嵐の中で輝いての紹介:1992年アメリカ映画。ニューヨークの弁護士事務所の秘書になったユダヤ人のリンダは謎めいた上司エドと恋に落ちる。やがてアメリカは第二次世界大戦に参戦。エドを通じて対ドイツ諜報活動に関係したリンダはスパイを志願しドイツに潜入する。彼女の取り柄は度胸と、祖母と父譲りのベルリン庶民の話すドイツ語。『オーメン』等の脚本家であるデイビッド・セルツァーが監督・脚本・製作総指揮を手がけた、ロマンチックなスパイ・アクション映画。
監督:デイビッド・セルツァー 出演者:マイケル・ダグラス(エド・リーランド)、メラニー・グリフィス(リンダ・フォス)、リーアム・ニーソン(フランツ=オットー・ディートリッヒ)、ジョエリー・リチャードソン(マルグリット・フォン・エーベルシュタイン)、ジョン・ギールグッド(サンフラワー)ほか
映画「嵐の中で輝いて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「嵐の中で輝いて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
嵐の中で輝いての予告編 動画
映画「嵐の中で輝いて」解説
この解説記事には映画「嵐の中で輝いて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
嵐の中で輝いてのネタバレあらすじ:起・参戦まで
テレビのドキュメンタリー番組『戦時下の女性たち』収録のため、リンダはBBCのスタジオに来た。緊張しながらリンダは司会者の質問に答え始め、若き日の自分を振り返る。
ニューヨーク出身のリンダは、ベルリンで生まれ育ったユダヤ人の父と、ブルックリン生まれのアイルランド系の母との間に生まれ、クイーンズで育った。祖母や父とはドイツ語で話した。映画、特にドイツを舞台とする戦争映画が好きだった。1940年、ドイツから父に届く親類の手紙から彼らの苦境を知り、おばたちや従妹を助け出したいと願うようになる。
リンダは弁護士事務所の秘書の仕事に応募し面接を受けるが、名門大学卒業者を求めていると言われて腹を立てて、オフィスを出ようとしたところで掃除婦にドイツ語で話しかけたことによって、エド・リーランド弁護士の秘書として採用される。エドは謎めいた人物で、どうやら政府のために秘密の仕事をしているようだ。エドの口述する手紙は意味不明で暗号に違いなかった。エドは、生意気だが観察力の鋭いリンダに一目置くようになり、やがて二人は恋人になる。
そして1941年12月、真珠湾攻撃が起き、アメリカはドイツとも戦争を始める。エドは戦略事務局OSS(Office of Strategic Services)の大佐であることがわかる。リンダは軍服のエドと共にワシントンに飛ぶが、そこでエドはリンダに「俺を待つな」と言って別れを告げ、秘密の任地へと旅立った。
嵐の中で輝いてのネタバレあらすじ:承・ベルリン行き
リンダは陸軍省地下の情報センターに勤務し、多くの女性の同僚と共に敵の情報を仕分ける。半年後、軍人向けナイトクラブでリンダはエドと偶然遭遇し、再びエドの秘書になる。
敵の新型爆弾の研究所の所在をつきとめることがエドにとって急務だった。情報を得るためナチス高官ドレッシャーに近づく必要があるが、爆弾設計図をマイクロフィルムに撮影したスパイは処刑されてしまっていた。リンダはベルリンなまりで話せる自分なら、使用人としてすぐドレッシャー家に住みこめると主張する。
スパイの訓練を受けていない彼女に危険な仕事をさせることをエドは嫌ったが、リンダの熱意に負けて、期間限定の任務で、成果が得られなくても二週間でベルリンを出るという条件でリンダを使うことになる。エドはスイスのチューリヒ駅で、ドイツ外務省高官でありながら長年スパイをしてきた「サンフラワー」ことコンラート・フリートリクスにリンダをゆだねる。
嵐の中で輝いてのネタバレあらすじ:転・料理人から子守に
ベルリンのサンフラワーの屋敷に入った翌朝、協力者のマルグリットが訪れる。貴族の家柄で陸軍省に勤め、母がヒトラーのお気に入りの有名ピアニストという、リンダと正反対のバックグラウンドのマルグリットだったが、二人は意気投合し直ちに友情を結ぶ。マルグリットの手引きでリンダは協力者の魚屋に会い、彼におばや従妹の消息の調査を依頼する。
ドレッシャー家の料理人が交通事故で死に、リンダは代わりで「リーナ」という名で直ちに採用される。しかし、大事なパーティーで料理のだんどりが悪いうえに、ハトの料理を生で出してしまう。その晩のうちにクビになるが、たまたまその日のパーティーの主賓だった高官ディートリッヒが自動車で拾ってくれ、彼の、母親を亡くした二人の子供の子守として採用されてポツダムにある屋敷に住むことになる。だが、仲間に連絡する暇がないまま、任務にあてられた2週間が過ぎてしまった
多くの高官が出入りするディートリッヒ家で、リンダは重要書類の隠し場所を捜し続ける。子守の仕事は順調で、ベルリンでのヒトラーのパレードもディートリッヒ一家と見に行く。そのパレードのニュース映像の中にリンダを発見したエドはドイツに入り、親衛隊将校に変装してリンダの前に現れる。次の日の午後6時の汽車でエドと逃亡することを指示する。
翌日リンダは、魚屋から住所を教わった親類の隠れ場所へ行く。近くにある動物園に行くのを楽しみにしている子供たちを外に待たせて中を調べるが、もう既に人はいなかった。そのとき空襲警報が鳴り、命からがら子供たちを連れ帰る。「空襲があったら秘密の部屋へ」という、ディートリッヒの長男の言葉から、屋敷の地下に隠し部屋があることを知ったリンダは、エドとの約束はすっぽかし、隠し部屋の機密書類をマイクロフィルムに撮影する。
翌日、リンダに好意を抱くディートリッヒは、亡き妻のイブニングドレスをリンダに貸して、カラヤン指揮でワーグナーが上演される劇場に連れていく。ところが、マルグリットの母が観客席にいて、かつて娘に紹介されたとおりにリンダを「娘の大学時代の友だちだ」とディートリッヒに言ってしまう。帰宅したリンダはディートリッヒが部屋の中で拳銃を手にしているのを見て身の危険を感じ、イブニングドレスのまま逃亡する。
嵐の中で輝いての結末:ドイツからの脱出
既にゲシュタポに監視されているサンフラワーはリンダを匿うことを拒み、マルグリットの所に行けと指示する。だが、マルグリットのアパートに行ったリンダは彼女が二重スパイであることに気付く。
マルグリットはサンフラワーを監視していたのだった。リンダの親類の隠れ家の情報も当局に流したのでは。リンダはマルグリットの銃で腹を撃たれるが、「あなたは例外だけれどユダヤ人は大嫌い」と言うマルグリットをハサミで刺し殺す。
重い傷を負ったリンダをサンフラワーとエドが助け出す。親衛隊将校の制服のエドがリンダを抱えて列車に乗る。スイス国境の前にドイツの検問所があるが、偽身分証の期限切れを咎められたエドは、兵士たちを殺害してリンダを抱きかかえたまま国境へ走り出す。国境警備の兵士に膝や背中を撃たれながらも、エドはスイス領内へ駆け抜けて倒れる。機密書類のマイクロフィルムはリンダの手袋の中で守られた。
全て話し終えたリンダ。収録スタジオでは息子たちと共に、夫となったエドも見守っていた。
以上、映画「嵐の中で輝いて」のあらすじと結末でした。
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