スピード・レーサーの紹介:2008年アメリカ映画。この作品『Speed Racer』は、日本のタツノコプロが制作した人気テレビアニメ『マッハGoGoGo』(1967年)を原作とした実写映画です。原作アニメも世界各国で放映され大人気となりました。近未来のスポーツカーレースをテーマにしたもので、日本の原作アニメの主題歌や効果音と同じものを使用しつつ、「人類が目撃する可視速度の限界―いま、彼の走りが世界を変える!」というキャッチの通り、その映像はスピード感溢れる、実写とCGアニメを融合した斬新な映像美ドラマとなっています。
監督:アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー 出演:エミール・ハーシュ(スピード・レーサー)、クリスティナ・リッチ(トリクシー)、マシュー・フォックス(レーサーX)、スーザン・サランドン(スピードの母)、ジョン・グッドマン(スピードの父)、真田広之(ミスター・ムシャ)、ほか
映画「スピード・レーサー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スピード・レーサー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
スピード・レーサーの予告編 動画
映画「スピード・レーサー」解説
この解説記事には映画「スピード・レーサー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スピード・レーサーのネタバレあらすじ:1.プロローグ:スピード・レーサーの夢
時代は近未来、スピード・レーサーは子供の頃からレースカーのことばかり考えていました。スピードの一家は独立したスポーツカーチームとして、レースで生計を立てていました。チームのスポーツカーの名は「マッハ号」、そしてそれを設計したのは設計師である父パパ・レーサーでした。兄レックス・レーサーはマッハ号を自在に操る天才的レーサーでした。弟スプライトルもレースが大好き、母ママ・レーサーは家族を献身的に支えていました。そんな家族に囲まれたスピードの夢は唯一つ、一刻も早く尊敬する兄のようなレーサーになることでした。
スピード・レーサーのネタバレあらすじ:2.若き天才レーサー・スピードのトラウマ
成長したスピードはレーサーとなり、幼馴染みで恋人トリクシーや優秀な整備士スパーキーらに囲まれ、マッハ号で各地のレースに出場していました。スピードは幼い頃から兄レックスから薫陶を受けていたこともあり、若き新人レーサーとして、天才的な走りをし、注目の的でした。そんなスピードでしたが、あるトラウマを抱えていました。それは8年前突如、家出をしてチームから抜け、最も汚い天才的伝説レーサーとなり、あるラリーレース中に事故死した兄レックスのことでした。兄から「車は生き物だ。音を聞き、何を望んでいるかを知れ」と幼い頃からサーキットでマッハ号を操縦し、薫陶を受け育ったスピードは、地元のサンダーヘッドレースで、兄から譲り受けたマッハ号で出場しました。スピードは観客を魅了する驚異的な走りを見せました。しかし、兄の記録は超えられませんでした。
スピード・レーサーのネタバレあらすじ:3.大企業のローヤルトンからの誘い
ある日、スピードの家に1機のヘリが舞い降りてきました。やって来たのは大企業ローヤルトン工業のCEO・ローヤルトンでした。彼はスピードの操縦テクニックに目をつけ、魅力的な高額で契約レーサーとなるようにオファーに来たのでした。ローヤルトンはその財力でレース界でも強大な権力を持っていました。ローヤルトンに案内され、彼の会社内を見て回りました。スピードはその近代的な設備などに魅力を感じました。スピードは悩みに悩みました。しかし、スピードは独立した家族経営のチームへの愛着を捨てられませんでした。スピードは子供の頃、父と観戦したレースの記憶を回想しながら、「レースは単なる競技ではなく、信仰なんです。家族にとってスポンサーは悪魔と同じなんです」とローヤルトンに言い、断りました。その言葉を聞いたローヤルトンは嘲笑、激昂し、「利益こそが重要な記憶だ!レースの意義に選手や車など関係ない!重要なのは権力、揺らぐことのない金の力だ!」と言い放ち、レースの裏では権力者たちがレーサーたちを買収し、八百長としているのという驚愕の内幕をリークしたのでした。スピードは真逆の思想を持つローヤルトンからのオファーを毅然と断りました。
