サイレント映画一覧

「チャップリンのゴルフ狂時代」のネタバレあらすじ結末

チャップリンのゴルフ狂時代の紹介:1921年アメリカ映画。裕福な紳士と間違えられた放浪者が騒動を巻き起こすコメディ作品。保養地にやって来た放浪者チャーリーは、自由気ままにゴルフを楽しんでいた。一方、裕福で酒好きの紳士は妻エドナを放ったらかしにしてホテルで酒を呑んでいる。社会的な階級が全く違うこの2人、実は容姿だけは瓜二つ。仮装パーティーに紛れ込んだチャーリーは、夫だと勘違いしたエドナに急接近され、胸が高鳴っていた。ところがそこに本物の夫が現れ、事態は面倒なことになっていく。別題は「のらくら」。監督・脚本・主演を務めるのは、喜劇王チャールズ・チャップリン。
監督:チャールズ・チャップリン 出演者:チャールズ・チャップリン(放浪者/夫)、エドナ・パーヴィアンス(おろそかにされている妻)、ヘンリー・バーグマン(ゴルフ場で寝ている男/警官の制服姿の訪問客)、マック・スウェイン(妻の父)、ジョン・ランド(ゴルファー/訪問客)ほか

「モヒカン族の最後」のネタバレあらすじ結末

モヒカン族の最後の紹介:1920年アメリカ映画。ジェイムズ・フェニモア・クーパーの同名小説を初めて映画化。植民地戦争が激化するアメリカで、部族の存亡と愛を賭けた戦いに挑む人々を描いた無声映画の傑作。1757年、イギリスとフランスによる大規模な植民地戦争で、インディアンは存亡を迫られていた。フランス軍に加担するヒューロン族に狙われたモヒカン族は、イギリスと手を組むことにする。モヒカン族酋長の息子アンカスは、森で迷っていたイギリス軍連隊長の娘コーラ一行に出会った。共に過ごす内に、アンカスとコーラの間には人種を超えた愛が深まっていく。しかし彼らの行く先には残忍なヒューロン族が待ち構えていたのだった。
監督:モーリス・トゥールヌール 出演者:ウォーレス・ビアリー(マグア)、バーバラ・ヘッドフォード(コーラ)、ヘンリー・ウッドワード(ヘイワード少佐)、ボリス・カーロフ(インディアン)、リリアン・ホール(アリス)、ほか

「椿姫(1921年)」のネタバレあらすじ結末

椿姫の紹介:1921年アメリカ映画。小デュマが創造した『椿姫』が現代を生きたら?パリの高級娼婦と青年の悲恋物語を原作の1840年代から1920年代に時代を移しての映画化。ナジモヴァはロシア帝国に生まれ、ロシアの演劇界やブロードウェイで成功した後、サイレント時代のアメリカ映画で、スターであるのみならず、多分野で映画に関わる。本作でも製作者を兼ねている。マルグリットのアパート等の大胆なセットをデザインしたナターシャ・ランボヴァと結婚することになるヴァレンティノは、この映画の5年後、若すぎる死で女性ファンを悲嘆にくれさせる。
監督:レイ・C・スモールウッド 出演者:アラ・ナジモヴァ(マルグリット・ゴーティエ)、ルドルフ・ヴァレンティノ(アルマン・デュヴァル)、レックス・チェリーマン(ガストン)、アーサー・ホイト(ヴァルヴィル伯爵)、ゼフィ・ティルベリー(プリュダンス)、パッツィ・ルース・ミラー(ニシェット)そのほか

