少林サッカーの紹介:2001年香港映画。香港で公開されるやあっという間に歴代興行成績No.1を記録した大ヒットアクションコメディ。くだらないが腹を抱えて笑えるギャグ、底辺から這い上がる人間ドラマ、CGを効果的に使った演出、少林拳への情熱。何度も見返したくなる傑作映画。
監督:チャウ・シンチー、リー・リクチー 出演:チャウ・シンチー、ン・マンタ、ヴィッキー・チャオ、パトリック・ツェー、セシリア・チャンほか
映画「少林サッカー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「少林サッカー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「少林サッカー」解説
この解説記事には映画「少林サッカー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
少林サッカーのネタバレあらすじ:黄金の右足の栄光と挫折
黄金の右と呼ばれたスター選手ファンは、チームメイトのハンから八百長するよう小切手を渡される。侮辱的で傲慢な態度でその小切手を受け取るファン。ほくそ笑むハン。その試合でPKをわざと外したファンは、激怒したファンに囲まれ、大事な右足を破壊されてしまう。数十年後、立場は逆転し、ハンの雑用係になるファン。実はあの時の八百長試合は、ハンが仕組んだもので、ファンの足を壊すように仕組んでいたのもハンだったのだ。
少林サッカーのネタバレあらすじ:シンとファンの出会い
酒を飲み、自暴自棄になりながら街をふらつくファンは、ある青年と出会う。それが主人公シンである。シンはくず拾いの仕事をしているが、本当の夢は少林拳を世の中に広めることだった。「少林拳をやれば人生が変わる!」シンは熱心に少林拳の素晴らしさを語る。そんなシンの情熱にうっとうしさを感じたファンは、飲んでいた酒の空き缶を投げつける。その空き缶をはるかかなたに蹴り飛ばすシン。
少林サッカーのネタバレあらすじ:太極拳の達人ムイ
シンは通りかかった饅頭屋で太極拳を使って饅頭を作る少女、ムイと出会う。ムイは顔中の吹き出物のせいで自信が持てない少女だった。そんなムイの拳法の腕を賞賛し、歌やダンスを披露するシン。ムイはシンの優しさや情熱に惹かれる。
少林サッカーのネタバレあらすじ:かつての兄弟子たちに会いにいく
ファンはシンが蹴った空き缶が塀にめりこんでいるのを発見する。その空き缶を抜き取ると、塀が崩れ、ちょうどチンピラ達と対峙するシンを目撃する。シンは少林拳を使った自慢の脚力で、サッカーボールを蹴り飛ばし、あっという間にチンピラ達を粉砕する。ファンはシンの才能と脚力に惚れこみ、サッカーチームを作ることを提案する。シンもサッカーを使った少林拳の普及という壮大な夢を思いつき、両者の利害が一致する。しかし、兄弟子達は日々の現実に疲弊しきっていた。鉄頭功を会得した一番弟子はナイトクラブでこき使われ、旋風脚の二番弟子は若ハゲに悩むしがない皿洗い、鎧の肌の三番弟子は忙しく駆け回るビジネスマン、魔の手を持つ四番弟子は失業中、軽功を身につけた六番弟子は単なる肥満になっていた…。 シンの必死の説得にも耳を貸さない兄弟子達。シンとファンは一度はメンバー集めを諦める。
少林サッカーのネタバレあらすじ:少林サッカーチーム始動
だが、兄弟子達も少林拳で汗を流した日々を忘れていなかった。サッカーをやることに同意したメンバーは、早速練習試合をすることを決めた。しかし、練習試合相手はラフプレーを超えた暴力集団だった。コテンパンに叩きのめされ、降参する一番弟子。相手にパンツをかぶれば許してやると言われ、これ以上ない屈辱を受ける少林チーム。徹底的に追い詰められ、どん底まで落ちたその瞬間、奇跡がおきた。少林チームが覚醒したのだ。覚醒したチームはあっさりと勝利をものにする。どんどんと勝ち上がり、サッカー全国大会の決勝に出場することが決まった少林チーム。
少林サッカーの結末:デビルチームとの因縁の決勝戦
決勝の相手はハン率いる因縁のデビルチームだ。デビルチームはアメリカ製の強力なドーピングをしており、強靭な身体能力で叩きのめされ負傷者を出してしまう少林チーム。キーパー役の人間が立て続けに負傷し、これ以上負傷者が出てしまうと、失格負けとなってしまうピンチに追い込まれたその時、頭を丸めたムイが現れる。ムイは自分がキーパーをすると言い出す。シンに火星に帰るよう説得されるが、ムイの意思は揺るがない。しかし、ムイの太極拳を活かしたボール捌きによって、デビルチームの強力なシュートを受け流すことができた。ムイからシンへ、強固な絆をもったパスが渡される。そのボールを渾身の技で蹴り飛ばすシン。シュートはまるで竜巻のように相手ゴールに叩き込まれ、相手チームもろとも吹き飛ばしてしまった。こうしてチームは優勝し、世間に少林拳が広まった。
「少林サッカー」感想・レビュー
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デビルチームという強大な敵に対して、見るからに弱そうなおっさんたちが少林寺拳法を使ってサッカーの試合に勝つというわかりやすい王道ストーリーが見ていて楽しい。ヒロインの女の子が坊主になって試合に参戦するクライマックスシーンは鳥肌もの。訓風映画らしくワイヤーアクションも豪快で、相手チームのゴールキーパーのユニフォームが燃えるシーンもCGで表現されている。痛快で頭空っぽにして見れる映画です!
