マーク・トゥエインの大冒険/トム・ソーヤーとハックルベリーの不思議な旅の紹介:1985年アメリカ映画。アメリカを代表する作家マーク・トゥエイン(マーク・トウェイン)と、『トム・ソーヤーの冒険』に登場する少年少女がハレー彗星を目指して旅をするアドベンチャー作品。退屈な毎日を送る少年トム・ソーヤーとその友人ハックルベリーは、ハレー彗星の噂を聞いてセントルイスにやって来た。作家マーク・トゥエインがハレー彗星を目指して旅立つと知った2人は、彼の飛行船に密航する。同級生のベッキーも加わり、ハレー彗星に会いに行く4人。トゥエインは言葉と物語を通じて、トム達に愛や死、人生について語っていくのだった。監督を務めるのは、クレイ・アニメーションの巨匠ウィル・ヴィントン。別題は「アドベンチャー・オブ・マークトゥエイン」。
監督:ウィル・ヴィントン 声優:ジェームズ・ホイットモア(マーク・トゥエイン)、クリス・リッチー(トム・ソーヤー)、ゲイリー・クルーグ(ハック・フィン)、ミシェル・マリアナ(ベッキー・サッチャー)ほか
映画「マーク・トゥエインの大冒険」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マーク・トゥエインの大冒険」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マーク・トゥエインの大冒険の予告編 動画
映画「マーク・トゥエインの大冒険」解説
この解説記事には映画「マーク・トゥエインの大冒険」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マークトゥエインの大冒険 トム・ソーヤーとハックルベリーの不思議な旅のネタバレあらすじ:冒険の始まり
舞台は1910年のアメリカ。冒険好きで有名になることを夢見る少年トム・ソーヤーは、友人ハック・フィン(ハックルベリー・フィン)を連れてセントルイスにやってきました。町は75年ぶりに接近するハレー彗星に大賑わいです。そのハレー彗星に会いに行くため、作家のマーク・トゥエインが飛行船を飛ばそうとしていました。
彼は前回ハレー彗星が現れた1835年に生まれたので、共にこの世を去りたいと考えていたのです。空の冒険を目論むトムは、ハックと一緒にこっそり飛行船に乗り込みました。それを目撃した同級生のベッキー・サッチャーもついて来ます。しかし飛行船が離陸すると、もう帰れないのではないかという不安が頭をよぎってきました。
トゥエインは子ども達の密航を予見していたかのように、あっさり飛行船の仲間として迎え入れます。彼は自分が作家になったきっかけの物語について話し始めました。
とある村にスマイリーという賭け事が大好きな男がいて、カエルに芸を仕込んでいました。3か月後、特訓の甲斐あってカエルは大ジャンプを習得します。スマイリーは通りすがりのよそ者に声をかけ、自分のカエルと男のカエル、どちらが先にレースでゴールするか賭けました。自信満々のスマイリーでしたが、何故かカエルは一歩も動けず負けてしまいます。実は、スマイリーの目を盗んでよそ者がカエルにたらふく食べさせていたのです。スマイリーは必死によそ者を追いかけましたが、彼は金を持って姿を消していました。
マークトゥエインの大冒険 トム・ソーヤーとハックルベリーの不思議な旅のネタバレあらすじ:物語のドア
トゥエインの話が終わる頃には、空は夕焼けに染まっていました。トム達が船室に降りると、「マーク・トゥエイン全集の世界」とアナウンスがあります。壁に目次があり、好きな作品のドアを選べるようになっていました。図書館にはトゥエインが作ったアダムとイヴが座っています。トゥエインは彼らの物語を聞かせるため、『アダムとイヴの日記』を開きました。
――物語は世界初の誕生パーティーにまで遡ります。エデンの園に生まれたアダムは、色々なことを日記に書き留めていました。ある日全く同じことをしている女性、イヴと出会います。アダムは好奇心旺盛なイヴから逃げ回り、イヴはアダムと仲良くなろうと空回りしていました。イヴは周りのものに名前をつけ、動物達とも仲良くなります。どんどん賢くなる彼女のもとにヘビが現れました。アダムは禁断のリンゴの木にだけは近付くなと忠告します。あれはこの世に死をもたらすものだからと。しかしイヴは死を歓迎し、動物達と協力してついにリンゴを食べてしまいました。雷が鳴り響き、「もう終わりだ」と神の声がします。楽園は変貌し、地獄の嵐が吹き荒れました。――
