帝都物語の紹介:1988年日本映画。帝都東京を滅ぼすために平将門の霊を呼びさまそうとする加藤保憲と、それを阻止しようとする実在の著名人たちとの戦いを描いたファンタジーフィクション。昭和の森に銀座から新橋方面のオープンセットを作って撮影された、豪華キャストが揃う絵巻物のような作品。
監督:実相寺昭雄 出演者:平幹二朗(平井保昌)、勝新太郎(渋沢栄一)、高橋幸治(幸田露伴)嶋田久作(加藤保憲)、原田美枝子(目方恵子)、石田純一(辰宮洋一郎)姿春香(辰宮由佳理)、山本清美(辰宮雪子)、坂東玉三郎(泉鏡花)、寺泉憲(寺田虎彦)、ほか
映画「帝都物語」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「帝都物語」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
帝都物語の予告編 動画
映画「帝都物語」解説
この解説記事には映画「帝都物語」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
帝都物語のネタバレあらすじ:起
明治45年、土御門家の陰陽師・平井保昌が渋沢栄一に、霊的な改造をしなければ帝都東京が滅びてしまうと忠告していました。
ある日、加藤保憲という軍人が、平将門の末裔である辰宮由佳理を連れ去ります。加藤は由佳理を使って帝都滅亡を画策していたのですが、将門の霊や平井の式神を見て撤退しました。
渋沢・工藤・寺田らは各々帝都東京の未来について考えていましたが、明治天皇が崩御して時代は変わります。
そんな頃、平井は命を懸けて加藤の帝都破壊の時期を占いますが、加藤は平井を殺し血の文字を残して中国大連へ渡ったのでした。
帝都物語のネタバレあらすじ:承
平井が予言をした大正12年。寺田は地震を予知しており、加藤は大連で準備を進めています。そして加藤は結界を張った帝都に侵入し、幸田の前に現れたのでした。
幸田は土御門から譲り受けた秘伝書の陣形を使いますが、加藤には通用せず幸田を殺そうとします。しかし再び将門の霊が「我が墓を犯すな」と言い、幸田の命は助かったのです。
関東大震災が起こり帝都は火の海に包まれる中、将門の霊が目覚めないのはなぜだと問う加藤の姿があったのでした。
将門を目覚めさせないという使命を担った巫女の恵子は、ある時将門からの啓示を受けます。そして恵子が占うと、由佳理は守護すべき人で、加藤は宿敵だと示されていました。
帝都物語のネタバレあらすじ:転
昭和2年、地下鉄工事は進んでいましたが、工事現場で式神たちが暴れるという問題も起きていました。
一方、恵子は由佳理の兄である辰宮洋一郎の元へ嫁いでおり、神田明神で占いをしていた泉鏡花から、観音力があると言われます。そして加藤が再び現れ、今度は由佳理の娘である雪子をさらって行ってしまいました。
恵子は雪子を取り戻そうとしますが、加藤は雪子と共に姿を消してしまいます。加藤と戦おうとしない洋一郎に将門を目覚めさせる力があると見抜いていた恵子は、洋一郎に必ず戻ると約束して、加藤と戦うために家を出て行ったのでした。
帝都物語の結末
加藤は雪子が自分の子供だと思っていましたが、そうではなく、もっと霊力の強い何者かの子供だということに気付きます。雪子が取り込まれてしまった将門の首塚の前では、洋一郎が身を呈して将門の霊を鎮めようとしています。
そして由佳理も兄に駆け寄り、二人一緒に首塚に取り込まれてしまうのですが、その時、加藤も倒れてしまうのでした。しかし加藤は再び立ち上がり、恵子の前に立つのですが、恵子は加藤に最後のとどめを刺します。
その時、加藤は「俺を憎め。その憎しみが俺を動かすのだ」と言い、加藤も恵子も姿を消しました。そして帝都は復興し、めざましい発展を続けています。
そんななか、神田明神のお祭りで、洋一郎は恵子を見かけたような気がします。また、鏡花の傍らを加藤によく似た軍人が通り過ぎるのでした。
以上、映画「帝都物語」のあらすじと結末でした。
渋沢栄一役の勝新太郎さんは生前、日常生活では三枚目というべき人柄だったのですが、この映画では二枚目としての演技力が遺憾無く発揮されていました。オカルト色が強くて理屈では紐解くことが難しい内容でしたが、勝新太郎さんの心のこもった演技にいたく感動しました。