「夜ごとの夢」のネタバレあらすじ結末

夜ごとの夢の紹介:1933年日本映画。伝説の女優、栗島すみ子主演、成瀬巳喜男監督作品。当時、おなじ松竹蒲田撮影所でメガホンをとっていた小津安二郎監督の初期作品と酷似したテーマ、作風に仕上がっています。小津とおなじ撮影所で働いていたことは、成瀬を語るうえでは欠かせません。成瀬はのちに東宝の前身である映画会社PCLに移籍しますが、移籍の経緯はともかく、この映画を観る限り小津の影響は小さくありません。松竹蒲田の若き才能が小津の向こうを張る意気込みによって芽吹いています。
監督: 成瀬巳喜男 出演者:栗島すみ子(おみつ)、小島照子(子・文坊)、齋藤達雄(男)、新井淳(隣の人)、吉川満子(その妻)、坂本武(船長)、大山健二(船員)、小倉繁(船員)、飯田蝶子(女将)、沢蘭子(おみつの友達)ほか

「キートンの蒸気船」のネタバレあらすじ結末

キートンの蒸気船の紹介:1928年アメリカ映画。喜劇王キートンが自分の製作会社で作った最後の長編サイレント喜劇(本作の後MGMと契約)。蒸気船船長の父のもとに、都会から一人息子ウィリーがやって来るが、船員としては使い物になりそうにない。おまけに商売敵の娘と恋仲だった。暴風雨の描写が圧倒的。風に立ち向かうキートン。日本初公開時の邦題は『キートンの船長』
監督:チャールズ・F・ライスナー、バスター・キートン 出演者:バスター・キートン(ウィリアム・カンフィールド・ジュニア[ウィリー])、アーネスト・トレンス(ウィリアム・カンフィールド[スチームボート・ビル])、マリオン・バイロン(キティ・キング)、トム・マグガイア(ジョン・ジェイムズ・キング)、トム・ルイス(トム・カーター)、ほか

「狂った一頁」のネタバレあらすじ結末

狂った一頁(くるったいっぺーじ)の紹介:1926年日本映画。衣笠貞之助が川端康成、横光利一らの協力を得て製作した無字幕のサイレント映画。様々な技法を駆使した日本初のアヴァンギャルド映画である。フィルムは火災によって消失したとされてきたが、1971年衣笠の自宅から偶然発見された。オリジナル版は上映時間70分だったが、現存するニュー・サウンド版は衣笠自らの手によって再編集され、59分に短縮されている。自分の虐待が原因で狂ってしまった妻を見守るため、彼女が入院している精神病院に小使として勤める老人。院内は狂人で溢れ、狂気の世界が繰り広げられる。ある日、夫妻の娘が結婚の報告をしにやって来るのだが。
監督:衣笠貞之助 出演:井上正夫(小使)、中川芳江(妻)、飯島綾子(娘)、根本弘(青年)、関操(医師)ほか

「雄呂血」のネタバレあらすじ結末

雄呂血の紹介:1925年日本映画。久利富平三郎こと坂東妻三郎が、堪えに堪えたあげく、最後に刀を振りかざして、敵役を叩き斬る凄まじいラストシーンが用意されています。並みの芸当ではない坂妻の殺陣と運動能力がこの映画の迫力を生み出していますが、のちのチャンバラ時代劇に大きな影響を与えたと言われる殺陣シーンもさることながら、誤解と曲解から道を逸れていく男の哀しい横顔を映して阪東妻三郎の名演が光ります。
監督: 二川 文太郎 出演者:阪東妻三郎(久利富平三郎)、(漢学者・松澄永山)、環歌子(娘・奈美江)、春路謙作(夫・江崎真之丞)、山村桃太郎(浪岡真八郎)、 中村琴之助(二十日鼠の幸吉)、嵐しげ代(にらみの猫八)、安田善一郎(うすばかの三太)、森静子(お千代)ほか

「スージーの真心」のネタバレあらすじ結末

スージーの真心の紹介:1919年アメリカ映画。紆余曲折を経て結ばれる幼馴染の恋物語を描いたコメディ作品。純真な少女スージーは、幼馴染のウィリアムを心から愛していた。経済的な理由で進学出来ない彼のため、スージーは匿名で学費の援助を行う。スージーがあらゆるものを犠牲にしたとは露知らず、ウィリアムは学業に励み、牧師となって帰郷した。喜ぶスージーだったが、ウィリアムは別の女性に惹かれ結婚してしまう。監督は「映画の父」と謳われるG・W・グリフィス。
監督:D・W・グリフィス 出演者:リリアン・ギッシュ(スージー)、ロバート・ハロン(ウィリアム・ジェンキンス)、クラリン・シーモア(ベッティーナ・ホプキンス)、ロヨラ・オコナー(スージーの叔母)、レイモンド・キャノン(スポーティー・マローン)ほか

