SEMI 鳴かない蝉の紹介:2002年日本映画。タクシー運転手の石崎は、二人のヤクザに絡まれ、逆に暴行を加え撃ち殺されそうになる。その時救ってくれたのが工藤組の組長である工藤。工藤に惚れた石崎は舎弟になりヤクザの道に入ります。やがて対立する権道組長を工藤が射殺すると、石崎と祐次は身代わりになり金沢へと逃げます。金沢で涼という女性と出会った石崎でしたが、石崎を狙って大阪から斎藤らが迫っていました…という内容の人間ドラマです。
監督:横井健司 出演者:遠藤憲一(石崎)、鈴木紗理奈(涼)、平泉成(工藤)、哀川翔(斎藤)、嘉門洋子(夏美)、宗丘陸汰(祐次)、田島令子(工藤登志子)、志賀勝(権道)、山田辰夫(小浜)ほか
映画「SEMI 鳴かない蝉」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「SEMI 鳴かない蝉」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
SEMI 鳴かない蝉の予告編 動画
映画「SEMI 鳴かない蝉」解説
この解説記事には映画「SEMI 鳴かない蝉」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
SEMI 鳴かない蝉のネタバレあらすじ:起
タクシー運転手の石崎(遠藤憲一)の車に、待っている客を押しのけて二人のヤクザが乗り込んできます。横柄な態度にイラつく石崎にヤクザの一人が絡みはじめ、暴力を振るいます。怒った石崎は車を止めて引きずり出すと、若いヤクザに暴行を加え始めます。
すると年配のヤクザが銃を取り出して狙います。驚いた石崎でしたが、背後から工藤(平泉成)というヤクザが現れ「堅気に対して何をしてるんだ!」と二人を怒鳴りつけます。工藤は組織の若頭で、二人のヤクザは大人しく従いました。
工藤に惚れた石崎は、舎弟になりヤクザの道に入りました。工藤は石崎と祐次(宗丘陸汰)を従え、対立する権道組長(志賀勝)を拉致します。「抗争を終わらせる書類にサインをしろ」という工藤に、権道が逆らったため工藤は権道を射殺します。工藤の拳銃を持った、石崎と祐次は工藤の身代わりとなり車で金沢へ逃亡します。
途中で立ち寄った店で、店から飛び出す少年を追いかける若い女性の涼(鈴木紗理奈)を見かけます。祐次が少年を捕まえると、金を盗んでいました。少年から金を奪い取り涼に返すと、涼は「警察に突き出す」と言います。「子供だしいいんじゃないか?」という祐次が少年を逃がすと、祐次の車を奪って逃げ出します。石崎は涼に財布を渡し、祐次と立ち去りました。
SEMI 鳴かない蝉のネタバレあらすじ:承
工藤に紹介された旅館に着いた二人でしたが、祐次が「財布を渡したからカニが食えないじゃないですか」と言います。そのころ涼は、友人の夏美(嘉門洋子)を車に乗せ、「財布を返す」といって、石崎を探して海にきました。すると旅館の窓に石崎を見つけ、部屋に入ります。石崎が「どうして金を返すんだ」聞くと、涼は「50万も入っていたら怖い」と言います。そこで祐次が「一緒にメシでも食べよう」と誘い、4人は宴会を始めます。
しばらくすると、祐次が夏美を誘い海に行きました。そして二人は結ばれました。石崎は涼と話をしますが、お互い身の上話はしませんでした。祐次は夏美の家で泊まり、石崎と涼は旅館でごろ寝して夜が明けます。涼が帰ろうと玄関に向かうと、斎藤(哀川翔)たちヤクザが乗り込んできました。涼はすぐ石崎に連絡し、涼の車で逃げます。
一方、祐次は夏美の自転車の後ろに乗り旅館に帰っていました。斎藤らに見つかり、車で撥ね飛ばされ、祐次は射殺されました。現場を見た石崎は、涼に手伝ってもらい二人を車に乗せて病院に向かいます。夏美は大丈夫でしたが、祐次は死にました。
涼が「大阪へ戻ろう」と言って高速道路に乗ろうとした時、検問が敷かれていました。涼を降ろし、一人自首しようとした石崎を狙い、斎藤が発砲すると、弾は涼の足に当たりました。
SEMI 鳴かない蝉のネタバレあらすじ:転
8年後、石崎は出所しました。祐次の墓参りをし、工藤に会います。工藤は堅気になって会社を経営していました。「ワシの仕事を手伝ってくれ」という工藤ですが、石崎は断り仕事探しをします。しかし、ヤクザだったことや、服役していたことなど正直に話す石崎には仕事がありませんでした。涼のマンションを下から覗いていると、涼と目が合い、8年ぶりに再会します。
涼は工藤にマンションの世話をしてもらっていました。アパート暮しの石崎はいつしか涼の部屋で一緒に住むようになりました。「仕事が決まるまで私が面倒見る」という涼の言葉に、石崎が怒り暴れます。涼が部屋を出ると、昔、妻に逃げられたことを思い出します。深夜に帰ってきた涼に石崎は「ゴメン」と謝ります。
翌日、石崎は工藤を訪ねて仕事を世話してもらいます。ふすま職人としてスタートした石崎でしたが、その会社には4代目権道組の組員たちが嫌がらせに来ていました。その組員は8年前、タクシーで痛めつけた二人でした。やがて石崎は二人のヤクザに暴行を受け、耐えました。そこへ斎藤がやって来ます。「8年前、お前をとろうとして堅気の人を傷つけた借りがある、お前は堅気だ」と言って出て行きます。
SEMI 鳴かない蝉の結末
石崎が暴行を受けたことで、工藤が4代目組長に会いに行きます。そして「先代を殺したのはワシだ、石崎じゃない」と言います。すると斎藤が「服役を務めた石崎がかわいそうだ、聞かなかったことにする」と言って帰します。しかし4代目は、小浜(山田辰夫)を呼び「工藤をとれ」と命令します。小浜は8年前、工藤に恥をかかされた二人をヒットマンにしました。
休日に釣りに行く工藤が狙われ銃撃されます。涼から知らせを聞いた石崎は病院に向かいます。「今夜がヤマだ」という医師の言葉でしたが、工藤は亡くなりました。石崎はかつて、我が子をタクシー会社で遊ばしていた時、同僚の車に轢き殺された事を思い出します。石崎は涼に電話をし「アニキは峠を越えた大丈夫だ、落ち着いたら海へ行こう」と言います。
何かおかしいと思った涼が石崎のあとを追います。石崎は小浜組に向かっていました。そして事務所の前に立ち、工藤を射殺した二人の組員を見つけると、いきなり発砲します。相撃ちになり、工藤も銃弾をくらいますが、二人のヤクザは倒れます。石崎の名前を大声で呼び、駆け寄る涼でしたが、倒れていた組員が石崎に発砲します。振り向いた石崎がとどめを刺すと、石崎は倒れました。
泣きすがる涼、そこへ斎藤と小浜がやって来ます。斎藤が「死ぬんじゃないぞ!」というと、涼が銃口を向けますが斎藤が銃を取り上げました。石崎がかすかな声で、「プレゼントがある」というと、涼が取り出し、中を見ると同時に石崎は息を引き取りました。
以上、映画「SEMI 鳴かない蝉」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する