女番長(スケバン)の紹介:1973年日本映画。「スケバン」という日本語の創造者という説もある鈴木則文監督の「女番長」シリーズ第4弾。女子少年院行きの護送車から脱走した女たちが、大坂や琵琶湖で女を金儲けの道具にするヤクザたちと対決する。東映のお色気路線の二枚看板、杉本美樹、池玲子が競演。
監督:鈴木則文 出演者:杉本美樹(関東小政)、池玲子(学ラン摩耶)、太田美鈴(鈴江)、丘ナオミ(ラン子)、西来路ひろみ(桃子)、宮内洋(達夫)、荒木一郎(一郎)そのほか
映画「女番長(スケバン)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「女番長(スケバン)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「女番長(スケバン)」解説
この解説記事には映画「女番長(スケバン)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
女番長(スケバン)のネタバレあらすじ:起・ジプシー団誕生
不良少女たちを乗せて走る護送車から歌声が聞こえてくる。一人だけ歌わない、さすらい無宿の関東小政(杉本美樹)に、大阪・梅田の黒菊団の女番長の燎子(衣麻遼子)が文句をつけたことで、小政と燎子が喧嘩になるが、やはり大阪・梅田の女番長、学ラン摩耶(池玲子)が仲裁するかたちになる。それが小政と摩耶の出会いだった。
やがて峠道で燎子の妹分の運転するダンプカーからドラム缶が落とされ、護送車が停車する。燎子がダンプカーで逃走するが、この混乱に乗じて他の女たちも逃げ出す。
彼女たちの中で、護送車の中で小政の切った仁義に惚れこんだ鈴江(太田美鈴)、ラン子(丘ナオミ)、桃子(西来路ひろみ)は小政に同行することを望む。小政は自分たちのグループを「ジプシー団」と名付ける。
女番長(スケバン)のネタバレあらすじ:承・大坂
大阪の盛り場にやってきたジプシー団は中華料理店で無銭飲食を試みるが、あいにくそれは暴力団北龍会経営の店だった。ジプシー団の4人は袋だたきにされる。
しかし鳩をつかまえて焼き鳥にして売ったり、パチンコ店で置き引きをしたりで何とかやっていく。そして燎子の黒菊団や行方不明の摩耶が番長をしていた梅田学ラン会との抗争が起きる。
やがて小政は、警察に追われたときに匿ってくれたことがきっかけとなって、自称映画監督でブルーフィルムを撮影している一郎と親しくなる。
女番長(スケバン)のネタバレあらすじ:転・借りは体で返す
愚連隊・三星会のリーダー達夫は一郎の兄貴分、そして摩耶の恋人だった。かつて甲子園で投げた高校球児だったが、中学生だった摩耶が北龍会の男たちにレイプされかけた時に彼女を守って負傷し、投手としての将来を棒にふった。
その達夫が偶然、北龍会の脱税を助ける税務署長の息子から恐喝してしまい、それを咎められ今後上納金を倍額納めるように北龍会から命じられた。達夫には、北龍会の達夫への理不尽な要求に怒った摩耶が北龍会会長を刺してしまったために、北龍会に負い目があった。
一郎は達夫の力になろうと、税務署長夫人にテレビ局の人間と身分を偽って近づき、所長夫人が出演するブルーフィルムを作って税務署長から恐喝して金を作る。
一方、ジプシー団は彼らの商売を邪魔する北龍会に対して先手を打って攻撃する。北龍会の賭場を警察に通報し、混乱に乗じて賭場にあった金を持ち逃げする。しかし、北龍会は小政たちをすぐ捕まえ、小政は緊縛されて拷問を受ける。
彼女をこっそり救い出したのは、一郎に頼まれた達夫だった。北龍会の追っ手をのがれた時、小政はいきなり達夫の唇を奪い「借りは体で返す」と言い張る。ところが、護送車を出て以来行方不明になっていた摩耶が、小政と達夫がセックスを済ましたところに帰ってくる。
達夫の裏切りを知った摩耶は達夫を殴って一郎のアパートへ行く。こだわりは捨てた方がいいと一郎は言うが、摩耶はこだわり続けて生きていくのが自分の青春と悟っていた。
女番長(スケバン)の結末:裏切りまた裏切り
小政は北龍会によってトルコ風呂に売られようとしていたジプシー団の仲間と学ラン会の少女たちを、北龍会の手先である燎子のトラックから救い出す。しかし、ジプシー団に縄張りを荒らされる結果になっている学ラン会の番長として摩耶は小政に一対一の戦いを挑む。
互いに凶器を手にしたところに達夫が現れ摩耶を連れ去っていく。達夫が摩耶を連れて行った先は北龍会。再び達夫は摩耶を裏切った。北龍会会長は摩耶を殺す予定だが、その前に組員に摩耶を犯させて楽しむ。
一方、関東進出を狙う北龍会は達夫に、大阪に来た関東の大物を殺害するよう命じる。だが、達夫が仕事を果たすと今度は用済みの達夫に死ねと言う。
夜、小政は北龍会に忍び込んで摩耶を救出するが、小政に同行した桃子が撃たれて死んでしまった。摩耶は甲子園球場で達夫を発見する。達夫を刺して自分も死ぬ覚悟だったが、愛する男にとどめを刺すことはできない。
達夫は北龍会が差し向けたスナイパーが狙っているのに気づき、摩耶を守って撃たれる。ドスを投げてスナイパーを殺し、摩耶の腕の中で死ぬのだった。
北龍会が全員琵琶湖のトルコ風呂に集まるという情報を一郎が仕入れる。小政、摩耶、鈴江、ラン子は、達夫と桃子の仇をとるべくモーターボートでトルコ風呂に近づき、油断している見張りを倒し、トルコ風呂に連れてこられた娘たちを解放し、浮足立つ敵と頭脳的に戦う。摩耶が北龍会会長の腹に深々とナイフを刺した後、彼らを閉じ込めたオフィスを爆破する。
消防車、霊柩車、パトカー等を奪って、4人は日本列島万引き旅行に旅立つのだった。
以上、映画「女番長(スケバン)」のあらすじと結末でした。
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