見えない恐怖の紹介:1971年イギリス映画。殺人鬼に狙われる盲目の女性の恐怖を描いたサスペンス作品。視力を失い、叔父一家の邸宅に身を寄せることになったサラ。ある日外出先から帰宅すると、家の中が妙に静かだった。実は叔父一家は殺害されていたのだが、サラには惨殺された遺体が見えない。しばらくして事態に気付いたサラのもとに、恐ろしい殺人鬼が忍び寄る。
監督:リチャード・フライシャー 出演者:ミア・ファロー(サラ)、ドロシー・アリソン(ベティ)、ロビン・ベイリー(ジョージ)、ダイアン・グレイソン(サンディ)、ノーマン・アシュレイ(スティーブ)ほか
映画「見えない恐怖」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「見えない恐怖」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「見えない恐怖」解説
この解説記事には映画「見えない恐怖」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
見えない恐怖のネタバレあらすじ:星のブーツの男
舞台はイギリス、バークシャー。ブーツを履いた男が1人、夜の町を歩いています。ブーツには小さな星の飾りがついていました。彼がしばらく歩いていると、通りかかった車が泥水を跳ね上げブーツを汚してしまいます。車の運転手の名前はジョージ。視力を失った姪サラが退院するので、彼女を病院まで迎えに来たのです。ブーツの男はそれをじっと見ていました。ジョージの車に乗り、立派な邸宅に到着したサラ。彼女は叔母のベティ、いとこのサンディの出迎えを受け笑顔になります。サラは視力を失ってはいましたが、慣れ親しんだ邸宅の中でなら比較的自由に歩き回ることが出来ました。翌日、馬小屋へ行くと可愛がっていた馬がいません。通りかかった庭師のパーカーが殺処分されたと教えてくれました。そこにサンディがやって来て、サラの恋人スティーブから電話が来たと知らせてくれます。サンディに手を引かれながら屋敷に戻ったサラは、明日馬に会ってみないかと誘われました。スティーブは競走馬の厩舎の管理を任されているのです。承諾したサラは、翌日迎えの車に乗って出発しました。運転手は厩舎で働いているジャッコです。彼は道を塞いでいるロマの集団にとても腹を立てていました。
見えない恐怖のネタバレあらすじ:違和感
スティーブはサラを笑顔で出迎え、仕事が終わると早速乗馬に出かけます。サラも視力を失う前と同じように乗ることが出来ました。その頃、ジョージ達も外出の準備に追われていました。そこに誰か訪ねて来ます。ベティがドアを開けると、そこにはブーツの男が立っていました。しばらくしてサラが帰宅すると、屋敷は不気味なほど静まり返っています。外出すると聞いていたので、全員留守なのだろうと結論づけたサラ。特に気にすることなく日常生活を続けます。彼女の周囲では、気味の悪い出来事が起こっていました。台所の床に散らばったガラス片。用具を出しっ放しにして消えたパーカー。椅子に座ってピクリとも動かないベティ。しかし盲目のサラは気付くことさえ出来ず、そのまま夜を迎えます。サラの隣のベッドでは、仰向けに放置されたサンディの惨殺体が横たわっていました。翌朝になっても邸宅内にサラ以外の人の気配はありません。サラは皆眠っているのだろうと判断し、風呂に入るため浴槽に湯を張り始めました。浴槽にはジョージの遺体が入れられていましたがサラは気付きません。そこへスティーブがやって来て、サラにダンディー・スターという馬をプレゼントしてくれました。サラはとても喜び、2人で乗馬を楽しみます。雨が降る中キスを交わした2人は、雨が止むのを待って帰宅。スティーブが去った後バスルームへ向かったサラは、ついにジョージの遺体に気付きます。
見えない恐怖のネタバレあらすじ:決死の逃走
パニックを起こして絶叫しながら逃げ惑うサラの前に、瀕死のパーカーが現れました。サラは何があったのか尋ねます。銃声を聞いてパーカーが屋敷に駆け出すと、台所の入口に男が立っていたそうです。男はジョージ達を殺害し、パーカーも銃撃しました。パーカーは犯人について、「落とした物を取りに必ず来る」と話します。犯人は自身の銀のブレスレットを落としていったのです。サラが手探りでブレスレットを見つけるのを見届け、パーカーは絶命しました。ブレスレットには犯人の名前らしき文字が掘られていますが、サラには解読出来ません。すると、そこへブーツの男が戻って来ました。窓から侵入した男は、どうやらブレスレットを探しているようです。サラは急いで馬小屋に向かい、ダンディー・スターに乗って逃げ出そうとしました。しかし物音に気付いた犯人が追って来ます。何とか振り切って森へ逃げたサラでしたが、木の枝に激突して落馬し、1人きりになってしまいました。さまよい歩くサラは、偶然ロマのキャンプにたどり着きます。トムという名前のロマに事情を説明し、ブレスレットを差し出すと彼の顔色が変わりました。トムは半ば強引にサラを車に乗せると、警察へ行くと嘘をついて廃坑にやって来ます。そしてサラを小屋に閉じ込め、車で走り去ってしまいました。
見えない恐怖のネタバレあらすじ:ブレスレットの名前
その頃、ダンディー・スターはスティーブのところへ逃げ込んでいました。不審に思ったスティーブは、仲間のマックスとジャッコを連れて屋敷に行ってみます。そこでジョージ達の遺体を発見しました。スティーブはジャッコに通報を指示し、マックスと一緒にサラを探しに行きます。サラは何とか小屋の壁に穴を開け、自力で脱出していました。しかし廃坑に人の姿はなく、「助けて!」と叫ぶサラの声は届きません。泥に足を取られ、斜面から転がり落ちるサラ。しかし彼女は諦めず、手に取った廃車の部品を使って音を出し続けました。その音を、奇跡的にマックスが聞きつけます。急いでスティーブが廃坑に向かい、サラを保護しました。サラはスティーブの部屋で医師の診察も受け、ベッドでようやく安堵の息をつきます。しかし怒りが収まらないのはスティーブでした。彼はロマ達が犯人だと考え、仲間を引き連れてキャンプを襲撃することにします。サラの世話役にジャッコを残し、スティーブ達は馬に飛び乗りました。一方、トムは仲間のジャックという男を叱りつけていました。サラが拾ったプレスレットには、ジャックの名前が彫ってあったのです。疑いをかけられたジャックは、これは自分の物ではないと否定しました。そこにスティーブ達が現れます。敵意を剥き出しにする彼らに、ジャックは必死に誤解だと訴えました。ブレスレットを見せられたスティーブ達は顔色を変え、すぐに馬に乗り駆け出します。ブレスレットに刻まれていた名前は、ジャックではなくジャッコでした。つまりジョージ達を殺害した犯人はジャッコだったのです。
見えない恐怖の結末:真犯人
ジャッコは星のブーツを脱ぎ、足音を消してサラのところへ向かいました。泥だらけになったサラは浴槽に体を沈め、ほっと一息ついています。彼女が脱ぎ捨てた服を慎重に探り、ブレスレットを回収しようとするジャッコ。しかしサラが偶然彼の手を掴んでしまいました。焦ったジャッコは咄嗟にサラを水に沈めます。必死に抵抗し、藻掻き苦しむサラ。そこにスティーブが駆けつけ、ジャッコを殴り飛ばしてサラを救出しました。夜、通報を受けた警察が邸宅に到着します。屋敷からジョージ達の遺体が運び出され、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画「見えない恐怖」のあらすじと結末でした。
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