スティグマータ/聖痕の紹介:1999年アメリカ映画。世界各地で起こる謎の現象、スティグマータ(聖痕)を初めて映画化した作品である。教会とは無縁だった女性の身に突如現れたキリストの傷。その裏にはバチカンの宗教的陰謀が隠されていた。トマスの福音書を巡る実際の出来事をベースに、次々襲い来る超常現象を描いたサスペンスホラー。
監督:ルパート・ウェインラント 出演者:パトリシア・アークエット(フランキー・ペイジ)、カブリエル・バーン(アンドリュー神父)、ジョナサン・プライス(枢機卿ハウスマン)、ジャック・ドナー(アラメイダ神父)、ディック・ラテッサ(ジアーニ神父)、ラデ・シェルベッジア(マリオン)ほか
映画「スティグマータ/聖痕」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スティグマータ/聖痕」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スティグマータ/聖痕」解説
この解説記事には映画「スティグマータ/聖痕」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スティグマータ/聖痕のネタバレあらすじ:神父の死とスティグマータの発現
ブラジルの小さな村ベロキント。血の涙を流す石像の噂を聞き、科学者アンドリュー神父が調査にやって来ました。石像の奇跡は教会の責任者アラメイダ神父が死亡した日に始まったといいます。教会では神父の葬儀が行われ、大勢の信徒が集まっていました。そんな中、一人の少年がアラメイダ神父の柩からロザリオを盗み観光客の女性に売ってしまいます。女性はアメリカ・ピッツバーグに住む娘フランキー・ペイジにそのロザリオを贈りました。興味の無い様子のフランキーでしたが、後日入浴中に異変が始まります。突如凄まじい力でバスタブに引きずり込まれ、激痛とともに両手首に太い杭で貫かれたような傷が現れたのです。その後地下鉄の車内で2度目の激痛に襲われ、今度は背中に鞭で打たれたような傷を負います。病院の検査でも原因ははっきりとしません。バチカンはフランキーに起こる現象がスティグマータか調査するため、アンドリュー神父を派遣することにしました。
スティグマータ/聖痕のネタバレあらすじ:エスカレートする怪現象
アンドリュー神父はフランキーを訪ねますが、彼女が無神論者だと知り早々に調査を打ち切ろうとします。スティグマータとはイエス・キリストが磔刑の際受けた5つの傷を自らの体に再現することであり、聖痕受体者は敬虔な信者のみとされているからです。しかしフランキーの額には3つ目の聖痕が現れ、幻覚を見たり謎の言葉を叫んだりと奇行が繰り返されます。アンドリュー神父はフランキーの叫び声を録音し、バチカンで翻訳作業をしているジアーニ神父に聞かせます。フランキーが喋ったのはキリストが使用したとされる言語、1900年間使われていないアラム語でした。
スティグマータ/聖痕のネタバレあらすじ:新しい福音書の謎
アンドリュー神父が部屋に閉じこもったフランキーを訪ねると、彼女は一心不乱に壁にアラム語の文章を書きなぐっていました。人相が変わり、明らかに正気ではありません。アンドリュー神父は熱心に壁の文字を撮影します。苛立って部屋を飛び出したフランキーにアンドリュー神父が謝罪すると、ようやく二人は打ち解けます。しかし4つ目のスティグマータがフランキーの両足を襲いました。アンドリュー神父は手当てをしながら、最後の聖痕が現れたとき彼女は死亡するだろうと直感します。アンドリュー神父は写真のデータをジアーニ神父に送りますが、彼は顔色を変え忘れろと警告します。フランキーが書いたのは、数年前バチカンが葬り去ろうとした新しい福音書の文章だったのです。ジアーニ神父は写真のデータを隠そうとしますが、別の神父に見つかり枢機卿ハウスマンの知るところとなります。別の日、フランキーはアンドリュー神父を誘惑しますが拒絶され激高します。バチカンと教会を罵倒しおそろしい力でアンドリュー神父を叩きのめしたフランキーは、磔刑のキリストの姿で宙に浮かび上がりました。気絶した彼女を介抱するアンドリュー神父。そこへ枢機卿が乗り込んで来ます。フランキーは大司教に保護され、アンドリュー神父はこの件から下ろされてしまいます。
スティグマータ/聖痕の結末:バチカンの陰謀
教会で苦悩するアンドリュー神父に、ジアーニ神父から連絡を受けたマリオンという男が話しかけます。彼は以前ジアーニ神父、アラメイダ神父とともに新しい福音書の翻訳をしていましたが、枢機卿から破門されました。福音書の文章が、教会の権威と存在意義を否定するものだったからです。アラメイダ神父は福音書とともに行方をくらませていました。フランキーはアラメイダ神父に憑依されているのだと気づくアンドリュー神父。彼女を媒介に福音書の教えと教会への怒りを伝えようとしていたのです。一方、枢機卿はフランキーから霊を祓う儀式に挑んでいました。フランキーの首を絞め殺害しようとしますが、駆けつけたアンドリュー神父が間一髪で阻止します。暖炉の火が部屋中に燃え広がり、室内は火の海に。アンドリュー神父は、フランキーを解放するようアラメイダ神父に語りかけます。糸が切れたように気絶した彼女を抱き上げ部屋を去ると、火はたちまちのうちに消えました。フランキーに5つ目の聖痕は現れず、彼女は一命をとりとめます。後日再びベロキントに飛んだアンドリュー神父は、教会の床に隠されていた福音書とその翻訳を発見します。これは現在トマスの福音書と呼ばれていますが、バチカンは異端とみなし認めていません。その事実を字幕で説明し、この映画も終わりを告げます。
以上、映画スティグマータ 聖痕のあらすじと結末でした。
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