ロダン カミーユと永遠のアトリエの紹介:2017年フランス映画。世間に認められ始めたロダンは、愛弟子のカミーユと結婚をすることにした。彼女との関係は間もなく破綻してしまうが、ロダンはアトリエで彫刻を作り続ける。「考える人」などの彫刻家として知られるロダンの半生を、ロダン美術館の全面協力で描く。ロダン没後100年を記念する伝記ドラマ映画。
監督/ジャック・ドワイヨン 出演者:ヴァンサン・ランドン(オーギュスト・ロダン)、イジア・イジュラン(カミーユ・クローデル)、セヴリーヌ・カネル(ローズ・ブーレ)、ベルナール・ヴェルレー、アンデルシュ・ダニエルセン・リー、ロラン・ポワトルノー、マグダレーナ・マリーナ、エドワード・アクロート
映画「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ロダン カミーユと永遠のアトリエの予告編 動画
映画「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」解説
この解説記事には映画「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロダン カミーユと永遠のアトリエのネタバレあらすじ:起・愛弟子カミーユ
1880年、40歳になったロダンは「地獄の門」の注文を受け、製作を開始した。門にはめ込む像を作るため、彼は日々たくさんのモデルを呼んだ。当時、彫刻の価値は上から、金、ブロンズ、石、木、粘土という序列だったが、ロダンは粘土で作ることにこだわっていた。
また、必ずモデルを頼み、本物にする事を大切にしていた。しかし彫刻が命を持つと言って、フランス美術界はロダンの作品を批判することもあった。
アトリエには、カミーユ・クローデルという愛弟子も出入りしていた。彼女と関係を持ちながら、ロダンの私生活には内縁の妻ローズやモデル達との関係など、奔放だった。
ロダン カミーユと永遠のアトリエのネタバレあらすじ:承・カミーユとの約束
サロンでの落選者モネ、セザンヌと交流のあったロダンは、まだ若いセザンヌに作画の作業を続けるように励まし、自分も40歳まで無視し続けられたことを話した。
愛弟子として、彫刻家として愛を注いでいたカミーユと、ロダンは結婚の契約をした。しかし、なかなか内縁のローズとの縁を切らない事や、芸術家としてのぶつかり合いもあり、なかなかうまくいかず、カミーユはイギリスへ渡ってしまった。
カミーユは帰国すると、一緒に住むことを止め、イタリー街へ戻った。そして、女性だからという理由で裸婦の彫刻は駄目だと言われる事への憤りをロダンに吐露した。その後、カミーユが身籠った事を知ったロダンは、かつて自分の母が子供の世話に明け暮れていたことを思い、相談して子供は中絶し、彫刻に専念する道を選んだ。
ロダン カミーユと永遠のアトリエのネタバレあらすじ:転・仕事と私生活
納期から数年を過ぎていたバルザック像が完成し、披露されたが再び批判にさらされたロダンは、それを鋳造することはせず、引き取ることにした。友人の批評家からは世間が追いついていないだけだと励まされるが、ロダンは世間が追いつくのを待つ気も無かった。
自分があくまでもロダンの弟子として、付属物のように扱われことが耐えられなくなったカミーユとの関係は完全に破綻し、金輪際会わないと言って彼女はアトリエを出て行った。
その後ロダンはモデル達と関係を続け、ローズとの同居も始めた。そして一人になったカミーユがありもしない盗作疑惑をかけてくると、彼女は不安定になっているという画商に、カミーユが彫刻家としてやっていけるよう便宜を図ることを申し出た。
ロダン カミーユと永遠のアトリエの結末:彫刻家ロダン
仕事場では頑なだが、その他では弱気になってしまうロダンは、その後カミーユと会う事はなかったが、彼女が画家と共同で行った個展を見に行った。
批判を浴びたバルザックの像は、引き取って自宅の庭に置くことにした。ロダンは写真家に頼み、日の光りではなく月の光でこの像を取ることを頼んだ。今ではその像は鋳造され日本やフランスにある。ロダンは紛れもなく近代彫刻の祖である。
以上、映画「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」のあらすじと結末でした。
ロダン カミーユと永遠のアトリエのレビュー・考察:彫刻の歴史への敬意
ロダンとカミーユが破綻してしまったのは、ひとえに恋人同士ではなく互いを彫刻家・芸術家として認識して結婚と言う形をとってしまった点にあるように見えてならない。もし、当時のフランスに結婚以外の契約の結び方があったなら、二人の仲はもう少し長続きなり、好転なりしていたように思える。世間に受け入れられた後も、それに甘んじることなくさらに自分の彫刻を究めようとするロダンの姿勢は、新進の彫刻家、しかもまだ新しい女性芸術家カミーユには重たかったかもしれない。
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