バタフライ・エフェクトの紹介:2004年アメリカ映画。蝶が羽ばたくような小さな変化で、その後の状態が大きく変わっていくという「バタフライ・エフェクト」呼ばれるカオス理論の一つをモチーフに、一人の男性が大切な人を守るために自分の過去を(つまり周りの人々の過去も)変えようとするSF映画である。公開してもなお多くの高評価を得る作品で、特に練り上げられたストーリーに称賛の声が上がっているが、監督のエリック・ブレスとJ.マッキー・グラバーが共同で脚本も担当している。
監督:エリック・ブレス、J.マッキー・グラバー 出演者:アシュトン・カッチャー(エヴァン)、エイミー・スマート(ケイリー)、ウィリアム・リー・スコット(トミー)、エルデン・ヘンソン(レニー)、メローラ・ウォルターズ(アンドレア / エヴァンの母)、エリック・ストルツ(ジョージ)、ほか
映画「バタフライ・エフェクト」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「バタフライ・エフェクト」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「バタフライ・エフェクト」解説
この解説記事には映画「バタフライ・エフェクト」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
バタフライ・エフェクトのネタバレあらすじ:起
7歳のエヴァンの母アンドレア(メローラ・ウォルターズ)は彼の担任から呼び出しを受けます。担任の先生は授業で将来の夢を描かせたところ、2人の人物をナイフで刺して殺している絵を描いたというのです。しかし、エヴァンは絵を描いたことを覚えていませんでした。心配したアンドレアは彼を精神病院へ連れて行きますが、脳に異常は見られませんでした。医者から記憶力を高めるために日記をつけることを提案されます。
その日以降、エヴァンは包丁を持つなど不可解な行動をとり始めますが、彼にはまたもその記憶がありませんでした。アンドレアは治療の一環として、記憶喪失のため入院中の父を初めてエヴァンに面会させますが、次の瞬間、父がエヴァンの首を絞めていました。父は暴れた末に看守に頭を殴られて死亡してしまいます。エヴァンは兄妹のトミーとケイリーの友人でしたが、彼らの父親の影響でトミーは危険な考えを持つ子どもでした。
バタフライ・エフェクトのネタバレあらすじ:承
13歳になったエヴァン。エヴァンはケイリーとトミー、そしてレニーとつるんで遊んでいました。ある日、家で爆弾を見つけたトミーは、レニーに近所の家のポストに爆弾を仕掛けさせます。その様子を見ていたエヴァンとケイリーでしたが、次の瞬間、レニーが倒れて動かなくなっていました。レニーは病院へと送られます。
その後、エヴァンは兄妹と映画を観に行きます。エヴァンとケイリーは恋をしますが、それが気に食わないトミーが館内で乱闘騒ぎを起こしてしまいます。やがてレニーが退院したのでエヴァンとケイリーは迎えに行き、3人で廃品置き場へ向かいますが、そこでトミーはエヴァン一家が飼っている犬を袋に入れて燃やそうとしていました。
さらに、エヴァンとケイリーはトミーに落ちていた薪で殴られてしまいます。気絶から目を覚ましたエヴァンでしたが、犬は既に灰になっていました。見かねたアンドレアは引っ越しを決めます。エヴァンはケイリーに「必ず迎えに来る」と伝えるのでした。
バタフライ・エフェクトのネタバレあらすじ:転
20歳になったエヴァン(アシュトン・カッチャー)は大学で記憶について研究をしています。彼は引っ越したあと記憶が飛ぶことがありませんでした。しかし、久々に日記を取り出し読み始めた途端、失われていた記憶の一部が蘇ります。さらにエヴァンは母アンドレアから、父が記憶を取り戻す方法を見つけたようだったが、その後病気が悪化して入院に至った…という経緯を知ります。エヴァンはケイリー(エイミー・スマート)に会いに行きますが、彼女は迎えに来なかったうえ嫌な記憶を思い出させたエヴァンを責め、彼と別れます。そしてケイリーは自殺してしまうのでした。
失意の底に落ちたエヴァンは再び日記を取り出し、記憶を蘇らせます。しかし次の瞬間、目を覚ますとケイリーが生きています。驚いたエヴァンでしたが2人はデートを重ねます。しかしある夜、エヴァンの車をトミー(ウィリアム・リー・スコット)が壊してしまいます。しかし、ケイリーはトミーが自分の分まで父から暴力を受けていたことを打ち明け、兄を擁護します。
そのときトミーが2人の前に現れ、金属バットで襲い掛かって来ます。エヴァンは抵抗しますが、犬を殺された復讐のため頭に血が上り、トミーを勢い余って殺してしまうのでした。エヴァンは刑務所に送られますが、敬虔なキリスト教徒でルームメイトのカルロスの協力のもと、段々と記憶を取り戻していきます。
バタフライ・エフェクトの結末
彼は、記憶を取り戻すうちに、自らの過去を変えれば、より良い現在を得られるという見解に辿り着きます。しかし、記憶を戻したエヴァンがトミーを説得している間に、レニーが犬の入った袋を縛っているロープをガラスの破片で切るという計画だったはずが、その破片でレニーがトミーを刺し殺してしまい、成長したケイリーはストリッパーとしてすさんだ生活を送っていたり、ポストに仕掛けた爆弾から赤ちゃんと母親を守った結果、両腕を失った挙句、車いす生活を余儀なくされ、アンドレアはヘビースモーカーになり肺がんを患うなど、なかなか思うようにいきません。
これを繰り返すうち、父も同じ能力を有していたが、彼はこの行為は神の真似事だと考えており、そのことを聞こうとしなかったので腹を立て、エヴァンの首を絞めたことや、わざと問題児になるために将来の夢に人を殺す絵を描いていたこと、包丁を持っていたのは爆弾の線を切ろうとしていたためであったことが判明します。
しかし、次に変えようとした世界では、運悪く火のついた爆弾がケイリーの手にしたときに爆発してしまい、エヴァンは精神を患って入院してしまいます。さらに、この世界には記憶を遡るための日記が存在しませんでした。これはエヴァンの父も同じことを経験していたことだったのです。エヴァンは愕然としますが、意を決して遺言を書き、一か八かアンドレアが持ってきてくれたというホームビデオを流して同じことを試します。
これが最後のチャンスと悟ったエヴァンは、初めてケイリーと出会ったシーンに戻り、彼女を守るためにわざと酷い言葉を浴びせて自分に近づかないように仕向けます。成長後、トミーは牧師に、レニー(エルデン・ヘンソン)とはルームメイトになっていました。エヴァンは目的が達成されたとして、過去の写真や全ての日記を燃やしてしまいます。そしてエヴァンとケイリーは2度と関わることなく、それぞれの人生を歩むのでした。
以上、映画「バタフライ・エフェクト」のあらすじと結末でした。
出来る事なら「過去に戻ってやり直したい」
そう願った事は誰にでも一度はあるのではないでしょうか?
この映画を見終わったとき、そんな不毛な後悔からは開放されることでしょう。
未来を変えようと、あがけばあがくほど、
どんどん悪い状況に追い込まれていく主人公。
どどのつまり、今この瞬間が幸せなら、それが最高なんだよね。
要所要所でこれでもかというほど見せてくるかショッキングなシーンの数々。
なのにギリギリの所で嫌悪感をスパイスに変化させてくるこの監督さんは本当に凄いと思います。