)、ダーヴィト・シュター(パブロ)、ティンカ・フュアスト(マチルダ)、コリンナ・ハルフォーフ、ベラ・B・フェルゼンハイマー(エルビス)、マルティナ・ショーン・ラドゥンスキー(ニーナ)、マチアス・ブロッホ(ロッキー)、タンナ・バーセル、フェリックス・マリア・ツェッペンフェルト、ほか
映画「パーティーの終わり」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「パーティーの終わり」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
パーティーの終わりの予告編 動画
映画「パーティーの終わり」解説
この解説記事には映画「パーティーの終わり」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
パーティーの終わりのネタバレあらすじ:起・借金とクラブ
朝から呼び鈴で起こされたオスカー(ニクラス・ブリュン)。蹴破られたドアから入って来た取り立て屋のカレ・シュウェンゼンに、既に5万ユーロを借金していると言うのに、1万ユーロを今夜中に払わないと指を折ると宣告されてしまった。
オスカーは今夜の大晦日から新年のイベントで、経営するクラブを終わりにし、恋人をマチルダ(ティンカ・フュアスト)を置いて去るつもりでいた。
そんなオスカーにはクラブを通じ、保育園の先生から画家になった装飾担当のニーナ(マルティナ・ショーン・ラドゥンスキー)、クラブの開店時から演奏をし今やロックスターのロッキー(マチアス・ブロッホ)、クラブの番人をしているリオ(Esther Blankenhagel)、そして共同経営者のパブロ(ダーヴィト・シュター)という仲間がいた。
そのパブロに1万ユーロの件を言い出せないでいたオスカーだったが、借金をしていた事がバレてしまった。
パーティーの終わりのネタバレあらすじ:承・会いに来たマチルダ
その夜、二年も音沙汰の無かったロッキーの父親から電話あり会いに行くと、家は警備員に守られ、裏口にいた父親はロッキーの音楽活動に反対していた。
最後のパーティーイベントのため、クラブへ戻る途中、キーツカレ(カレ・シュウェンゼン)に遭遇し、指を折られそうになったが、通りかかったオスカーの父親ロバートが知り合いで難を逃れた。そしてクラブに父親を連れて行くと、パブロはロバートのロックのファンだった。
クラブ最後の年越パーティーが始まり、オスカーはフロアで踊るマチルダの幻影を見ていると、マチルダからパーティーに来ると言うメールが来て、彼は彼女への告白を想像した。
ステージではライブが始まり盛り上がる一方で、ロバートが心臓発作で倒れて救急車で運ばれ、オスカーが飲みすぎてトイレで吐いていると、取り立ての電話が鳴った。
パーティーの終わりのネタバレあらすじ:転・招かれざる客
キーツカレから強引に10人分の客のためのテーブルの用意を催促されると、他にもパーティーをしたい客が来ると言って、仲間は反対。パブロが「警察を呼ぶ」と言うと、騒ぎを起こしたくないオスカーは呼ぶのはやめてもらった。
そこへマチルダが到着。彼女はオスカーの仕事場をいつか見たいと思っていたと言って、オフィスを訪れたのだった。
表では別のトラブルが発生。ロッキーの母親で議員のロックマン夫人が夫を探しにやって来て、クラブが入っている古い建物を壊してビルを建てたいとオスカーに告げた。
さらにオフィスでは、足にボルトが刺さり怪我をしたニーナの手当てをしていると、脳腫瘍があり余命は四か月だと告白し、彼女はオスカーに口づけをした。足に靴を固定し、フロアに戻って踊り狂うニーナの姿に、オスカーは彼女が死ぬなんてそんなわけがないと自分に言い聞かせた。
パーティーの終わりの結末:クラブの終わり
新年になると同時に、解体が始まりクラブの壁が壊された。ロックマン夫人は古いエレベーターの中に閉じ込められ「警察を呼ぶ」と言う夫人に、ロッキーはバールで無理矢理に扉をこじ開けようとした。トイレでは水の元栓が壊れて水浸しになり、オスカーの携帯電話は水没し、キーツカレからの連絡は届かなかった。
ステージでは、病院に運ばれたはずのオスカーの父親が演奏し、フロアを盛り上げた。そして、ニーナやロッキーの事で頭がいっぱいになっていたオスカーも、ステージからマチルダへの愛を叫んだ。彼女をステージに上げ、キスをしたつもりだったが、飲みすぎでオフィスで目を覚ましたオスカー。
さらに酒を飲んでいると、マチルダがオフィスにやって来た。他の男と会ったマチルダに別れを告げようとするオスカーと、関係を終わらせたくないマチルダの話は平行線のまま、ロックマン夫人は自ら呼んだ警察によって、エレベーターから救出され、出て行った。
残った仲間と客で、酒とクスリを飲んでラリっていると、突然、オスカーに「外に出ろ、避難しろ」と言う声が聞こえた。しかしニーナがおらず、上階に探しに行くと、そこは火の海で、佇むキーツカレが「もういい」と言って、彼の指を折った。
なんとか外に出たオスカーがニーナを探していると、彼女は逃げ遅れた女性を助けて出て来て避難すると、クラブのあった場所は爆発し、オスカーたちはそれを見るだけだった。
以上、映画「パーティーの終わり」のあらすじと結末でした。
パーティーの終わりのレビュー・考察:夢の終わり
視点が主に主人公のオスカーにあるからか、オスカーの独白や、泥酔しているシーンはどこか現実離れしていて、オスカーの思い込みと願望が入り混じった不思議な映像が挿入され、借金や最後のパーティーと言う現実からオスカー自身が逃避しようとしているように思える。冒頭に脅された通り指を折られるが、それすらどこか夢心地のまま、爆発するするクラブを見ているオスカーたちは、まるで花火でも見ているように思えた。最後のパーティーという事や、マチルダとの別れも、クラブと一緒に崩れていくようで、酒やクスリが抜けたオスカーたちが描かれない事が一層、郷愁を誘うようだった。
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