「聖山」のネタバレあらすじ結末

聖山の紹介:1926年ドイツ映画。同じ女性を愛してしまった二人の山男の悲劇。実写撮影された絶壁の山が美しく、スキー競技のシーンも興味深い。監督はドイツ山岳映画の第一人者で、後に日独合作映画『新しき土』のドイツ側監督も手掛けることになるアルノルト・ファンク。近年では、ファンクの「マローヤのヘビ」についてのドキュメンタリー映画が『アクトレス~女たちの舞台~』で引用されている。ヒロインに抜擢されたダンサーのレニ・リーフェンシュタールはこの後ナチス党大会の記録映画『意志の勝利』やベルリンオリンピック記録映画の監督として才能を発揮し名声(あるいは悪名)を勝ち得ることになる。
監督:アルノルト・ファンク 出演者:レニ・リーフェンシュタール(ディオティマ)、ルイス・トレンカー(友達)、エルンスト・ペーターゼン(ヴィゴ)、フリーダ・リヒャルト(友達の母)、フリートリヒ・シュナイダー(コリ)、ハンネス・シュナイダー(山岳ガイド)ほか

「東京の合唱」のネタバレあらすじ結末

東京の合唱(コーラス)の紹介:1931年日本映画。いまでは昭和恐慌と呼ばれている時代、岡島伸二は勤めていた会社を解雇されます。妻と三人の子供を養っていかなければならない中で、再就職先がなかなか見つかりません。その後、中学時代の恩師に出会い洋食屋を手伝うことになりますが・・・。主演にはサイレント時代の二枚目スター岡田時彦。その妻に同じく人気女優の八雲恵美子。長女にはのちの昭和の大女優高峰秀子が子役として加わります。第8回キネマ旬報ベストテン第3位。監督小津安二郎28歳の作品です。
監督:小津安二郎 出演者:岡田時彦(岡島伸二)、八雲恵美子(妻・すが子)、菅原秀雄(長男)、高峰秀子(長女・美代子)、斎藤達雄(大村先生)、飯田蝶子(先生の妻)、坂本武(年配の社員・山田)ほか

「瀧の白糸(1933年)」のネタバレあらすじ結末

瀧の白糸の紹介:1933年日本映画。北陸一の美人と謳われる水芸の太夫・滝の白糸は、向学の念を抱く青年・村越欣也と結ばれます。士官の道を志す欣也を東京へ送り、仕送りを続ける白糸に、浮世は辛く哀しい運命を突きつけてきます。製作は入江たか子プロダクション。監督は、名匠・溝口健二。昭和2年『キネマ旬報』ベストテン第2位。日本の映画史に残るサイレント映画の傑作です。
監督:溝口健二 出演者:入江たか子(滝の白糸:水島友)、岡田時彦(村越欣弥)、村田宏寿(南京出刃打)、菅井一郎(岩淵剛蔵)、浦辺粂子(銀子)、滝 鈴子(撫子)ほか

「白い花びら」のネタバレあらすじ結末

白い花びらの紹介:1998年フィンランド映画。フィンランドの国民的作家ユハニ・アホの小説を映画化。仲睦まじい夫婦の幸福が壊れていく様を、モノクロのサイレント映画で描くドラマ作品。田舎でキャベツを育てながら暮らすユハとマルヤの夫婦は、平凡な毎日を目一杯幸せに生きていた。そんなある日、都会に住む洗練された男シェメイッカが現れマルヤを誘惑する。彼に夢中になってしまったマルヤはその手を取り、ユハを捨てて街へ出た。夢見心地のマルヤだったが、思わぬ裏切りが彼女を待ち受けていた。
監督:アキ・カウリスマキ 出演者:サカリ・クオスマネン(ユハ)、カティ・オウティネン(マルヤ)、アンドレ・ウィルム(シェメイッカ)、エスコ・ニッカリ(警察署長)、エリナ・サロ(シェメイッカの姉)ほか

