戦略空軍命令の紹介:1955年アメリカ映画。メジャー・リーグの内野手から空軍軍人に転じた男と、彼を支える妻。監督アンソニー・マン、主演ジェームズ・スチュワート、主人公の妻ジューン・アリソンという『グレン・ミラー物語』の組み合わせの再現。ヴィスタ・ヴィジョンで撮影された大型爆撃機B-36の空を飛ぶ姿は美しいが、それはいつでもどこにでも原子爆弾を落とすための飛行機であり、この作品の将軍たちはSACの爆撃機が戦争を未然に防いでいると、核抑止の考えを力説している。なお、ジェームズ・スチュワート自身も第二次世界大戦でパイロットとして活躍し、撮影時も空軍予備役大佐だった。
監督:アンソニー・マン 出演者:ジェームズ・スチュワート(ダッチ・ホーランド)、ジューン・アリソン(サリー・ホーランド)、フランク・ラヴジョイ(ホークス)、バリー・サリヴァン(サムフォード)、アレックス・ニコル(アイク)、ジェイ・C・フリッペン(トム・ドイル)、ほか
映画「戦略空軍命令」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「戦略空軍命令」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
戦略空軍命令の予告編 動画
映画「戦略空軍命令」解説
この解説記事には映画「戦略空軍命令」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
戦略空軍命令のネタバレあらすじ:起・ダッチ空軍へ
”ダッチ”ことロバート・ホーランドは、セントルイス・カージナルスのベテラン三塁手。チームはフロリダでシーズン前のトレーニングの最中。新婚の彼は友人たちや妻の両親を招いて、引っ越したばかりの新居のお披露目パーティーをするが、その日、彼のかつての上官、空軍のラスティ・キャッスル将軍の訪問を受ける。彼の目的は第二次大戦中B-29爆撃機の名指揮官で、今は予備役のダッチが21か月間 戦略空軍司令部(Strategic Air Command =SAC)の一員となるという命令を伝えることだった。
6年間も飛行機の仕事を離れている私が今空軍に必要なのか?とダッチは抗議するが、空軍は彼のような経験豊かでリーダーシップのある人間を必要としていた。そしてダッチの参加を希望するSACの司令官、ホークス将軍の硬い意志は変えようがないと言われる。妻のサリーは家と結婚したのでなく、あなたと結婚したのだと言い、夫についていくことを約束する。
戦略空軍命令のネタバレあらすじ:承・B-36に乗る
テキサス州のカースウェル基地にホーランド中佐としてダッチは赴任。サリーも夫からの呼び出しを待ちきれずに基地にやってきて、直ちに官舎での生活を始める。ダッチは基本的に地上勤務だが、まずサムフォード中佐の指導をうけてB-36爆撃機の操縦を覚えなければならない。
最初の仕事でアラスカまでの往復飛行。帰宅するとほとんど朝になっていた。これからどうなることかと思いやられたが、その日ダッチはサリーの妊娠を知る。
戦略空軍命令のネタバレあらすじ:転・不時着
ダッチは念願かなって、一時的に機長を務めることになり、自分の機の乗員を集める。ダッチ同様、民間人としていい仕事に就いていたのに軍に呼び戻されて空軍での処遇に不満をもっているレーダー担当のアイク・ノウランド少佐を、ダッチの機に乗せることにする。
ダッチはB-36をカースウェル基地からグリーンランドの基地へ飛ばすことになったが、燃料タンクの修理がうまくいっていなかったため、左翼が発火してしまう。他の乗員はパラシュートで脱出するが、ダッチとノウランドは不時着まで機内にいて負傷し、救出を待つことになった。やっとグリーンランドの基地に着いたダッチは、サリーに女の子が生まれたことを知ることになる。
戦略空軍命令の結末:ダッチの決断
ホークス将軍はダッチをボーイング社の倉庫に連れていく。最新の爆撃機B-47に目を見張るダッチに、それを飛ばす新しい使命が与えられ、フロリダ州マックディル基地に転勤と決まる。サリーはフロリダの家へ帰ることができるのはうれしいが、新任務を夢見心地で語る夫に不安になる。
ダッチはマックディル基地から横田基地まで着陸することなくB-47を飛ばすことになる。そのころ、カージナルスの人事を預かるトム・ドイルは、故障したレギュラー三塁手の代わりに、残りのシーズンをプレイしてほしいとダッチに依頼するが、ダッチは考えたあげく誘いを断ってしまう。義務として軍にいなければならない21か月が過ぎたが、ダッチは空軍に永久にとどまろうと決意した。だが、その決断は、ダッチが空を飛ぶ度に心配しなければならないサリーを苦しめることになった。
マックディル基地を飛び立ったB-47は空中で給油して日本へ向かう。しかし天候不順で横田基地から嘉手納基地に目的地を変える。しかし、沖縄も風雨が激しくなる。さらに、B-36不時着の時の右肩の古傷のせいでダッチの右腕はほとんど動かなくなる。もう一人のパイロットの助けでようやく着陸することができた。
右腕の故障でもはやパイロットができなくなったダッチは、地上勤務はせず空軍を去ることにする。ホークスはダッチがいなくなることを惜しみ、彼の貢献に感謝する。ダッチは再びサリーのものとなり、マックディル基地には新たなB-47の編隊が飛んで来た。
以上、映画「戦略空軍命令」のあらすじと結末でした。
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