ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたちの紹介:2017年カナダ映画。世界中から移民が集まるアメリカはその音楽も多様です。ジャズ、ロック、ブルース、ラップなどの音楽ジャンルは世界中にファンがいます。しかし、アメリカ大陸の先住民(インディアン)がアメリカ音楽文化の形成に大きな影響を与えたことは知られていません。本作はアメリカにおける音楽の成立にアメリカ先住民の与えた影響を解説しています。リング・レイ、ジミー・ヘンドリックスなどの伝説的ミュージシャンの貴重な映像に加え、マーティン・スコセッシやトニー・ベネットなど、アメリカ映画界、音楽界の著名人がインタビューに参加しアメリカ先住民とアメリカ音楽への影響について語ります。
監督:キャサリン・ベインブリッジ、アルフォンソ・マイオナラ 出演:リンク・レイ、チャーリー・パトン、ミルドレッド・ベイリー、バフィ・セント・マリー、ジミ・ヘンドリックス、ロビー・ロバートソン、ジェシ・エド・ディヴィス、レッド・ボーン、ランディ・カスティーヨ、タブー(ブラック・アイド・ビーズ)マーティン・スコセッシ、クインシー・ジョーンズ、スティーヴン・タイラー、スティーヴン・ヴァン・ザンド、イギー・ホップ、トニー・ベネット、ジョージ・クリントン、スラッシュ(ガンズ・アンド・ローゼス)テイラー・ホーキンズ(フー・ファイターズ)ジャクソン・ブラウン、ウェイン・クレイマー(MC5)、マーキー・ラモーン(ラモーンズ)ほか
映画「ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたちの予告編 動画
映画「ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち」解説
この解説記事には映画「ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたちのネタバレあらすじ:起・リンク・レイとアメリカ先住民の音楽
映画監督のマーティン・スコセッチは、アメリカ先住民のジャズやロックなどへのアメリカ音楽への影響を語ります。
音楽評論家やミュージジャンはリンク・レイは偉大なギター演奏者であったと語ります。ノースカロライナ州はリンク・レイの故郷。1930年代、少年時代の彼はアメリカ先住民であるための差別に苦しんだと言います。レイは少年時代に黒人のギター演奏を聞き音楽に出会います。1958年の”Rumble’は大ヒットします。ミュージシャンのイギー・ホップはレイの音楽を聞きミュージシャンを志望したと語ります。しかし、レイのその過激なメロディーは青少年に悪影響を与えると批判されます。
ルイジアナ州ニューオリンズ。ジャズの本場として知られる町のマルディグラと呼ばれる派手な衣装でのパレードは、世界中から多くの観光客を集めます。その衣装や演奏される音楽へのアフリカ系と先住民の影響が紹介されます。多くの黒人男性がアフリカから奴隷として連れてこられ、アメリカで先住民の女性と子供を生み、その結果アフリカ文化と先住民文化のミックスした音楽が誕生したと歴史家は説明します。
ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたちのネタバレあらすじ:承・チャーリー・パトン、ミルドレッド・ベイリー、ジョニー・キャッシュ
ミシシッピー州の農業地帯。音楽歴史家はチャーリー・パトンのアメリカ音楽に与えた大きな影響を語ります。パトンはデルタ・ブルースのミュージシャンですが、彼は黒人、白人、そしてアメリカ先住民族の血を引いています。彼の音楽を聞いた人は先住民音楽の影響を感じます。パトンのギターはボブ・デュランやエリック・クラプトンに影響を与えたと言います。彼のギターは、ドラムのように聞こえると関係者は証言します。パトンが暮らしたミシシッピー州のドッケリーファームの当時の建物は今も保存されています。
アイダホ州のアメリカ先住民族の居留地。1930~40年代に活躍したジャズ・シンガーのミルドレット・ベイリーはここで育ちました。ベイリーは歌手としてニューヨークで活動し多くのヒット曲を出しました。歌手のトニー・ベネットはベリーから大きな影響を受けたと言い、フランク・シナトラも彼女の歌い方を学んだと言います。
カナダ系の先住民族のバフィー・セントマリーは先住民の心を歌います。1960年代にベトナム反戦運動、黒人公民権運動が盛んな時代よりフォークソングを歌い続けます。ジョニー・キャッシュは1960年代の人気歌手です.アメリカ先住民の悲劇を歌った彼の歌はレコード会社から嫌われます。彼はレコード会社に抗議します。映画はウンデッド・ニーと呼ばれるアメリカ軍によるアメリカ先住民の虐殺があった場所を訪れる映像を流します。
ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたちのネタバレあらすじ:転・ジミ・ヘンドリックス、ロビー・ロバートソン、ジェシ・エド・ディヴィス
伝説的なギタリストのジミ・ヘンドリックスにもアメリカ先住民の先祖がいます。20世紀最高のギタリストと言われるヘンドリックスのウッドストックでの伝説的な演奏の映像が流れます。ヘンドリックスはアメリカ国家の演奏後、数万人の観衆の前で演奏します。ヘンドリックスの姉妹は、ヘンドリックスはアメリカ先住民の血を誇りに思っていたと言います。
ロビー・ロバートソンはカナダのスー族の居留地で生まれました。彼は幼い頃からギターを始めます。彼のギターの才能は若い頃から注目されます。彼はアメリカ先住民の出身を誇りに思うとしながらも、最初はその出自を隠していたと言います。1950年代後半から活躍し、1960年代にはボブ・ディランにその才能を認められ、ディランとツアーで世界中をまわります。
ミュージシャンのタジ・マハルがジェシ・エド・デイヴィスを称賛します。ジェシはタジと活動し、イギリスでミック・ジャガーとも演奏を行います。ジェシは、イギリスで出会ったジョン・レノンから気に入られます。ジェシはロッド・スチュアートら多くのロック歌手のためにギターを演奏します。ジェシはアルコールと薬物の中毒になり1988年に43歳で亡くなります。エリック・クラプトンはジェシを称賛します。
ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたちの結末:スティーヴィー・サラスの先住民音楽への愛
パット・ヴェガスは先住民族の祖先を持つメキシコ系アメリカ人です。1960年代にはレッドボーンなどのバンドで活躍しました。レッドボーンは”Come and get your love”などのヒット曲で知られ、映画ではその映像が流れます。
現代アメリカを代表するヒップ・ホップミクスチャーグループのブラック・アイド・ピアーズのタブーはメキシコ系アメリカ人ですが、彼にも先住民の祖先がいます。彼は先住民文化から多くの影響を受けたと言います。
この映画の製作総指揮を務めるスティーヴィー・サラスはミュージシャンで、先住民族の出身です。彼はアメリカ先住民を代表するロックスターになりたかったと語ります。サラスは友人であった、ランディ・カスティーヨについて語り始めます。カスティーヨはニューメキシコ州出身の先住民族のドラマーとして、1980年代にオジー・オズボーンのドラマーとして活躍しました。関係者はカスティーヨは先住民族の音楽を体現していたと言います。
映画は今も続く先住民族への弾圧とそれに抗議する人々、バフィー・セントマリーの歌、民族衣装をまとう先住民の映像が流れます。
以上、映画「ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち」のあらすじと結末でした。
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