ヴィンセントが教えてくれたことの紹介:2014年アメリカ映画。酒とギャンブルが好きな上に偏屈な毒舌家のヴィンセントは、ひょんなことから隣に引っ越してきたシングルマザーの息子オリヴァーのシッターをすることになります。いじめられっ子のオリヴァーと嫌われ者のヴィンセントとの交流と成長をユーモラスに描いたハートウォーミング・ドラマ。
監督:セオドア・メルフィ 出演者:ビル・マーレイ(ヴィンセント)、メリッサ・マッカーシー(マギー)、 ジェイデン・リーベラー(オリヴァー)、ナオミ・ワッツ(ダカ)ほか
映画「ヴィンセントが教えてくれたこと」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヴィンセントが教えてくれたこと」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ヴィンセントが教えてくれたことの予告編 動画
映画「ヴィンセントが教えてくれたこと」解説
この解説記事には映画「ヴィンセントが教えてくれたこと」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヴィンセントが教えてくれたことのネタバレあらすじ:起.最悪な出会い
ヴィンセントは人間嫌いで偏屈な1人暮らしの老人男性。金に困っているにもかかわらず、身重のロシア人ストリッパー&売春婦のダカを呼びつけたり、毎日のようにバーや競馬場に入り浸って気ままに暮らしています。ある日、隣の家にシングルマザーのマギーと12歳の息子オリヴァーが引っ越してきます。ところが、引っ越し業者のトラックがヴィンセントの家の木と車を傷つけてしまい、ヴィンセントが激怒。マギーはヴィンセントの失礼な態度に驚きながらも謝罪し、弁償することを約束します。次の日、CTの検査技師のマギーは新しい病院に初出勤、オリヴァーは転校先の聖パトリックスクールに初登校です。しかし、オリヴァーはいじめっ子のロバートに目をつけられてしまい、体育の授業中に制服を盗られてしまいます。制服のポケットには家の鍵と携帯とお財布が入っていたため、家に入ることができないオリヴァーは、ヴィンセントに母親に連絡をするので電話を貸してくださいと頼みます。ヴィンセントは面倒くさそうに渋々と承諾してオリヴァーを家に入れます。オリヴァーは母のマギーに電話をしますが、まだ仕事中ですぐに帰れないマギーはヴィンセントにこのまま息子を見ていてほしいと頼みます。ヴィンセントはしっかりとシッター代を要求し、時給12ドルでオリヴァーを見ることを引き受けます。ヴィンセントは仕事帰りに迎えに来たマギーに、これからもシッターをすると申し出ます。家が隣りで便利な上にシッターを探す手間が省けると感じるマギー。オリヴァーもぶっきらぼうなヴィンセントと過ごす時間が気に入り、「彼はほどほどに年だ。危険性はないよ」と賛成します。身重な体でストリッパーを続けていたダカですが、ついにクビになってしまい「お金が要るのに!訴えてやる。これは差別よ。妊婦へのね」とヴィンセントに愚痴をこぼします。マギーは急遽残業することになってしまい、ヴィンセントにシッターを頼みます。ヴィンセントにママに電話しろと言われたオリヴァーは、公衆電話から電話をかけようとしているとロバート達がやってきて「お前のせいで居残りをさせられた」と絡んできます。オリヴァーが「泥棒したからだ」と言うと「証拠あんのか」と喧嘩になり、オリヴァーは平手打ちをして反撃をしますが、体を壁に叩きつけられて鼻血を出してしまいます。ロバートは倒れたオリヴァーの胸の上にスケボーを乗せて踏みつけ、「先公にチクるなよ」と脅します。すると、ヴィンセントがやって来て「よく聞け、いじめっ子ども。今度手を出したら容赦しねえ」と言ってスケボーをへし折り、ロバート達を撃退します。
