人生、ここにあり!(別題:やればできるさ)の紹介:2008年イタリア映画。1987年に精神病患者の無期限収容を禁じた法律が制定されたイタリアで、地域社会との共存を体制化が進められる中、実際に起こった出来事をもとにコメディタッチで描いたヒューマン・ドラマ。
監督:ジュリオ・マンフレドニア 出演:クラウディオ・ビシオ(ネッロ)、アニタ・カプリオーリ(サラ)、ジュゼッペ・バッティストン(フルラン医師)、ジョルジョ・コランジェリ(デルベッキオ医師)、アンドレア・ボスカ、ジョヴァンニ・カルカーニョ、ミケーレ・デ・ヴィルジーリョ、ほか
映画「人生、ここにあり!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「人生、ここにあり!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
人生、ここにあり!の予告編 動画
映画「人生、ここにあり!」解説
この解説記事には映画「人生、ここにあり!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
人生、ここにあり!のネタバレあらすじ:起・組合員、集合!
イタリア、ミラノで労働組合員として働くネッロは、奇抜な発想を疎まれ、精神医療センター内にある”協同組合180”への異動を命じられる。そこは法律によって精神科病棟に留まれなくなり、行き場のない患者たちの自立を目的に設立された組織だったが、実際には切手貼りなどの単純作業を与えているだけだった。
医療センターの理事長デルから新規の職探しや作業管理を任されたネッロは、まず入所者を組合員として扱い、組合として機能させることを始めるが、入所者のルカとジージョの切手の貼り方に芸術的センスを見出したことで、もっと有意義な仕事をするべきだと思い立つ。
そこで彼は、入所者を集め組合員会議を開いて、楽な補助作業とやりがいのある市場参入とで多数決を取る。その結果、市場参入案に軍配があがり、寄木張りの木工作業を手掛けることが決まる。
人生、ここにあり!のネタバレあらすじ:承・やりがいのある仕事
しかし障がい者を雇うことに世間は躊躇し、仕事はなかなか決まらず、デルからは彼らは仕事の緊張や責任は耐えられないと批判されたネッロは、昔からの喧嘩友人パデッラ頼み込み、彼の持つブティックの1店舗を任せてもらうことに成功する。
様々なトラブルに見舞われながらもなんとか納期に間に合わせ、そのデザイン性が認められたことで、これをきっかけに仕事が舞い込むようになる。
組合員たちはそれぞれ理事長、会計係、電話係などの役割を与えられ、仕事に対する報酬を得たことでやりがいが生まれ、自信を持つようになり、ネッロも彼らに普通の生活を取り戻せると思うようになる。
人生、ここにあり!のネタバレあらすじ:転・自立への道
組合員たちから過剰な投薬についての副作用のことを聞いたネッロは、作業に支障をきたすとデルに薬を減らすことを提案するが、作業で精神疾患は直せないと言って聞き入れてもらえない。
そこでネッロは彼の取り組みに賛同する医師フルランとともに”協同組合180”を精神医療センターから独立させる。薬を減らしたことで皆は元気を取り戻し、恋愛関係も見られるようになっていった。
ネッロは更に多くの患者たちを組合員にして救いたいと、パリの地下鉄での床張り仕事を請け負う提案をする。しかし最初のうちは無給だと聞くと意見が割れ、提案は否決される。
その頃、ルカとともに作業に訪れた現場でジージョは、その家の女性カテリーナに恋をする。息子の変化を不安視する母親は彼を連れ帰ろうとするが、ジージョは激しく抵抗し、ネッロも反対する。
人生、ここにあり!の結末:起失敗と挫折
ところがカテリーナに招かれて参加したパーティで、ジージョをからかった男をルカが殴って警察沙汰になる。カテリーナは自分が興味本位でジージョを誘ったせいだと話し、彼らはかわいそうな精神病患者だから起訴はしないでほしいと話しているのを聞いたジージョはショックを受け、翌朝、自らの命を絶ってしまう。
警察に提出するデルの報告書には、ネッロの取り組みは患者に有効で事件とは無関係だと記されていたが、ジージョの死に深く責任を感じ自信を失っていた彼は、組合の職を辞し組合員らに別れを告げて去って行く。
ある日、パデッラのもとで働き始めたネッロのもとに組合員らがやってくる。組合員会議を開き、パリの地下鉄の仕事を受注することに決めたのだとルカから聞いたネッロは、再び組合に戻る。
半年後、仕事も増えて運営も順調な中、組合は新しい組合員を迎えていた。「やればできる」を合言葉にしたこの協同組合の取り組みは、その後のイタリアにおける社会連帯組合の礎となった。
以上、映画「人生、ここにあり!」のあらすじと結末でした。
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