スフィアの紹介:1998年アメリカ映画。心理学者ノーマンは緊急招集をかけられ、太平洋に浮かぶ基地に向かう。そこには旧知の数学者ハリー、今は物理学者になった教え子のテッド、同じく教え子の生物学者ベスがそろっており、バーンズ大佐の指揮の下、300年前海底に沈んだ宇宙船に接触することになった…。
監督:バリー・レヴィンソン 出演:ダスティン・ホフマン、シャロン・ストーン、サミュエル・L・ジャクソン、ピーター・コヨーテ、リーヴ・シュレイバー、クイーン・ラティファ、マルガ・ゴメス、ほか
映画「スフィア」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スフィア」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
スフィアの予告編 動画
映画「スフィア」解説
この解説記事には映画「スフィア」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スフィアのネタバレあらすじ:起
政府要請で心理学者のノーマンが太平洋に浮かぶ基地に到着します。飛行機の不時着と知らされていましたが、そこに集められていた知人の数学者ハリー、教え子で物理学者のテッド、そして同じく教え子で生物学者のベスを見て、様子がおかしいことに気づきます。場を取り仕切るバーンズ大佐によると、海底におよそ300年前に沈没した宇宙船があるとのこと。ノーマンが賞金目当てに3人の名前を悪用し書いた地球外生命体とのコンタクト指南書を根拠に彼らが集められたのです。
スフィアのネタバレあらすじ:承
4人とバーンズ大佐は事前の準備を経て海底へと潜水します。居住ポッドには2人の女性スタッフがおり地上と同じような生活ができるようでした。また宇宙船の内部探索のためにすでに設備が整っていました。いよいよ5人は宇宙船の内部探索に乗り出しました。内部には人間の死体がひとつ。しかもその死体はアメリカ人の物でした。さらに5人は巨大な球体《スフィア》を発見。ただ黄金に輝く姿にハリーは心奪われます。ちょうどその頃太平洋上空ではサイクロンが発生、奇妙な球体を後にようやく帰還できると思っていましたが、ハリーがスフィアに魅了され、内部に入り込んでしまいました。彼を救出するために一行は居住ポッドにとどまることに。ハリーは無事でしたが、気絶しており目覚めません。その間、なんと地球外生命体からの暗号とおぼしき数字の羅列をコンピュータがキャッチ。テッドは解析を成功させ、ジェリーと名乗る生命体とコンタクトを図ります。
スフィアのネタバレあらすじ:転
ハリーの意識も戻り、歴史的な発見に湧く科学者達でしたが、女性スタッフのフレッチャーとエドマンズが立て続けに亡くなり、一行はジェリーの仕業ではないかと考え始めます。ジェリーは徐々に本性を現し、遂には皆殺しにする、と言葉を残して通信を絶ち、巨大イカによる攻撃を仕掛けます。居住ポッドは轟音を立てて壊れ、水に飲まれかけましたが、どうにか無事でした。しかしテッドとバーンズ大佐は残念ながら亡くなってしまいました。この時、ハリーは熟睡しており、轟音にも関わらず目を覚ますことはありませんでした。さらにノーマンは驚愕します、ハリーが読んでいる海底2万マイルの本が至る所から何冊も何冊も出てきたのです。ノーマンとベスはハリーが想像したことが具現化されノーマン、ハリー、ベスの3人は一度は疑心暗鬼に陥り、誰も信用できなくなりかけましたが、ようやく気づきます。ハリーだけではなく、ノーマンも、ベスもスフィアに入ったことに…。
スフィアの結末
恐怖のあまり掘削用の爆弾が爆発するのではと想像したベスによって、爆弾のカウントダウンが始まりました。3人は急いで脱出ポッドに乗り込みますが、現実と想像の入り交じった邪念が行く手を阻みます。ポッドは爆発に後押しされて地上に浮上し、軍に保護されます。3人はこの力を悪用されないようにスフィアの存在を「忘れる」ことに決めました。スフィアは3人の思いを受け取り、海底から浮上し大空を翔け、宇宙の遙か彼方に消えていきました。
この映画「スフィア」は、マイケル・クライトン原作の映画化作品で、彼には珍しい海洋SFホラーになっている。
深海で発見された謎の宇宙船を調査するため、科学者たちが招聘されるという設定は「アンドロメダ病原体」とそっくりだ。
太平洋の沖合で、300年近く海底に沈んでいた巨大な宇宙船が発見された。
政府の要請を受けた心理学者ノーマン(ダスティン・ホフマン)、彼の古い知り合いの生化学者ベス(シャロン・ストーン)、ニヒルな数学者ハリー(サミュエル・L・ジャクソン)ら数人の学識者は、謎の指揮官バーンズ(ピーター・コヨーテ)と共に、その調査にあたることになる。
深海探査基地を拠点にリサーチを進める彼らは、宇宙船内で巨大な球体”スフィア”を発見、その機能を解明しようとしていた矢先、海上との連絡が途絶えてしまう。
そして、彼らの”潜在意識”に眠っている恐怖が、次々と現実となって彼らを襲うのだった——–。
舞台となるのが、海底300メートルの探査基地の密室と宇宙船内という限定されたものでありながら、途中ハリケーンが来たり、巨大な生物が襲ってきたり、船内で火災事故が起こったりと、展開は非常に派手だ。
“ファースト・コンタクト・テーマ”のハードSFでありながら、しかも人間の意識化の葛藤を描く心理ドラマでもあるという複雑な物語を、バリー・レヴィンソン監督がスリリングに映像化していると思う。
ダスティン・ホフマンやピーター・コヨーテといった芸達者な俳優たちの熱演も大きく貢献しており、原作よりも緊迫感のあるドラマに仕上がっていると思う。