ヴィンセントが教えてくれたことのネタバレあらすじ:承.サンディ
ヴィンセントはオリヴァーを高級介護施設に連れて行きます。ヴィンセントは医者になりすましてサンディというアルツハイマー病の老人女性と親しく会話をします。サンディはヴィンセントのことを本物の医者だと信じて信頼している様子。ヴィンセントは定期的にサンディの洗濯物を引き取り、洗っては届けているのでした。帰宅後、ヴィンセントはオリヴァーに喧嘩の仕方を教えます。マギーは職場の駐車場で家庭裁判所からの召喚状を受け取ります。迎えに来たマギーが泣いていたのを察したヴィンセントが理由を尋ねると、マギーは夫がオリヴァーの親権を求めていることを打ち明けるのでした。ヴィンセントはシングルマザーとして出産するつもりの上に保険証がなくて超音波代が払えないダカに新婚の夫のフリをして付き添い、超音波の診察を受けさせます。体育のドッチボールでロバートに顔にボールをぶつけられて鼻血を出したオリヴァーは、ヴィンセントに教わったやり方で殴り返して気絶させてしまいます。ヴィンセントは競馬場にオリヴァーを連れて行き、オッズのことなどを教えます。頭が良いオリヴァーはすぐに理解し、お弁当代の7ドルを使ってヴィンセントに馬券を買ってもらうと、それがまさかの大当たり。ヴィンセントは大喜びで銀行に行ってオリヴァーの口座を開き、そのお金を預けるのでした。オリヴァーをバーにも連れて行って酔っぱらうヴィンセントですが、店主に飲み過ぎだ、子供を連れて来るなと注意されてカッとなり、グラスを叩きつけて怪我をしてしまいます。マギーはオリヴァーがロバートを気絶させた件で学校から呼び出されます。オリヴァーの父親のことを聞かれたマギーは、浮気癖がある夫と離婚を進めていること、その夫から親権を求められていることを話します。オリヴァーは養子であり、夫は息子が可愛いいんじゃない、私へのあてつけなのと泣きながら打ち明けます。オリヴァーはロバートと一緒にトイレ掃除の罰を受けますが、お互いに父親に会えない境遇だということが分かって仲良くなり、ロバートはオリヴァーにお財布と鍵を返すのでした。
ヴィンセントが教えてくれたことのネタバレあらすじ:転.ヴィンセントが倒れる
ヴィンセントはまた医者のフリをして高級介護施設にいるサンディに会いに行きます。会話の途中でサンディが「ヴィン」と呼びかけてきて嬉しくてハッとしますが、すぐにまたいつものサンディに戻ってしまいます。施設の職員から、支払いが何か月も遅れているからもう少し安い施設に移ったらどうかと言われますが、妻には最高の施設にいてほしいと答えるヴィンセント。思い悩んだヴィンセントはオリヴァーが競馬で当てたお金を全額引き出して競馬に行きますが、負けてしまいます。帰宅すると借金取りが待ち構えていました。男に殴られそうになったところで脳卒中で倒れてしまうヴィンセント。学校から帰宅したオリヴァーが倒れているヴィンセントを見つけ、マギーが勤めている病院に搬送されます。ヴィンセントは体に麻痺が残って言葉も出にくくなっていたため、リハビリが開始されます。オリヴァーの学校の授業で「宗教的な聖人でなくても彼らに匹敵するすばらしい人たち。そんな人を身の回りや人づてに探してまとめよう」という宿題が出されます。リハビリに苛立ち、お見舞いに来たマギーとオリヴァーに当たり散らすヴィンセントを見て、ダカが「何それ。死にかけたのよ。バカね」と怒ります。マギーとオリヴァーがリハビリの手伝いをし、ダカはヴィンセントの家に行って飼い猫に餌をやり、散らかり放題の家をピカピカに掃除します。ヴィンセントは退院して家に戻り、ダカが野菜たっぷりのサンドイッチを作って食べさせます。ダカは世話係として雇ってと言い、ヴィンセントの身の回りの世話をすることにします。家庭裁判所でオリヴァーの親権についての調停が行われます。裁判官からダカが売春婦であることやオリヴァーが競馬場やバーに行っていたことを聞かされ、そのことを知らなかったマギーは動揺します。帰宅してから「共同親権になったのはあんたのせいよ」とヴィンセントに文句を言いに行きますが、「誰のせいでもない。あんたの責任だ。あの子には無用だ。文無しの母親は」と言われ、マギーは二度とヴィンセントの家に息子を行かせないことに決めます。