トゥエインがそこまで話した時、飛行船が大きく揺れ始めます。嵐の中に入ったのです。未熟なトム達はトゥエインの指示のもと精一杯働き、飛行船は何とかピンチを脱しました。そんな中、トムとハックは人影に気付きます。どうやらこの飛行船には、もう1人謎の人物が乗っているようです。
マークトゥエインの大冒険 トム・ソーヤーとハックルベリーの不思議な旅のネタバレあらすじ:死の世界
疲れ果てた子ども達が船内に戻ると、黒いスーツを着たトゥエインが現れました。彼はどこか陰鬱な調子で、『不思議な少年』のドアを開きます。そこにはサタンという名の天使がいて、トム達を促し粘土で人形を作らせました。サタンが命を吹き込むと人形達は動き出しますが、1頭の牛を巡って争い始めます。
サタンはみるみる険しい顔になり、人間は価値が無いごうつくばりな生き物だと言って全て殺してしまいました。恐ろしくなったトム達は慌てて逃げ出します。トゥエインに抗議すると、自分は夜になると気が変になるのだと言ってふらりといなくなりました。トムはこの飛行船をハイジャックすると宣言します。これで有名になれると喜ぶトムと、不安を感じるハックとベッキー。
翌日、トム達は「マーク・トゥエインの覚え書き」のドアをくぐり、次こそ洪水によって人類を滅ぼすと叫んでいるトゥエインを見つけます。トム達は居眠りを始めたトゥエインを縛り上げ、屋上デッキに向かいました。しかしそこには平然と舵を取るトゥエインの姿が。あれは彼の「作家」という一部分に過ぎないのです。
トゥエインは機械を使い、天国を目指して旅するストームフィールド船長を紹介しました。ストームフィールド船長はエイリアンの天国に紛れ込み、人間は自分に合った天国に行くのが一番だと知って別の天国を探します。やっとたどり着いた想像通りの天国では、異様な静寂が求められました。
マークトゥエインの大冒険 トム・ソーヤーとハックルベリーの不思議な旅のネタバレあらすじ:愛の物語
飛行船は旅を続け、スフィンクスの鼻先までやってきました。上昇するには6時まで待たなければいけません。トムは飛行船を乗っ取るため、6時きっかりに中央動力盤を壊す仕掛けを作りました。3人は上手く時間を稼ぐため、トゥエインにアダムとイヴの話を続けてくれとせがみます。
――楽園から逃げたアダムは、落ち着くところを見つけしばらく平和に暮らしていました。そこにリンゴを持ったイヴが現れます。食べるものに困っていたアダムはありがたくリンゴを食べ、2人は一緒に暮らし始めました。やがて2人は子宝に恵まれ、穏やかに年を取っていきます。並んで座って日記をつけながら、願うことは2人一緒に天に召されること。イヴは、楽園は消えたけれどアダムと出会えてとても幸せだと書きました。そしてイヴが先に亡くなり、1人になったアダムは日記を書き続けます。イヴがいるところが、自分にとってのエデンの園だと。――
語り終えたトゥエインは、亡き妻に思いを馳せます。ハレー彗星に会いに行く本当の理由は、楽園で待つ妻と再会するためだったのです。
マークトゥエインの大冒険 トム・ソーヤーとハックルベリーの不思議な旅の結末:謎の人物の正体
ハレー彗星に着き次第、飛行船を譲ると言われるトム達。その時ちょうど6時になりました。トムの仕掛けが発動し、動力盤が壊れてしまいます。外にある非常動力ボタンを押さなければ全員木っ端微塵だと叫ぶトゥエイン。唯一の脱出口である小さな窓から出られそうなのは、トムが連れて来たカエルのホーマーくらいです。
トムはホーマーにジャンプさせ、ボタンを押させようとしました。しかし上手くいきません。もう駄目かと思った時、ホーマーのそばに謎の人物が現れました。驚いたホーマーは後退りしてボタンを押し、飛行船は救われます。
そこについにハレー彗星が現れました。4人が力を合わせて飛行船を操縦し、ついにハレー彗星に追いつきます。大喜びしていると、そこに黒いスーツのトゥエインが現れました。飛行船に潜んでいた謎の人物は、トゥエインその人だったのです。彼はトゥエインの暗い方の一面で、人に見せていない部分でした。
2人のトゥエインはひとつになり、光り輝いて消えていきます。エデンの園に帰るハレー彗星からトゥエインが語りかけたのは、人間の最大の武器は「笑い」ということでした。飛行船はハレー彗星から弾き飛ばされ、地球に向かって進み始めます。
トムとハックはトゥエインの冒険譚を書くことにしました。『マーク・トゥエインの冒険』と題した物語が綴られ始め、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「マーク・トゥエインの大冒険/トム・ソーヤーとハックルベリーの不思議な旅」のあらすじと結末でした。
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