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コミカルさやちょっとバカバカしい感じ。さらに、最終的に主人公たちの反撃が始まったときのあの爽快感などなど、昔なつかしいカンフー映画の面白さを十分に詰め込んだ作品ですね。ジャッキー世代の私としては待ってました!といった感じでした。体を張ったアクションとCGとの融合でド派手すぎる演出は見ていて楽しい最高の娯楽映画の一つですね。
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“ヒーロー漫画へのノスタルジーに満ち溢れた、とにかく観て大爆笑する理屈抜きに面白くて楽しい映画 「少林サッカー」”
この映画「少林サッカー」は、一言で言って、とにかく観て大爆笑する、そんな理屈抜きに面白くて楽しい作品です。
監督・主演は、ドニー・イェンと共に、世界中でブルース・リー(李小龍)を最も愛する男チャウ・シンチー。少林拳を世界に広めるために、かつて少林寺で学んだ6人の仲間が結集してサッカーチームを作り、ハイテク・トレーニングや筋肉増強剤で人間サイボーグと化したデビルチームと対戦する事に—-。
カンフーを自由自在に操り、超人的なスピードで展開されるプレーの数々。
一昔前のスポ魂ドラマを思わせるストーリー展開に、シュールな即興ギャグのつるべ打ち。とにかく、面白すぎます!!!この映画は、”ノスタルジー”というツボに弾丸シュートを決めてくれるのです。
それも懐かしいヒーロー漫画へのノスタルジーなのです。とにかく試合のシーンが凄い、凄すぎます。
ボールは火を噴き、人は宙を舞う。「そんなアホな!」と思わず突っ込みたくなるような超人プレーのオンパレード。これは、まさしく漫画「キャプテン翼」の世界そのものなのです。
どうせ映画、フィクションなんだからと、”開き直ったような潔さ”が、この映画に比類なきパワーを与えているのだと思います。
そう、ヒーローは何だってやり遂げてしまうのです。香港映画伝統のワイヤー・アクションや最新のCG技術も、この漫画的な世界感を映像化するための単なるツールに過ぎず、リアリズムの価値をはき違えた最近の映画には、このフィクションが生み出す途方もなく、底なしの興奮が希薄になっているので、そういう意味からもこの映画の価値があるように思います。
おおよそカンフーの使い手には似つかわしくない肥満の男やおっさんに、ブルース・リー気取りのキーパーなどなど。
ブルー・リーおたくのチャウ・シンチー、やっぱり、ブルース・リーへのオマージュをしっかり映画の中で描いています。対するは、コテコテの悪役。ダメ人間が巨悪を討つ。
このカタルシスも、ヒーロー漫画へのトリビュートになっていると思います。そして、このようなおバカなキャラクターを照れる事もなく堂々と演じきった面々に拍手を贈りたいと思います。
サッカーかっこいい~。主役のシンがサッカーの練習で壁打ちするんだけど距離が3キロくらい離れててびっくり。ボールが壁に当る音で地響きが起きるなんて、怖いくらいのパワー。まんじゅう屋の女の子が超美人に変身しちゃっておもしろい。まさか彼女がキーパーソンとはね。努力は必ず報われるって映画ですね。カンフー映画ひさびさだけど、戦闘以外で見せるっていいアイデアだと思う。戦い系が嫌いな女子も最後まで、大笑いして見れるつっこみ所満載のアクションコメディー映画です。