忍びの者の紹介:1962年日本映画。「赤旗」に連載された村山知義の小説を巨匠・山本薩夫が映画化。左翼イデオロギーを反映させた異色の忍者映画として大ヒットし、後にシリーズ化されている。脚色を担当したのは『赤い陣羽織』でも山本監督と組んだ高岩肇。
監督:山本薩夫 出演:市川雷蔵(石川五右衛門)、伊藤雄之助(百地三太夫)、藤村志保(マキ)、岸田今日子(イノネ)、若山富三郎(織田信長)、小林勝彦(織田信雄)、丹羽又三郎(木下藤吉郎)、西村晃(下柘植の木猿)、加藤嘉(葉蔵)、ほか
映画「忍びの者」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「忍びの者」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「忍びの者」解説
この解説記事には映画「忍びの者」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
忍びの者のネタバレあらすじ:起
戦国時代、織田信長は桶狭間合戦で今川を打ち負かして以来、わずか13年で天下取りに最も近い武将と目されるようになりました。
この天正元年の夏も、朝倉義景と浅井長政の連合軍を北近江において撃ち破り、その破竹の勢いを誇示しています。これに危機感を抱いているのが、伊賀忍者の砦の頭領の1人、百地三太夫でした。
忍者を虫けらのように扱っている信長が伊賀を潜在的な敵と見なし、いずれ急襲を仕掛けてくることは明らかだったからです。
忍びの者のネタバレあらすじ:承
三太夫が下忍たちに上洛した信長を追わせる一方、同じ伊賀者ながら別の砦の頭領である藤林長門守も、信長討つべしという厳命を下しました。こうして信長の首を狙ってライバルである2砦の伊賀忍者たちが競い合うことになります。
そんな中、三太夫の下忍である石川五右衛門は気の迷いから三太夫の妻イノネと懇ろの関係になります。三太夫はこれを知って怒るどころか、計略をめぐらします。
元々五右衛門の忍術の腕前を買っていた彼は、わざと関係を露見させ、五右衛門が逐電するように仕向けます。しかもその際に妻であるイノネを殺してしまうのです。
忍びの者のネタバレあらすじ:転
本来なら抜忍は執拗に命を付け狙われますが、三太夫は罪を許す代わりに五右衛門に盗賊となることを命じます。伊賀では信長の襲撃に備える必要があり、その資金が必要でした。
それを五右衛門に稼がせようというのです。仕方なく五右衛門は京都で大きな屋敷を狙って泥棒行為を繰り返します。そしていつの間にか五右衛門はすっかり大泥棒として都の人気者となってしまいます。
忍者として恥辱を感じた彼はすっかりそんな仕事が嫌になり、知り合った女郎のマキを身請けして世帯を持ちます。しかし五右衛門に平和な暮しが許されるわけはありません。
忍びの者の結末
身籠ったマキを人質に取られた五右衛門は最後の仕事として信長暗殺を命じられます。落成したばかりの安土城に忍び込んだ彼はうまく信長に毒を盛るのですが、頑健な信長は重体になるものの命は取り留めます。
そしてこの暗殺未遂を好機として密かに伊賀へと進軍。忍者たちは必死に応戦するものの、圧倒的な砲力を持つ信長軍を前に最後には壊滅させられます。五右衛門は自分を苦しめた三太夫がどうなったのか知るために屋敷内に侵入しますが、三太夫は藤林長門守に変装した姿で事切れていました。
驚いたことに2人は同一人物だったのです。これで悩みのなくなった五右衛門は自分の家へと駆けていきます。そこには自由になったマキが待っていました。
以上、映画「忍びの者」のあらすじと結末でした。
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