刺青 匂ひ月のごとくの紹介:2008年日本映画。社交性が強く、わがままで気の強いダンス講師の陽花。内向的で出しゃばらない妹の葉月。陽花は恋人で、ダンスのパートナーの亮介が葉月にダンスを教えることに嫉妬し、出会った彫師に頼み、葉月に刺青を彫らせることにしたのですが・・という内容の谷崎潤一郎の小説を映画化“刺青”の第2弾です。さとう珠緒さんの嫉妬女の演技が見事です。
監督:三島有紀子 出演者:井村空美(藤堂葉月)、さとう珠緒(藤堂陽花)、今拓哉(桐悟)、鈴木一真(亮介)ほか
映画「刺青 匂ひ月のごとく」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「刺青 匂ひ月のごとく」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「刺青 匂ひ月のごとく」解説
この解説記事には映画「刺青 匂ひ月のごとく」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
刺青 匂ひ月のごとくのネタバレあらすじ:起
姉・陽花とパートナーの亮介のダンスの練習を見守る葉月。二人の家の一階は陽花のダンススタジオになっていて、スタッフが「葉月ちゃんもそろそろやったらどう。すぐ上位になれるよ」というものの、葉月は「大学があるから」と言って家を出ていきます。
海辺の一軒家では、ヤクザ風な男が刺青を彫っています。男は彫師・桐悟に「あんた噂通りだ」とつぶやきます。
葉月は、部屋に美術倶楽部から送られてくるポストカードをつなぎ合わせたヌード絵画を壁に張り巡らせ、紐で縛った人形を沢山天井から吊るしています。そんな葉月は、部屋から陽花と亮介の愛し合う姿が見えます。亮介は陽花のいいなりで絶対に逆らいません。
ある日、葉月がフロアでダンスを練習していると、亮介が入って来ます。そして亮介は葉月とペアを組んで教えます。その様子を覗き見していた陽花に、スタッフが「葉月ちゃん、お母様に似てきたわね」と言いますが、陽花は似ていない」と言います。二人の母はダンス界では有名な存在だったのです。
刺青 匂ひ月のごとくのネタバレあらすじ:承
亮介と練習する葉月に嫉妬した陽花は、滝田と言う若い男を連れてきて、葉月のパートナーにします。少しダンスを踊った葉月は「大会には出ない」と言ってダンスを止めます。陽花が怒りだすと、葉月は「ごめんなさい」と言って家を出て行きました。
その夜、陽花は葉月に「ダンスには愛が必要なの、お母様はいつも愛を持っていた。あなたも早く恋をして処女を捨てる事ね」と嫌味を言います。葉月は悔しくて泣いて、家を飛び出します。
夜道を歩いていると滝田が通りかかり、「オレとやりたいんだろう」と言いながら葉月をレイプしようとします。叫び声に気づいた亮介が走って来て葉月を助けます。亮介は葉月をおぶって帰りますが、玄関には陽花が待っていました。
手当てをしながら、「あんたにはスキがあるのよ、誘惑されたと思ったんじゃないの」とバカにします。その言葉を聞いて亮介が「やめろよ!」と怒鳴ります。初めて亮介に怒鳴られ驚いた陽花は「練習よ!」と亮介を連れだします。ダンスをしても心がここに無い亮介に陽花は怒ります。亮介はいわれるがまま陽花を愛します。
刺青 匂ひ月のごとくのネタバレあらすじ:転
亮介との呼吸が合わなくなった陽花は、葉月に「もう亮介と踊らないで!」と忠告します。陽花の嫉妬が激しさを増す中、亮介が「パートナーを解消しよう」と陽花に申し出ます。怒り狂う陽花は「葉月と寝たのね」とわめきはじめ狂乱します。亮介は「わからないのか、お前のそういうところが・・」と途中まで言って部屋を出て行きます。
絶望感から廃人のようになった陽花が、夢遊病者のように家を出て行きます。雨にうたれ彷徨います。そして彫師・桐悟に会います。桐悟は「まだ本物の肌に彫っていない」という桐悟の部屋には、葉月の部屋と同じヌード絵画と、縛られた人形がたくさん吊るされています。桐悟は「人形の中の女が出てこないように縛ってるんだ」と言います。
翌日、帰ってこない陽花に代わり、葉月がダンスを教えていると、陽花が何事もなかったように帰って来ます。そして葉月に「お届け物を頼まれて、車を呼んであるから」と言います。いわれるがまま車に乗ると、葉月は気を失ってしまいます。
刺青 匂ひ月のごとくの結末
目覚めた葉月は桐悟の家にいます。桐悟は鳳凰の絵を見せます。「この絵を私に彫れと姉が言ったの」と聞きますが、桐悟は鳳凰の説明をするだけです。外に飛び出し浜辺の焚火のもとへ行った葉月の目の前を、鳳凰のような蛾が飛んできて焚火に飛び込んだのです。
桐悟は「火取蛾と言って、一瞬の輝きを求めるために火に飛び込むんだ、君を子供の頃に見た時に、求めていた肌だと思った」と言います。葉月は「私・綺麗になれる?」と言って、葉月は刺青を彫らせることにしました。
やがて鳳凰の刺青が完成すると、海辺で桐悟が「見せてくれ」と言います。葉月は桐悟にキスをし突き放します。桐悟はその場に崩れ落ちます。
家に帰った葉月は、寝ている陽花に「今夜9時に待っている」と置手紙をします。陽花がその場所に行くと、亮介と鳳凰の刺青をした葉月がいます。二人は華麗にも激しくダンスを踊ります。踊り終わると葉月はドレスを脱ぎ捨て、背中の鳳凰の全体を陽花に見せます。そして陽花の横を通り過ぎ出て行ったのです。陽花は何も言えませんでした。
以上、映画「刺青 匂ひ月のごとく」のあらすじと結末でした。
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