渋谷怪談の紹介:2003年日本映画。ただのホラー映画ではない。コインロッカーベイビーという実際に渋谷のコインロッカーに望まれぬ妊娠や心の闇が原因で遺棄された赤子の事件もベースに書かれている。親は子供を選べない悲劇を作品で伝えている。
監督:堀江慶 出演者:水川あさみ(矢島りえか)、柏原収史(宮野良平)、森下千里(松川夕菜)、鈴木繭菓(深見愛)、弓削智久(高原圭太郎)、和田聡宏(柳彰彦)、堀北真希(久保綾乃)、掛沢裕一(永澤俊矢)、左近香澄(サッちゃん)
映画「渋谷怪談」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「渋谷怪談」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「渋谷怪談」解説
この解説記事には映画「渋谷怪談」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
渋谷怪談のネタバレあらすじ:起
大学生のりえか達はキャンプを楽しんでいたが、その時にリエカだけが赤ん坊の泣き声を耳にします。その後も幻聴のようにその声は時々聞こえてきました。キャンプの帰りに愛は荷物を預けていたコインロッカーへみんなと向かい、全員でその場所で写真を撮りました。別れてから、男の子同士で乗った車にも小さな子どもの手形が薄っすらとついていましたが、、男子メンバーの、良平、彰彦、圭太郎の3人はその事に気付かず車の運転をしながら談笑を続けます。そして、徐々に、りえか達キャンプメンバーの仲間が次々と失踪と不審死を遂げます。
渋谷怪談のネタバレあらすじ:承
最初の犠牲者は、愛と彰彦でした。彰彦は部屋で死んでいて愛は疾走して行方不明になっていました。リエカは愛の様子を見に彼女のアパートへ行くと、彰彦が気が狂ったように震えていて目は虚ろの状態で“何か”に怯えているようです。りえかが声を掛けてみると彼の脚を掴む小さな子供の手が。その後、死んでしまった彰彦は警察によって「麻薬を打っていたのではないか」と疑惑を掛けられて遺体を処理されました。刑事二人はりえかに彼の人物像や麻薬に手を出していなかったか聞きますが、リエカは彼の事をほとんど知りません。それもそのはず、メンバーのうち、愛と彰彦は交流サイトを通じて友達になったのです。リエカは家庭教師のアルバイトをしています。その教え子、綾乃は素直で明るい女の子ですが、母親を生まれて直ぐに亡くしていて、父親は殆ど家に寄り付かず見放された子どもでした。父が帰るまで家で1人暮らしをしている彼女にとってリエカは母のような姉妹のような存在でした。綾乃の勉強を見ていると、ノートに小さな手形があり、リエカはゾッとしますが気が付くと何もありません。綾乃はりえかに恋が成成就すると噂されているコインロッカーコインロッカーの話を子どもっぽいと馬鹿にします。そして自分が学校で浮いた存在である事をリエカに伝えました。リエカもかつては自分も綾乃と同い年ぐらいの時はそんな気持ちを抱いていたと共感します。綾乃とりえかとの間に温かい絆が生まれました。夕菜とショッピングへ行くと、ブティックで夕菜が襲われ、フィッティングルームには不気味なぼろ切れに包まれた物体が動き、リエカに近づいてくるのです。リエカは逃げる様にブティックを後にして電話を掛けます。キャンプの時に撮った夕菜の写真が醜く歪んでいてその画像が送られてきたのでまだ生き残っている良平と圭太郎に連絡したのです。どちらかがあの写真をいたずらで送ったのかと。二人共違うと否定し、公園に集まった三人は赤ちゃんの奇妙な泣き声が聞こえるようになったこと、圭太郎がキャンプの日に軽い気持ちで水子地蔵の頭を殴り、近くの川に遺棄した事を告白しました。水子地蔵の呪いなのではないかと怯える圭太郎。三人は再びキャンプをした場所へ向かい、水子地蔵の頭を発見すると、接着剤で頭を元に戻してやり、謝罪の気持ちを込めて手を合わせました。レストランへ入った三人。これでひとまず安心と思っていた矢先、圭太郎が痙攣を起こしたように何度も頭を振り続けます。彼がふざけているかと思ったリエカと良平もつかの間、りえかは彼が子どもの白い手によって無理矢理頭を揺さぶられている事に気付きます。それはりえかにだけ見えました。そして、圭太郎は首の骨を折って死んでしまいました。
渋谷怪談のネタバレあらすじ:転
その頃、愛は放心状態で気持ちの軽いサラリーマンに声を掛けられ、ホテルへ連れ込まれそうになりますが、コインロッカーに男を案内し、その男は神隠しのように消えてゆきました。愛が保護されたと聞き、りえかは病院へ向かいます。愛は意識不明で何かに憑りつかれたように怯えていました。彰彦と同じように・・・。一方、試着室で行方不明になっていた夕菜は公園で変死体として発見されました。あくる日。愛の見舞いに訪れたりえかと良平は、窓から2人を立って覗き見る愛の姿を見つけ、歩けるまでに回復したんだと思い、病室へ駆け込みますが、愛は首を吊って死んでいました。そして、自分が死んだメッセージを突き付ける様に彼女の手からコインロッカーの鍵が落下します。りえかはショックのあまり絶叫して愛の名前を何度も呼び、そんな彼女を良平がなだめるように押さえました。家庭教師のバイト中に傷心のリエカは綾乃の前で泣き出してしまいます。そんな彼女に優しく接する綾乃。りえかと良平はあのコインロッカーをキャンプの帰りに訪ねて以来、不審な出来事が続いていると感じ、2人はコインロッカーへ向かいました。コインロッカーから大量の髪の毛に埋もれた小学生低学年くらいの少女の霊が現れました。痣だらけで華奢な身体を不気味に動かして這って近づいてくるその子供はリエカに襲い掛かります。やがてリエカが見たのは少女の悲惨な生い立ちでした。母親は男に強姦されて望まれない妊娠をし、風呂場で自分のお腹に刃物を突き立てて赤子を殺そうとしますが、生んでしまい、自殺する前に生後間もない赤子だった彼女をコインロッカーに遺棄していったのです。リエカの気持ちは「恐怖心」から「慈愛」に変わり、赤ん坊のようにハイハイをして自分に接近する赤子で成長が止まり、何故か体だけが成長した少女を抱き締めます。「かわいそうに・・・。望まれずに生まれて来る子はいないんだよ」と言って。少女の霊は母親に抱き締めてもらっているように静止し、喜びや悲しみといった喜怒哀楽の表情、人間らしさが欠落したまま、リエカに抱き締められ、消えました。
渋谷怪談の結末
リエカは病院に運ばれ、愛のように意識が朦朧とした状態です。そんな彼女を綾乃が見舞っています。リエカは一瞬、綾乃の手首を掴み、あのコインロッカーのカギをメッセージのように落としてました。
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