サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~の紹介:2012年イギリス映画。「ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年)」等で知られるエドガー・ライトらが製作総指揮を務めるホラー・コメディ。旅先で次々殺人を犯すカップルの狂気の旅路を描く。ティナは抑圧的な母の反対を押し切り、恋人クリスとキャンピングカーで1週間の旅行に出かけた。ヨークシャーの観光地を巡る旅にティナは大喜びしていたが、クリスはただ気に入らないという理由だけで次々人を殺してしまう。それに気付いたティナは恐怖を覚えるが、次第に気にならなくなりついに殺人に加担するのだった。
監督:ベン・ウィートリー 出演者:アリス・ロウ(ティナ)、スティーヴ・オーラム(クリス)、アイリーン・デイヴィーズ(キャロル)、リチャード・グローヴァー(マーティン)、ジョナサン・アリス(イアン)ほか
映画「サイトシアーズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サイトシアーズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~の予告編 動画
映画「サイトシアーズ」解説
この解説記事には映画「サイトシアーズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~のネタバレあらすじ:旅の始まり
舞台は現代イギリスの田舎町。34歳になるティナは、偏屈で抑圧的な母の束縛に辟易していました。母は飼い犬ポピーだけに心を開いていましたが、ポピーは1年前ティナの不注意で死亡しています。それを今だに根に持ち、恨みがましい目を向けてくるのです。
そんなティナにも心の支えとなる恋人がいました。恋人の名前はクリス。穏やかで紳士的な彼に夢中のティナは、キャンピングカーで1週間一緒に旅行する計画を立てていました。反対し続ける母を振り切り、ヨークシャーを巡る旅に出たティナとクリス。ずっと冴えない人生を送って来たティナは最高の気分でした。
クライチ路面電車博物館にやって来た2人は、注意されてもポイ捨てをやめないマナーの悪い男性観光客と遭遇します。クリスはティナが戸惑うほど激怒し、事故に見せかけて男性を車でひき殺してしまいました。
サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~のネタバレあらすじ:更なる殺人
お咎めなしで釈放されたものの、ティナは強いショックを受けます。しかし事故だったのだと気を取り直し、キャンプ場までやって来ました。そこでクリスは本を執筆中なのだと明かします。「創造の女神」と賞賛され、ティナは陶酔に浸りました。
上機嫌のクリスでしたが、新型のキャンピングカーで旅行中のワーシング夫妻と知り合い、一気に不機嫌になります。夫妻は洗練されたものを好み、清潔で、ポピーそっくりの犬バンジョーを飼っていました。その上、夫イアンは3冊目となる本を執筆中です。格上の社会的スペックを持つ夫妻に苛立ったクリスは、翌早朝、イアンを襲って撲殺。カメラを奪い、事故を装うため崖下に遺体を落とします。ティナは近付いて来たバンジョーの首輪を捨てると、そのまま連れ去ってしまいました。
ブルージョン洞窟を経由し、ファウンテンズ修道院へやって来たティナ達。クリスのカメラを何気なくチェックしていたティナは、これがイアンの物だと気付きます。「イアンを殺したの?」と尋ねるティナに、クリスは事故だったと弁解して1人で出かけてしまいました。ティナは計り知れないショックを受けますが、1人きりの寂しさには勝てず結局クリスを受け入れてしまいます。ティナはバンジョーをポピーと呼び、首輪も付けました。
サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~のネタバレあらすじ:亀裂
散策中、ポピーが糞をしたところを男性観光客に見咎められます。難癖をつけたクリスは男性を殺害し、幼稚な理屈で自分を正当化しました。ティナも怯えるどころか、ノートにアイディアや今の気持ちをメモするようクリスに助言します。創造の女神らしいアドバイスに、ティナは「私って最高」と酔いしれました。ある意味で順調な旅行でしたが、レイクランドに到着すると暗雲が立ち込めます。
クリスがキャンプ場で知り合った自転車乗りの男性マーティンと意気投合し、ティナを蔑ろにし始めたのです。マーティンはキャンピングカーの自転車版「キャンプ・チャリ」を自作して旅していました。その夜、レストランに入ったクリスはティナがいない隙に若い女性客チェイリーとキスをします。それを目撃したティナは激怒し、チェイリーを殺害してしまいました。
翌日。ティナは約束していたカンバーランド鉛筆博物館に行こうとクリスを誘いますが、彼は予定を変更してキャンプ・チャリの改良をすると言い出します。腹を立てたティナは1人で向かいますが、寂しさと虚しさで泣き出してしまいました。クリスはチェイリー殺害に明らかに気を悪くしています。殺人という結果は同じでも、自分のルールに則っていれば犯罪ではないとクリスは都合よく考えていました。チェイリーの件は、彼のルールに反したものだったようです。ティナはクリスのために行った殺人だったと不満を訴えました。
サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~のネタバレあらすじ:依存心の暴走
翌朝。車を乱暴に運転するティナは、上機嫌で目に付いた歩行者を無意味にひき殺します。クリスは激怒し、ティナを魔女と罵りました。その上チェイリーの件で警察が動き出し、目撃情報からティナとクリスは追われる身になってしまいます。しばらく車を走らせた2人は、最後の目的地リブルヘッド陸橋が見える山までやって来ました。遅れてマーティンが現れます。彼をキャンピングカーに招いたクリスは、キャンプ・チャリを商品化しようと言い始めました。
クリスが席を外した途端、ティナはマーティンに言い寄りますが相手にされません。今度は戻って来たクリスにマーティンから性的ないやがらせを受けたと言い募りますが、クリスはマーティンの肩を持ちました。深く傷ついたティナは、マーティンがキャンプ・チャリに戻ったのを見計らって自転車ごと彼を崖から落として殺害します。怒り狂ったクリスに馬乗りになったティナ。2人はどちらからともなく笑い始めます。
サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~の結末:旅路の果て
クリスはキャンピングカーを燃やし、ティナの手を取って走り出しました。2人はリブルヘッド陸橋に立ち、ポピーを解放します。彼らは旅の結末に心中を選びました。手を握り合い、カウントダウンを始めます。
しかし足を踏み出したのはクリスだけでした。ティナは手を解き、そのまま微動だにせず橋の下を見下ろします。クリスはたった1人で落ちていきました。彼が潰れる音が響き、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~」のあらすじと結末でした。
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