グローリー/明日への行進の紹介:2014年アメリカ映画。1965年、黒人公民権運動の指導者・キング牧師が主導した、黒人の選挙権を求めるアラバマ州セルマから州都モンゴメリーまでのデモ行進、そしてそれに伴う大事件「血の日曜日」を、キング牧師や人々の苦悩や闘いを交えて描いたヒューマンドラマです。
監督:エヴァ・デュヴァネイ 出演者:デヴィッド・オイェロウォ(マーティン・ルーサー・キング・Jr)、トム・ウィルキンソン(リンドン・B・ジョンソン)、カルメン・イジョゴ(コレッタ・スコット・キング)、ジョヴァンニ・リビシ(リー・C・ホワイト)、アレッサンドロ・ニヴォラ(ジョン・ドア)ほか
映画「グローリー/明日への行進」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グローリー/明日への行進」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グローリー/明日への行進の予告編 動画
映画「グローリー/明日への行進」解説
この解説記事には映画「グローリー/明日への行進」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グローリー/明日への行進のネタバレあらすじ:起
人種差別の嵐が吹き荒れていた1964年。黒人の権利を求めて闘い続けてきたキング牧師(デヴィッド・オイェロウォ)は、その功績を認められてノーベル平和賞を受賞します。「道半ばで倒れた人々の代わりにこの賞を受け取る」と演説するキング牧師の次の目標とは、黒人の選挙権を保証する連邦法の制定に向けての運動でした。憲法の規定ではいかなる人種でも選挙権が認められるはずが、実際には黒人はまともに選挙権すら保証されずいわれなき迫害を受けている現実を打破すべく、キング牧師はジョンソン大統領(トム・ウィルキンソン)と直接会談しますが、ジョンソン大統領は貧困の根絶を解消する方が優先だとしてキング牧師の話には積極的に向き合おうとはしませんでした。
グローリー/明日への行進のネタバレあらすじ:承
キング牧師は仲間たちと共にアラバマ州セルマに向かい、黒人への選挙権の保証を訴える演説を行います。一方、アトランタに残してきた妻コレッタ(カルメン・イジョゴ)ら家族の元には毎日のように脅迫電話がかかり、またキング牧師らの行動は常にFBIから警戒されていました。キング牧師は現地の学生非暴力調整委員会を率いるジョン(ステファン・ジェームズ)やジェームス(コモン)らと会い、大規模なデモ行進を行い、マスコミを通じて人々の意識を変えるべくだと主張します。キング牧師率いるデモ隊は郡の役所前までデモ行進を決行しますが、人種差別主義者のクラーク保安官(スタン・ヒューストン)は徹底的な弾圧を加え、マスコミは保安官らに暴力を受けるアニー(オプラ・ウィンフリー)という女性の姿を大々的に報じます。
グローリー/明日への行進のネタバレあらすじ:転
キング牧師の次なる作戦は、セルマから州都モンゴメリーまでの約80kmの距離をデモ行進するというものでした。そして525名からなるデモ隊はセルマの教会を出発します。しかし差別政策を敷いていたジョージ・ウォレス州知事は州警察にデモ隊の取り締まりを命じ、セルマにかかるエドモンド・ペタス橋付近で州警察や騎馬隊がデモ隊に催涙ガスを噴射、参加者らに凄惨な暴力を振るっていきます。後に「血の日曜日」と言われたこの事件は数多くの死傷者を出し、全米にテレビ中継されて人々に衝撃を与えます。それでもキング牧師はあらゆる人々にデモへの参加を呼びかけ、デモ行進を続行しますが、わざと道を開けた州警察の不自然さに危険を感じ取ったキング牧師は、これ以上の犠牲を避けるべく一時的にデモ行進を中断します。
グローリー/明日への行進の結末
深く苦悩するキング牧師はコレッタに「君と息子が必要だ」という手紙を書き、大統領に対して「公民権法は忘れても、セルマを見捨てた大統領を民衆は決して忘れない」と言い放ちます。しかし、デモ行進に参加した白人の牧師が差別主義者らに暴行されて死亡する事件が発生、これをきっかけに全米各地で抗議のデモが始まっていきます。これ以上の犠牲を避けたいキング牧師はアラバマ州を相手に行進を認めるよう訴訟を起こし、法的にデモ行進の承諾を得ます。やがてキング牧師らのデモ行進は差別に反対する白人や多くの有名人らの賛同を得て次第に拡大していき、世論に押された大統領はようやく連邦法の制定に動きます。そしてモンゴメリーへのデモ行進を終えたキング牧師は州政府の前で演説を開き、それから5か月後にようやく法的に黒人の選挙権が保証されることとなったのです。キング牧師が凶弾に倒れたのは、それから3年後の1968年のことでした。
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