静かなる決闘の紹介:1949年日本映画。菊田一夫の戯曲を映画化した黒澤監督としては異色と言える作品。メロドラマ的な趣きが強い。三船敏郎と志村喬が珍しく親子役をやっているのが印象的。キネマ旬報ベスト・テンでは第8位となった。
監督:黒澤明 出演:三船敏郎(藤崎恭二)、志村喬(藤崎孝之輔)、三條美紀(松本美佐緒)、植村謙二郎(中田進)
映画「静かなる決闘」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「静かなる決闘」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「静かなる決闘」解説
この解説記事には映画「静かなる決闘」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
静かなる決闘のネタバレあらすじ:起
日中戦争当時の中国大陸。野戦病院にはひっきりなしに負傷した兵士が運び込まれてきます。若い藤崎医師は疲労困憊しながらもその手当を行っていましたが、手術中の不注意からメスで指に切り傷を作ります。不運なことに、そこから中田という患者の梅毒菌が感染。薬品不足のために慢性化し、一生その病を抱える羽目になります。
静かなる決闘のネタバレあらすじ:承
終戦を迎え、藤崎は内地へ帰還。焼け残った実家の医院で外科医として働き始めます。彼には徴兵前から将来を言い交わした婚約者・美佐緒がいたのですが、慢性となった梅毒を抱えてはもうまともな結婚生活は送れません。藤崎は理由も告げないまま、彼女との婚約を解消します。理由を告げないのは、もし梅毒のことを知ると美佐緒がその完治を期待して、いつまでも彼を待つだろうと考えたからです。美佐緒は婚約解消を承諾しますが、藤崎の仕事は手伝い続けます。
静かなる決闘のネタバレあらすじ:転
ある日、怪我をした警官の手当をするために警察署を訪れた藤崎は、その犯人が自分に梅毒を移した中田である事を知り、彼と会います。中田は裕福な生活を送っていましたが、梅毒治療を怠っていて、彼の妻も彼が梅毒持ちだということを知らないのです。しかも彼女は妊娠していました。治療をすすめる藤崎。しかし、体調に不満のない中田はその忠告を無視して、まともに医者にもかかりません。しつこい訪問に根負けして、中田は妻を連れて婦人科医である藤崎の父に診断してもらいますが、治療の話はやはり無視します。
静かなる決闘の結末
やがて中田の妻は気分が悪くなり、藤崎の医院へ。調べてみると胎児の心臓はもう止まっていました。その胎児を取り出す手術の前に、彼女は中田と別れることを藤崎に告げます。そこへ酔っ払って現れた中田は大暴れした後、分娩室へ。そこで取り出された胎児は奇形で、中田はそれを見て発狂してしまいます。結局、美佐緒は事情を知って別の男性との結婚を決意。藤崎自身はこれからの一生、貧しい患者を助ける医師として生きてゆこうと考えます。
重いテーマなんだけど、深みがあまり感じられないというか、苦悩を叫んではいるんだけどあまり刺さらない映画だった。
前作「酔いどれ天使」がすごく良かったので尚更物足りなさを感じた。
愛するが故に一緒にはいられない恋人たちはせつない。性病を無くそう。