旅愁の紹介:1950年アメリカ映画。「第三の男」のジョセフ・コットンと「レベッカ」のジョーン・フォンテーン共演による恋愛映画。戦後のイタリアを舞台に妻子ある男性とピアニストの女性の切ない恋愛模様が描かれていきます。フランスの名女優フランソワーズ・ロゼーの名演が光ります。
監督:ウィリアム・ディターレ 出演者:ジョーン・フォンテーン(マニナ(マリアンヌ)・スチュアート)、 ジョゼフ・コットン(デヴィッド・ローレンス)、フランソワーズ・ロゼー(マリア・サルヴァティーニ)、 ジェシカ・タンディ(キャサリン・ローレンス)、ロバート・アーサー(デヴィッド・ローレンス・ジュニア)、ジミー・リンドン(ジョニー・ウィルソン)ほか
映画「旅愁(1950年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「旅愁(1950年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「旅愁(1950年)」解説
この解説記事には映画「旅愁(1950年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
旅愁のネタバレあらすじ:起
仕事と家庭生活に疲弊し、イタリアを旅していたデヴィッド・ローレンスは、妻と離婚する決意を固め、アメリカへ帰る飛行機の中にいました。隣り合わせになった女性マニナはアメリカでの公演を控えるピアニストです。二人でとりとめのない世間話をしていると、燃料ポンプのトラブルが発生、飛行機は急遽ナポリに不時着することになりました。
修理には二十分ほどかかるとアナウンスがありましたが、もっと時間が掛かるだろうと踏んだデヴィッドは、マニナをナポリ観光に誘い出します。しかしナポリ観光を楽しみ、戻ってみると、飛行機はすでに飛び立った後でした。
デヴィッドは、よかったら数日間一緒に観光をしないかとマニナを誘います。マニナはデヴィッドが妻帯者であることや公演を控えていることから、この誘いを受けるべきか躊躇しますが、結局二人は束の間の旅行を楽しむことになりました。
旅愁のネタバレあらすじ:承
ポンペイ、カプリ島とロマンチックな旅行を続けるうちに二人の距離は徐々に縮まっていきます。さらに新聞記事により、あの日、二人が乗る予定だった飛行機が墜落し、搭乗者が全員行方不明になっていることが発覚します。不明者リストの中にはデヴィッドとマニナの名前も載っていました。二人は自分の無事を知らせる電報を打とうとしますが、デヴィッドが躊躇しはじめます。
デヴィッドは今回の事故が人生をやり直すチャンス与えてくれたと考え始めていました。デヴィッドを愛しはじめていたマニナも彼に同調し、二人はフィレンツェで新しい生活をスタートさせます。マニナは母のように慕うピアノ教師マリア・サルヴァティーニから偽りの幸福は長くは続かないのではないかと忠告されますが、幸せになってみせると胸を張ります。
一方、デヴィッドの妻キャサリンのもとにやってきた弁護士は事故後にデヴィッドの個人口座から相当な額の小切手がイタリアのマリアという女性に振り込まれていることを報告します。
旅愁のネタバレあらすじ:転
デヴィッドとマニナは、レストランで若き米兵のジョニーと出会います。デヴィッドはジョニーを自分の息子と重ね合わせ、何かと世話を焼きますが、マニナはデヴィッドが息子のもとに帰りたいのではないかと不安を募らせていきます。
ある日、キャサリンと息子のジュニアがアメリカからマリアを訪ねてきました。ちょうどその頃、マリアの家ではマニナがピアノのレッスンを受けている最中でした。マリアからは早く帰るよう促されますが、デヴィッドの妻がどんな女性か知りたいマニナは部屋に留まります。キャサリンはデヴィッドへの思いを断ち切る決心をしましたが、ジュニアは不明者の写真の中にマニナの姿があったことを覚えており、父が生きていることを確信します。
マニナはジュニアからデヴィッドに宛てて書かれたキャサリンの手紙を預かります。マニナがデヴィッドを責めないで欲しいと告げると、ジュニアは自分の尊敬していた父はもう死んだのだと言い残し、アメリカへと帰っていきます。マニナはデヴィッドに手紙を渡し、二人がイタリアへ来ていたことをデヴィッドに打ち明けます。キャサリンからの手紙には生きていてくれただけでもう十分であると離婚に応じる心積もりであることが綴られていました。マニナはデヴィッドがキャサリンに深く愛されていることを知り、自責の念に駆られます。
旅愁の結末
デヴィッドは仕事を再開するため、マニナは公演をするため、二人でアメリカに帰国します。マニナがリハーサルで会場に籠る生活が続く中、デヴィッドは大学の寮で暮らすジュニアに会いに行きます。二人は再会を喜びますが、デヴィッドはジュニアから戻ってきて欲しいと告げられ、心が揺れ動きます。
その後、カーネギーホールで行われたマニナのコンサートは大成功のうちに幕を閉じました。デヴィッドは次の公演地フィラデルフィアまで見送ろうと、マニナと一緒に車に乗りますが、到着したのは飛行機場でした。マニナはデヴィッドと別れ、南米に旅立つ決意を固めていました。そして人を欺く恋はもう終わりにしたいとデヴィッドに告げます。
マニナはデヴィッドとの暮らしの中で、家族の絆を引き裂くことはできないことを痛感していました。デヴィッドはマニナを引き留めようとしますが、彼女の思いを知り、引き下がります。マニナを乗せた機体が大空へと飛び立っていきます。デヴィッドはその様子をいつまでも見守り続けるのでした。
以上、映画「旅愁」のあらすじと結末でした。
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