縮図の紹介:1953年日本映画。徳田秋声の未完の小説を新藤兼人が脚色、自ら演出した秀作。主演は新藤兼人と公私共にコンビだった乙羽信子。製作には自身監督として知られる吉村公三郎が当たっている。キネマ旬報ベストテンでは10位に入選。
監督:新藤兼人 出演:乙羽信子(銀子)、島田文子(時子)、北林谷栄(お島)、宇野重吉(銀蔵)
映画「縮図」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「縮図」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「縮図」解説
この解説記事には映画「縮図」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
縮図のネタバレあらすじ:起
東京佃島の靴直し職人の娘・銀子は口減らしのため、芸者に売られます。最初に紹介された置屋ですぐに店の主人に手を出されてしまい、愛人関係に。結局、女将が死んだあと、その後釜におさまることになります。しかし、客のひとりの青年と恋仲になったために主人に嫉妬され、激しい折檻の憂き目に会うのです。
縮図のネタバレあらすじ:承
父親に助けられてしばらくは家で靴修理の手伝いをしますが、生活の不如意は相変わらずで、再び芸妓にならざるを得ません。今度の勤め先は東京から遠い北国でした。そこのお座敷で地元の名家の跡取り息子と知り合った銀子は彼と相思相愛の仲となり、高価な指輪をもらって結婚の約束を交わします。しかし息子の行動を知った母親が銀子に身を引くように促したりして、話はうまくまとまりません。結局、銀子に相談もなく跡取り息子は見合いをし、別の名家の娘と結婚。銀子は雪の中で泣き崩れるのです。
縮図のネタバレあらすじ:転
心の傷を抱えた彼女は再び東京へ。2度の失恋の後、もうかつての純真な気持ちは失われ、お座敷稼業もすっかり板についています。がめつい女主人のもと、勤めを続けるうち、再び旦那ができます。その割り切った関係では心はもう傷つきません。お手当がいいため、生活にも余裕ができました。しかし、獅子舞を見物している時、その客を巡って朋輩との間で大喧嘩。その後すぐに病気になって寝込んでしまいます。
縮図の結末
儲け時に床についた彼女に女主人は盛んに小言を言い、それが腹立たしい銀子は無理を押して座敷に。そのせいで病気は悪化。ついには危篤状態に陥ります。「家に帰りたい」という彼女の願いをかなえるため、父親が担架で銀子を佃島へ。家の2階に寝かせます。しばらくはいつ死ぬか分からない状態が続いた上、結核で寝ついていた銀子の妹までがその目の前で亡くなることに。しかしそれがかえって「死ぬまい」という気力を呼び起こしたのか、銀子の病気は良くなっていきます。やがてすっかり元気になった彼女に、女主人が借金返済のため座敷へ出ることを勧めにきます。仕方なく芸妓として客のお相手を務める銀子。その表情にはあきらめが宿っていました。
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