スピード・レーサーのネタバレあらすじ:4.レース業界の裏側
マッハ号に乗り、次のレースに出たスピードでしたが、ローヤルトンが言った通り、彼から買収されたレーサーが邪魔をし、マッハ号は完走できませんでした。そして、父も設計の盗みというあらぬ疑いをかけられ、起訴されてしまいました。スピードの家族チームはマスコミからも酷評を受け、経営難に陥りました。すべてローヤルトンが言った通りになり、スピードは落ち込みました。そんなスピードに母は優しく「レースはビジネスじゃない。あなたの走りは芸術よ。ときにあなたは感動を与えてくれる」と言い、励ましました。そんなある日、ディテクター警部と覆面を被った正体不明のレーサーXがやって来ました。ディテクター警部はローヤルトンのレース業界での不正を暴く捜査をしていました。警部はこれまで不正の片棒を担いでいたが嫌気がさし手を引いたテジョ・トゴカーンから決定的な証拠を得るため、レーサーXとスピードが彼と組み、彼からその証拠を得るためにあるレースに出場してほしいと依頼に来ました。そのレースとはカーサ・クリスト・ラリーでした。それは兄レックスが亡くなった非常に危険なレースで、父は猛反対しました。しかし、スピードは父に嘘をつき、そのラリーにマッハ号で出場し、ローヤルトンを叩きのめす決意をしました。警部のもとでマッハ号は、その危険なラリーに出場するため、改造を加えられました。車がジャンプするためのオートジャッキなど、7つの車を保護する機能を付け加えられました。レース前夜、スピードは気付きました。兄レックスは腐ったレース業界の不正を正すために、家を出ていっただと…。
スピード・レーサーのネタバレあらすじ:5.スピード、ラリーへ出場
スピードはレーサーXと改心したテジョ・トゴカーンのチームに入り、改造を受けたマッハ号で、ラリーに出場しました。どの車も裏側には邪魔な車を破壊する不正な改造が施されていました。ラリーが開始され、スピードはマッハ号で疾走しました。しかし、ラリーは過酷を極めました。スピードのマッハ号はあらゆる車から反則攻撃を受けました。スピードはそんな攻撃を改造された機能を駆使し、防御しながら、マッハ号を走らせました。レーサーXは自らも攻撃を受けながらも、スピードを援護しました。そんな中で、スピードはレーサーXの走りで、彼は亡くなったと言われる兄レックスではないかと感じました。1日目は残虐非道なスネーク・オイラーがトップでゴールしました。スピードたちは2番手で無事ゴールをしました。帰ってきたスピードを待っていたのは、家族でした。嘘までついて出場したスピードを父は叱咤し、レースをやめて帰らせようとしました。しかし、スピードのレースのかける意思はかたく、父は根負けし、レース出場を許しました。父は改造を加えたことでバランスが悪くなったマッハ号をスパーキーと整備しました。2日目のレースも過酷でした。トップを走るスネークをスピード、レーサーX、トゴカーンの3人は追いました。追いついてきたスピードを、スネークは容赦しませんでした。しかし、スピードは負けず、逆にスネークを谷底に落とし、チームを優勝へと導きました。
スピード・レーサーのネタバレあらすじ:6.苦闘するスピード
スピードは、トゴカーンを優勝させ、ローヤルトンにダメージを食らわしたと思いましたが、これもローヤルトンの手の内でした。トゴカーンは大企業の経営者である父ミスター・トゴカーンの指示で動いていたのでした。新しい高性能エンジンを開発したトゴカーンの父は、先に部下のミスター・武者をローヤルトンに向かわせ、買収の取り引き契約を結んでいたのでした。トゴカーンが勝ったことで、トゴカーンの父の会社の株価が上がり、確かにローヤルトンは予想以上の額で買収することになりましたが、不正を暴く証拠を得ることはできませんでした。その事を警部から聞いたスピードは憤り、マッハ号でサーキットを疾走し、憂さ晴らしをしていました。その時、1台のレースカーが追ってきました。それはレーサーXでした。