「チャップリンの黄金狂時代」のネタバレあらすじ結末

チャップリンの黄金狂時代の紹介:1925年アメリカ映画。伝説の喜劇王チャールズ・チャップリンが監督・脚本・製作・編集・音楽・主演を務めた喜劇映画の珠玉の傑作です。ゴールドラッシュに沸く極寒のアラスカを舞台に、貧しく孤独な放浪者が欲望に駆られた者たちと渡り合いながら富と愛を手に入れる家庭をユーモアたっぷりに描きます。
監督:チャールズ・チャップリン 出演者:チャールズ・チャップリン(チャーリー)、ジョージア・ヘイル(ジョージア)、マック・スウェイン(ビッグ・ジム・マッケイ)、トム・マレイ(ブラック・ラーセン)、ヘンリー・バーグマン(ハンク・カーティス)、マルコム・ウエイト(ジャック・キャメロン)、スタンリー・J・サンフォード(バーテンダー)ほか

「散り行く花」のネタバレあらすじ結末

散り行く花の紹介:1919年アメリカ映画。トーマス・バークの短編小説「中国人と子供」を映画化。無垢な少女と中国人青年の美しくも儚い恋を描いたサイレント映画。仏教を広めるため渡英した中国人青年チェン・ハンは、挫折を味わい中国人街で阿片を吸う生活を送っていた。そんな折、彼は美しい少女ルーシーに恋をする。ルーシーは父バトリングから凄絶な虐待を受けており、笑うことすら出来なくなっていた。チェンは家から逃げ出したルーシーを匿い、2人は心を通わせる。しかし居所がバトリングにばれてしまい、ルーシーは連れ戻されてしまうのだった。
監督:D・W・グリフィス 出演者:リリアン・ギッシュ(ルーシー)、リチャード・バーセルメス(チェン・ハン(イエローマン))、ドナルド・クリスプ(バトリング・バロウズ)、アーサー・ハワード(バトリング・バロウズのマネージャー)、エドワード・ペイル・シニア(イーヴィル・アイ)ほか

「鞍馬天狗(1928年)」のネタバレあらすじ結末

鞍馬天狗の紹介:1928年日本映画。昭和2年(1927年)公開の『鞍馬天狗・角兵衛獅子』でマキノプロダクションから映画デビューした嵐長三郎。翌年には芸名を嵐寛寿郎に変え、自身のプロダクション第一回作品として本作『鞍馬天狗』を発表しました。アラカンの愛称で親しまれた嵐寛寿郎は、生前46本の「鞍馬天狗もの」に主演しています。「アラカンといえば鞍馬天狗」と言われるほど世に知れ渡った代表作でしたが、原作者の大佛次郎とアラカンとの関係は決して良好なものではありませんでした。大衆時代劇のヒーローらしく、覆面の侍が敵をバッタバッタと斬り殺す描写は、アラカン自らが編み出した演出です。しかし、原作にはないヒーロー像が原作者の目には「おもしろくなく」、映画関係者を巻き込んだ確執につながったようです。とはいえ、本作はその波に巻き込まれるまだ以前、覆面のない鞍馬天狗が見られる貴重な作品となっています。
監督: 山口哲平 出演者:出演者:嵐寛寿郎(鞍馬天狗)、中村竹三郎(桂小五郎)、嵐橘右ヱ門(黒姫の吉兵衛)、尾上松緑(隼の長七)、生駒栄子(お露)、嵐佳一(杉作)秋吉薫(佐々木唯三郎)、山本礼三郎(近藤勇)、五味国枝(暗闇のお兼)、市川小文治(西郷吉之助)ほか

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