ラン・ローラ・ランの紹介:1998年ドイツ映画。バイクが盗まれたせいで恋人が大ピンチのローラ、街を駆け巡る彼女とすれ違う人々の運命はコンマの違いで様変わり?
監督:トム・ティクヴァ 出演:フランカ・ポテンテ、モーリッツ・ブライブトロイ、ハーバード・ナップ、ニナ・ペトリ、アルミン・ローデほか
映画「ラン・ローラ・ラン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラン・ローラ・ラン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ラン・ローラ・ラン」解説
この解説記事には映画「ラン・ローラ・ラン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラン・ローラ・ランのネタバレあらすじ:事の始まりは盗まれたバイク。
待ち合わせに遅れたローラを怒るマニ。彼女はバイクを盗まれたからタクシーで向かったんだけどと言い募るがマニは焦った様子で、殺されると繰り返した。彼はいわゆる運び屋で、いつもなら、ローラがバイクで来てそれに乗るのだけれどその時は地下鉄を使い、お金の袋を電車の中に置き忘れてしまった(そしておそらく同じ車両にいた浮浪者が持って行った)。金額にして10万マルク(日本円で620万強)。トラブルが起きたら愛の力で助けると言ったじゃないかとマニは電話口でローラを責めた。ボスとの約束は20分後の12時、それまでに10万作何とか作って持って行くと返すローラに、マニは電話ボックスから見えるスーパーを襲えばその金額くらいあるだろうと言いだした。必死に止めるローラの頭に色々な人の顔が過ぎる。そして、会社の上役の父に頼もうと決心し、走り出した。
ラン・ローラ・ランのネタバレあらすじ:走り出すローラ。一周目開始。
父親の仕事場まで走るローラは、乳母車を押す夫人や自転車に乗る男など色々な人とすれ違い、そのたびに彼らの未来が早送りで展開される。そして、マニが置き忘れた袋を持った浮浪者やこれから父と会う約束のあるマイヤーともすれ違った。父親のオフィスでは、不倫相手が今のままの関係を続けたままでいいのかと妊娠したと告げた。警備員にオフィスへと続く扉を開けてもらい訪れたローラに、不倫相手は重役のハンセンと娘のローラだと知ると出て行った。恋人のために10万マルクを用立てるように頼むローラを父親は家に帰って寝ろとあしらい、自分は他の女性と子供と暮らす、仕事人間だと責めるくせにお金だけは当てされるのは御免だと言い放つ。そしてローラは義理の娘で本当の父親は死んだと追い討ちをかけた。約束の時間まであと数分、再び走り出すローラ。途中、救急車とすれ違う。そして、マニがスーパーに入ろうするのが見え、呼びかけたが聞こえなかった。マニはスーパーで発砲し、警備員に追い詰められるもローラが助けに入り、マニはレジからお金を抜いていった。スーパーを出て二人で走り出したが、通報を受けた警察に囲まれ、警官の誤射によってローラは胸を打ち抜かれて倒れた。
ラン・ローラ・ランのネタバレあらすじ:ローラの走馬灯、そして二周目開始。
ベッドで愛してる?とマニに聞くローラは彼の本心が知りたかった。問答の末、いや、別れない、と、走馬灯から現実に戻ったローラは、家から走り出す所からやり直す。階段で犬を飼っている男に足を引っ掛けられる。すると、ローラが家を出るタイミングがずれ、すれ違う人の運命も変わっていく。そして、マニの忘れた袋を持つ浮浪者とぶつかった。一方、父親は不倫相手に、子供を産んでほしい?他の男との子でもと聞かれ、口論を始めた。そこへ到着したローラはその女は誰?と泣き出し、お金はやるから帰れとあしらう父親に抵抗し暴れた。そして警備員の銃をとって、父親を脅し、10万マルクを手に入れた。防犯カメラに映っているから無駄だと父は諌めるものの外に出ると周りを囲んでいた警察はローラの事を強盗だと思わずに、危ないからその場を去らせ、中に銃を捨てて出てきなさいと呼びかけた。ローラはその足でマニの元へ向かい、スーパー強盗を起こさずに済んだマニと二人で走り出した。しかし、今度はマニが救急車に轢かれてしまう。
ラン・ローラ・ランの結末:マニの走馬灯、そして三周目開始
再びベッドの上の光景。マニはローラにもし自分が死んだらどうするか尋ねた。彼女は死なさないと返すが、彼は灰を海に撒いてくれと頼み、自分が死んだ後、きっとローラは自分を忘れ他の男と一緒になるだろうと考えた。そして、マニの死を覆すべく、時間はローラがアパートを飛び出すところから始まる。ローラは犬を飛び越え、声を掛けてきた自転車乗りはそのまま浮浪者のいるカフェに入り、彼に自転車を売りつけた。マイヤーさんは事故を起こさずに車を発進し、ローラに声を掛けた。公衆電話からではマニは盲の女性に止められると、自転車に乗った浮浪者と行き会い彼を追った。浮気相手との話を切り上げマイヤーの車に乗り込んだ父親は途中でローラに会ったという話をいた後、事故をおこし、事の発端のローラのバイクを盗んだ男も巻き込まれた。父親にも無心できず走り続けるローラはダンプに引かれそうになったところ、立ち止まると目の前にカジノ発見し、ドレスコードを無視して100マルクのチップを買いルーレットに参加した見事に当てた彼女は、その場にそぐわないとつまみ出されそうになるが同じ所に賭け、もう一度だけと叫んだ。黒20を当てた彼女は換金してもらい、時間は後三分。自転車を追うマニはお金を返す見返りに銃を要求され、銃とお金を交換した。ローラが救急車の後ろに飛び込むとそこには、父親の会社の警備員が心臓マッサージをされていた。彼の手を取ると、心臓が動き始め、救急隊員はホッとしスーパーの前でローラを下ろした。しかしそこにはマニがいない。不安げに待っていると上役の車に乗せられたマニがやってきて、彼を待っていたローラにキスをして労った。マニはローラにたくさん走った?その袋は?と訪ねたがローラは答えず微笑んだ。
以上、映画ラン・ローラ・ランのあらすじと結末でした。
ラン・ローラ・ランのレビュー・感想:0コンマで変わる世界
人の人生は、たった一瞬の出来事が、連鎖のように未来を変えていく、そんな暗示がそこかしこに詰め込まれている。冒頭に出てくるドミノ倒しはそんな連鎖の物語を象徴しているかのようにフォーカスされている。そして、そんなローラとマニの状況を作り出したのは彼ら二人ではなく、バイク窃盗犯と地下鉄にいた浮浪者というまったく接点のない二人。個々を映し出しながら、それぞれの行動やそのタイミングが思い預らぬ所で影響してるというのがまた面白い。
「もしあの時こうしていたら」など誰でも考えることがあると思うのですが、その「if」を実際に目の前で見せてくれる映画です。ずっと同じ時間軸の繰り返しで飽きるかと思いきや、主人公の疾走する情景と音楽が合っていてあっという間に見終わりました。なんだかんだで最後がハッピーエンドなのも可愛らしかったです。