スピードはレーサーXに正体を明かすよう詰め寄りました。レーサーXは静かに覆面を取り、顔をさらけ出しました。彼の顔は兄レックスの顔ではありませんでした。「レース界を変えることはできないんだ」と落ち込むスピードに、レーサーXは「そんな事は関係ない。大事なのはレースが我々を変えることだ」と諭し、励ましました。悩んだスピードは兄レックスのように家を出ようとしました。父は兄レックスの時と同じ過ちをしないよう、スピードに「お前は私の誇りだ。ドアはいつでも開けておく、いつでも帰って来い」と優しく語り、送りだそうとしました。その時、家のチャイムがなりました。ドアを開けるとトゴカーンの妹ハルコ・トゴカーンが立っていました。ハルコは父と兄がした不正について、謝罪に来たのでした。ハルコは「恥ずべき事をした」と言い、兄から譲り受けたグランプリの出場権をスピードにプレゼントしました。スピードは晴れてグランプリに出場することになりました。スピードは家出をとりやめ、このチームで優勝し、レース界を正す決意をしました。
スピード・レーサーのネタバレあらすじ:7.壮絶なグランプリレース
ローヤルトンは買収した高性能エンジンを搭載したニューマシンを作り上げ、グランプリに挑んできました。ドライバーは殿堂入りを目指す名手ジャック・“キャノンボール”・テイラーでした。その当日、スピードは家族総出でチューンアップしたマッハ号で大会に乗り込みました。出場辞退したトゴカーンの出場権を手に。ローヤルトンは、再起不能と思い込んでいたスピードの登場に驚きました。彼はスピードの首に100万ドルの懸賞金を密かにつけました。スピードは四面楚歌に陥りました。観客は急遽登場した若きスピードとマッハ号に視線を注ぎました。解説者ベン・バーンズは「これはレースじゃない。決闘だ」と呟きました。張りつめた空気の中、グランプリが開始されました。スピードは発進と同時に2台の車に進路を阻まれ、潰されそうになりましたが、オートジャッキで難を逃れ、マッハ号を走らせました。大きく出遅れたスピードでしたが、チューンアップされたマッハ号の速さは凄まじいものでした。スピードは各選手から邪魔をされますが、巧妙なハンドル捌きで、交わし、はね飛ばし、トップを追走しました。スピードは果敢な走りで、トップのキャノンボールとドッグファイトを繰り広げ、トップに躍り出ました。しかし、キャノンボールは反則技でスピードを潰そうとしました。窮地に陥ったスピードでしたが、彼はコース上に設置されているカメラを見つけ、そこでジャンプし、キャノンボールが反則技を使っている証拠映像を撮らせました。落ちた衝撃でキャノンボールのマシンはクラッシュ、大破しました。しかし、これでローヤルトンのチームが不正をしていることが露見しました。動かぬ証拠を撮らせることに成功したスピードでしたが、マッハ号はエンジンが動きませんでした。焦るスピードは子供の頃受けた兄の「車の声を聞け」を思い出し、語感を研ぎ澄まし、マッハ号の声を聞きました。スピードは直感的にギアを高速に入れ、アクセルを踏み、エンジンを復活させました。それはまさに神業でした。復活したスピードはレースに復帰、壮絶なスピードと走りで他のマシンを追い越していきました。観客はそんなスピードの走りに熱狂し、魅了させられました。スピードは遂にトップに躍り出、そのままゴールしました。スピードは優勝しました。
スピード・レーサーの結末:レーサーXの正体
スピードの優勝した姿を見た警部とレーサーXは「ついにやったな。これでレースは変わる」と言いました。レーサーXは実は兄レックスでした。彼はレースで亡くなったと見せかけ、顔を整形し、全くの別人としてレースを変えるために警部に協力していたのでした。彼は弟に何も告げず去っていきました。スピードは家族と優勝台にあがり、勝利のミルクを飲み、以前交わした約束通り、恋人トリクシーにキスをしました。スピード一家は観客たちから、スタンディングオベーションを受けました。そして、スピードの情熱の走りで、ローヤルトンの不正は暴かれ、逮捕されました。新聞の見出しはこうでした。「悪が栄えた、ためしなし」。
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