ヴィンセントが教えてくれたことの結末:聖人とは
入院中に介護施設から何度も留守電が入っているのを聞いたヴィンセントは、悪い予感がしながらも施設に向かいます。やはりサンディは亡くなったと告げられて遺品の箱を渡されますが、その中に遺灰も入っていると言われてショックを受けるヴィンセント。オリヴァーはマギーと父親の家を隔週で行き来することになり、放課後は父親が雇ったシッターと過ごすことになります。シッターに1分だけヴィンセントと話していいと言われて話し、ヴィンセントの妻が亡くなったことを知ります。「しっかり生きろ。俺をマネるな。分かったな?ロクでもない人生だ」「俺の何を知ってる?何も知らない。ただのバカな子だ」と言うヴィンセントに「確かにバカだよ。だって思ってた。ヴィンはただの酔っぱらいのひねくれ者じゃないって」と答えるオリヴァーに「じゃこれでお別れだな」と言うヴィンセント。ヴィンセントは最愛の妻の遺品や若い頃の写真を処分します。ゴミ捨て場にいるヴィンセントを見て不思議に思ったオリヴァーは、ヴィンセントが捨てた物をこっそり拾って見てみます。ヴィンセントの若い頃の写真の裏には「ベトナム1965年V・マッケンナ軍曹」と書いてありました。「私たちの周りの聖人」の発表会が2週間後に迫り、オリヴァーはヴィンセントのことを書くことに決め、ロバートと一緒にヴィンセントの行きつけのバーの常連客や介護施設の職員などにヴィンセントのことを聞きに行きます。ヴィンセントは出産が迫ったダカのために一緒にベビーベッドを買いに行きます。マギーは夫が思っていた以上にきちんとオリヴァーを見てくれていることに気が付きます。「私たちの周りの聖人」の発表会の日の朝、マギーは休みを取って今まで作らなかった朝食まで作ってオリヴァーを驚かせます。ダカは破水したフリをしてヴィンセントを車に乗せ、発表会に連れて行きます。二人が着くと、ちょうどオリヴァーが発表している番でした。オリヴァーはヴィンセントの生い立ちからベトナム戦争での功績、引っ越してきたばかりの自分の面倒を見てくれたことや妻サンディのことも語ります。「確かにヴィンセントは欠点だらけ。でも実際の聖人も同じです。なぜなら聖人とは人間にほかならないのだから」というオリヴァーの言葉に微笑む教師。オリヴァーがヴィンセントを紹介すると拍手喝采が起こります。ヴィンセントはダカに促されて壇上に上がり、オリヴァーがヴィンセントの首に聖人のメダルをかけて「ありがとう」と言うと、「俺こそ」と答えるヴィンセント。ダカは無事に出産し、ヴィンセントに見守られながら我が子を抱いて幸せに包まれます。ヴィンセントとダカと赤ちゃんとマギーとオリヴァーとロバートで食事会を開き、楽しい時間を過ごすのでした。
以上、映画ヴィンセントが教えてくれたことのあらすじと結末でした。
このジャンルの映画は大体筋が分かりやすくて、滅多に観ないのですが、オリヴァーが可愛いのと、何よりチョイ悪のおじいちゃんが大好物の私はスルーできず、観てしまいました…。
ラストの聖人発表会の所はもう、分かってる、ミエミエのラストじゃないか…と思いつつも、ダメですね、涙腺緩みました。
変などんでん返しがなくてスカッと感動したい方にオススメの一本です。