ビッグ・リボウスキの紹介:1998年アメリカ映画。大富豪リボウスキと同じ名前だったばかりに、次から次へと面倒事に巻き込まれるデュード。金、女、暴力、ハードボイルドに見せかけた、巻き込まれ系コメディ。
監督:ジョエル・コーエン 俳優:ジェフ・ブリッジス、ジョン・グッドマン、ジュリアン・ムーア、スティーブ・ブシェミ、ジョン・タトゥーロ、デビッド・シューリスほか
映画「ビッグ・リボウスキ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ビッグ・リボウスキ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ビッグ・リボウスキ」解説
この解説記事には映画「ビッグ・リボウスキ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ビッグ・リボウスキのネタバレあらすじ:事件はある夜突然に
ある日デュードが帰宅すると二人の暴漢に「おまえの女房が借りた金を返せ」と襲われた挙句、マットを台無しにされてしまう。しかし、彼は独り者、もちろん奥さんもいない。ボーリング仲間のウォルターに話すと、同じ名前のリボウスキを探すようにアドバイスされる。果たしてもう一人のリボウスキ氏は慈善財団を持つほどの大富豪で、妻にはじゅうぶんな小使いを与えているから問題ないと取り付く島もない。秘書に案内されてリボウスキ氏の家からマットをくすね帰る折、バルコニーで彼の妻バニーに出会う。数日後、今度はリボウスキ氏から妻が誘拐されたので、身代金を身体の不自由な自分の代わりに渡してくるように頼まれる。現金の入ったブリーフケースと携帯電話を渡された後、ウォルターと合流すると、なぜか彼は大きな鞄を持っていて、ブリーフケースの変わりにこれを渡し、人質を解放させ100万ドルは自分たちがもらってしまおうという計画を立てる。犯人の指示に鞄と一緒に用心のために持ってきた銃も落とし暴発してしまい、こちらが丸腰でないと知った犯人たちとは人質のやり取りは出来なかった。
ビッグ・リボウスキのネタバレあらすじ:リボウスキの娘、モード登場
ウォルターは、誘拐事件はお金に困ったバニー本人の狂言誘拐ではないかと言い出すが、デュードはそう思えない。とにかくリボウスキ氏にはお金は無事に渡したと報告しようと相談しながらボーリング場から出ると、お金の入ったブリーフケースを乗せたままのデュードの車は盗まれていた。警察に届けるがお金の事は言えずにいると、今度はリボウスキ氏の娘モードから呼び出される。画家の彼女はリボウスキの財産は母の遺産で勝手に父が引き出したとご立腹、そのお金を取り戻すように命令する。彼女の家から帰ると、止まっていたリムジンに引きずり込まれ、ご立腹のリボウスキ氏と対面する。デュードは狂言誘拐の可能性を話すが、リボウスキ氏に手渡された封筒からは切断されたマニキュアのついた指が出てきた。ウォルターはマニキュアなら他の女の指でも出来ると取り合わない。その夜、お風呂に入っていると警察から留守番電話に警察から車が見つかったと連絡が入る。ほっとしているのもつかの間、今度は三人の暴漢が彼の家に入ってきて再び金を出せと迫る。翌日、車を取りに行くと、お金の入ったブリーフケースは消えていた。
ビッグ・リボウスキのネタバレあらすじ:次なる手がかりは赤ペンまみれの宿題?
デュードは再びモードの元に呼び出される。モードは後妻のバニーは狂言誘拐だといって引かない。そして、以前会った時に紹介した医者の所に行くように迫る。医者の下を訪ねると、顎の傷を見てもらうはずなのになぜか下着を下ろすように再三要求される。その帰り、尾行する車に注意しながら走っていると、煙草をシートに落としてしまい火を消そうとしてハンドル操作を誤って立ち往生してしまう。そこで、自分の座っていたシートに挟まっていた、ラリー・セラーズという少年の宿題を見つける。ウォルターが調べると彼は有名な脚本家の息子だった。ブリーフケースをうばったのは彼だと踏んで、家を訪れると新しい赤いコルベットを見つける。デュードとウォルターは奪ったお金で買ったのだと思いこむ。ところでラリー・セラーズはD判定の宿題を見せてもだんまり。そこでウォルターはコルベットをバールで滅茶苦茶に壊す。すると、その車は実はラリーの隣の家のもので、激怒した隣人にデュードの車もぼこぼこにされてしまう。
ビッグ・リボウスキのネタバレあらすじ:トリホーンの家へ、バニー・リボウスキの正体
再び間違えて彼を襲った二人組みがやってきて、今度はトリホーンの家へ直々連れて行かれる。そこで渡されたカクテルを飲みながら、お金はラリー・セラーズが持っているという情報と引きかえに謝礼金をもらおうという所で、薬の混ぜられていたカクテルのせいでデュードは意識が飛び、気がつくと警察車両そして警察へ。警察が言うにはトリホーンの家から酔っ払って追い出されたらしい。警察は地域の名士トリホーンの味方、デュードの言い分は聞いてくれぬまま追い出されてしまう。家に辿りつくと荒れ果てた家の中でモードが待っていた。モードはデュードと寝るが子供が欲しいがだけで、パートナーになることに関心のない人間としてデュードを選んだのだった。ところで、彼を尾行していた車はダ・フィーノという私立探偵でバニー、本名フォーン・クヌートンが一年ほど行方不明で両親から捜索を頼まれていると言う。誘拐された妻自体がいわくつきだと判明。
ビッグ・リボウスキの結末:再びリボウスキの家へ
デュードは元からブリーフケースにお金は入っておらず、妻を体よく消すために自分を使ったのではと疑い、リボウスキ氏の家を訪れると、彼の家にはすでにバニーが戻っていた。結局ブリーフケースの行方は知れずじまい。ボーリング三昧の日々に戻ろうとするデュード、ウォルター、ドニーだったが、ボーリング場から出ると、デュードを襲った三人組が車に火をつけて待っていた。兵隊上がりのウォルターが活躍するが、ドニーが撃たれて死んでしまう。彼の遺灰を太平洋に散骨し、今度こそ元の生活に戻る。デュードは死なないという言葉を残して。
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ビッグ・リボウスキについて:象徴的に出てくる遊び心
誘拐事件、行方不明になる身代金、リボウスキを巡る人々、デュードを襲う困難が出てくるが、切迫した印象を受けないのはデュードのうだつの上がらないダメ男ぶりもあるだろが、ところどころに配された、劇中劇ともいえるようなユーモラスなシーンのためだろう。デュードが見ているであろう夢のシーンやミュージカル仕立てになっているデュードの酩酊状態のシーン、管理人のダンス発表会のシーンは話に直接関係ないけれど、ほっと一息つきつつ笑えてしまう。項目だけ挙げると酒と女と事件、いわゆるハードボイルドなのだが、元を辿ると、お金や女が欲しいわけではなくデュードは玄関マットの弁償をしてほしいだけ。時々出てくるナレーションのカウボーイハットの人の言うとおり、これは紛れもなくヒューマンコメディ。ナレーターが主人公と話をするシーンがあるのだが、本来物語の外にいるはずのナレーションが物語の画面の中にいるのもまた見ている側としてはおもしろい。
何回も見返したくなる名作。本国ではカルト的人気を誇る。ジェフブリッジス演じる「デュード」を神様とあがめる会や、キャスト全員のコスプレをして集まるファンミーティングがあったりと、マニア心をくすぐる、名キャラクターばかり。最後の遺骨のくだりは忘れられない!