アビエイターの紹介:2004年アメリカ映画。アメリカの大富豪であるハワード・ヒューズの半生を描いた作品。華やかな生活の裏に隠された、ハワードの心の闇に迫っています。第62回ゴールデン・グローブ賞受賞作。
監督:マーティン・スコセッシ 出演者:レオナルド・ディカプリオ(ハワード)、ケイト・ブランシェット(キャサリン・ヘップバーン)、ケイト・ヴェッキンセイル(エヴァ・ガードナー)、ジュード・ロウ(エロール)ほか
映画「アビエイター」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アビエイター」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「アビエイター」解説
この解説記事には映画「アビエイター」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アビエイターのネタバレあらすじ:ハリウッドセレブとしての華やかな生活
両親の莫大な遺産を受け継ぎ、大富豪となったハワードは、夢だった映画製作に打ち込み、「地獄の天使」という飛行機映画を製作します。「地獄の天使」は、映画史上でも最大の製作費を使ったもので、ハワードの華やかな生活は、マスコミに連日取り上げられ、ハワードはハリウッドセレブとして、時の人となります。そんな中、ハワードは、ハリウッド女優のキャサリン・ヘップバーンと恋に落ちます。
アビエイターのネタバレあらすじ:航空界のパイオニアに
飛行機好きのハワードは、飛行機での最速新記録を塗り替え、マスコミにも航空界のパイオニアともてはやされます。ハワードはついに、大手航空会社であるTWAを買収します。ハワードは、軍が求めるような大型飛行機「ハーキュリーズ」の製作を構想します。航空関連の仕事、映画の仕事などに大忙しのハワードは、ハリウッド女優と浮名を流し、私生活もゴシップだらけです。そんなハワードに、キャサリンも愛想を尽かし、2人は別れます。
アビエイターのネタバレあらすじ:栄光の陰り
キャサリンと別れた後も、ハワードの恋愛はゴシップ続きです。ある日、自分がデザインした飛行機のテスト飛行をしていたハワードでしたが、飛行機のエンジンの異常により、飛行機が墜落します。ハワードは重症を負いますが、何とか一命を取り留めます。飛行機の墜落がきっかけで、軍事契約での汚職を疑われたハワードは、窮地に追い込まれます。TWAは、買収の危機にさらされ、ハワードは精神的にも追いつめられていきます。
アビエイターの結末:夢の実現
この頃から、ハワードの奇行は、より激しさを増していきます。しかし、汚職に関する公聴会で、力強い演説をしたハワードは、一転して裁判で有利に立ちます。裁判を終え、ついに、大型飛行機ハーキュリーの開発に成功したハワードは、無事にテスト飛行を終えることに成功します。ハワードの幼い頃からの夢はついに実現したのでした。
20世紀の伝説という点ではハワード・ヒューズ氏の名前が挙げられることが多いでしょうね。私も映画を観るまでは気紛れな大富豪というイメージくらいしか持っていませんでした。ヒューズ氏の魅力としては飛び抜けて大きなことにこだわり続けたことも挙げられますよね。本作でも触れられましたがH4ハーキュリーズという常識外れの大きさの超大型飛行艇にこだわり続けたということがその良い例でしょう。第二次世界大戦の中期までドイツのUボートは連合国側にとって大きな脅威でしたが、海のはるか上を大量の兵士と物資を輸送させることで戦局を挽回するという途方もない夢にヒューズ氏は大きな賭けしたのです。残念ながらこの夢は遂げられずに終わったばかりか、財政面でも政局の紛争という予想もしなかった点でもヒューズ氏を窮地に立たせたのです。それでもH4はなんとか試験飛行には成功はするものの、全くの無用の長物に終わったことには変わりはありませんでした。その他にも興行的には全く成功する見込みの無い超大作映画『地獄の天使』にこだわったことや自身の航空事業の集大成であるTWAへの執着など、常人には理解し難い奇行のよう思えることも多く見られました。これには作中で登場する革新的な飛行機を自ら操縦して事故にあい、負傷したことも理由に含まれるかもしれませんが。とにかく型破りな生き方ができたのも両親が遺してくれた莫大な財産によるものでしたけれど、それを加味せずともやはり羨ましい点が多いです。美女達や豪華な生活はともかく凡人には決してできないような発想の数々を成否は抜きにしても実現できたのですからね。彼の異常なまでの潔癖症もどこかで精神の歪がもたらしたものなのかと覆わされました。これもL.ディカプリオの演技力の賜物です。H.フォードやB.ピットも適役でしょうけれど、抑圧された人格という点をディカプリオは演じ切っていましたから。流石でした。