ローレンの反撃の紹介:1943年アメリカ映画。ドイツの捕虜収容所で過酷な生活を送る捕虜たちがやがてレジスタンスに合流する。フランス外人部隊の兵士として第二次世界大戦に従軍し、捕虜生活と脱走を体験したハンス・ハーべの著書を原作とする対独プロパガンダ映画。ジャン=ピエール・オーモン、ピーター・ローレ等、亡命者が多く参加。監督は『郵便配達は二度ベルを鳴らす』のテイ・ガーネット。ジーン・ケリーがダンスをするシーンはありません。
監督:テイ・ガーネット 出演者:ジャン=ピエール・オーモン(ポール・デュプレ)、ジーン・ケリー(ヴィクトル・ラビシュ)、セドリック・ハードウィック(セバスチャン神父)、ピーター・ローレ(ベルガー曹長)、ヒューム・クローニン(アンドレ・デュヴァル)、ウォーレス・フォード(ピエール・フランドー)ほか
映画「ローレンの反撃」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ローレンの反撃」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ローレンの反撃の予告編 動画
映画「ローレンの反撃」解説
この解説記事には映画「ローレンの反撃」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ローレンの反撃のネタバレあらすじ:起・だまされた兵士たち
第二次大戦勃発後、フランス各地から男たちが軍隊に志願してドイツ軍と戦ったが、フランス軍は敗れ、首相になったペタン元帥がドイツと休戦協定を結ぶ。
各地で分断されたフランス軍兵士たちはそれぞれの身の振り方を決めなければならない。元弁護士のポールや元タクシー運転手ヴィクトルたちの部隊は「降伏すれば家に戻す」と言われて、投降の呼びかけに応じる。
詰め込まれた貨車の中で、彼らはドイツ占領下で文民に戻る彼らの生活について話すが、汽車の行き先がパリであることを疑っていなかった。
しかし、停車した場所はドイツ領。彼らは捕虜収容所に入れられる。けんかっ早いヴィクトルは、早々とヒトラーをバカにしてベルガー曹長にいきなり後頭部を殴られて気絶する。
ローレンの反撃のネタバレあらすじ:承・過酷な捕虜生活
捕虜収容所の食事はひどく、捕虜たちは飢えに苦しみ自制心を失っていく。そんな中でワイン商としてドイツ人と商売の付き合いのあったデュヴァルは通訳として安楽な暮らしをし、仲間の恨みを買うようになる。
デュヴァルは彼と同様ドイツ語に堪能なポールにもいっしょにドイツ人のために働くように誘うが、ポールはそれを嫌う。ただ、ポールはデュヴァルから、包帯で顔をぐるぐるまきにした兵士を救急車に乗せて病院へ行くという口実で、フランス領に入り良質なフランスの商品を買って帰るという不正が行われていることを教わる。
ある夜、収容所のサーチライトが消える。ピエールが脱走を試みたが、やはりそれは罠で、看守に撃たれる。医務室でピエールはポールに見守られて死ぬ。
宗教儀式が禁じられているためにピエールを見舞うこともできなかったセバスチャン神父は、ピエールのための祈りを捧げるが、ベルガー曹長に見られて射殺される。神父の死に怒って暴れたヴィクトルは、独房に入れられ拷問を受ける。
ローレンの反撃のネタバレあらすじ:転・捕虜収容所からの脱出
ドイツ人の手先とみなされ捕虜たちの憎しみを一手に引き受けたデュヴァルは、仲間に陥れられ脱走者と間違われ、看守に撃たれて死ぬ。収容所の所長であるブリュール少佐はこれを殺人とみなし、償いとして無作為に選んだ10人の捕虜を処刑する。
デュヴァルに代わって通訳の仕事を引き受けたポールは仲間からデュヴァルへの憎しみまで受け継いでしまった。しかし、ある日、彼に仲間と自分を救いドイツ人に抵抗する二つのチャンスが与えられる。
一つはブリュール少佐がアルザス地方出身の捕虜を150人、先行して解放すると決めたこと。ポールは解放する捕虜の名札に、医師として病人の世話をするため脱出を断ったフランソワを除く彼と同房の仲間の名札を加える。脱出した仲間たちはドゴール将軍の自由フランス軍に参加するだろう。
もう一つは、ベルガー曹長がフランス人店員にだまされないようにシュミット中尉の命令で、一部捕虜解放と同じ朝にフランス領での救急車を使った買い物にポールが付き添うことになったことである。
翌朝、解放される捕虜のトラックが出るが、ポールが最も外に出したいヴィクトルは拷問で怖気づいて医務室に留まってしまった。ポールは負傷者役のダクサー伍長にクロロフォルムを嗅がせ、代わりにやはり眠らせたヴィクトルの顔に包帯を巻いて救急車に乗せる。
救急車が国境の検問を抜けた直後に、検問所に捕虜脱走の情報が届く。救急車が親衛隊隊員のサイドカーに追われる。救急車を立ち木に衝突させてしまうが、ポールはベルガー曹長と親衛隊隊員を殺してヴィクトルと森に逃れる。
ローレンの反撃の結末:立ち上がる村人たち
夜の森でポールとヴィクトルはレジスタンスの少年と出会う。「信じる十字は?」という問いに答えられずスパイと間違われかけるが、ヴィクトルの拷問の跡で脱走捕虜であることがわかる。「ロレーヌ十字を信じる」がレジスタンスの合言葉であると教わる。
ポールとヴィクトルは脱出した仲間の合流場所であるカディニャン村のルネの家まで案内してもらう。暖かいもてなしを受けるが、ヴィクトルの戦いへの恐怖は消えない。
翌朝、親衛隊隊員が村の人たちを集め、ドイツでの強制労働への志願者を募る。ポールは最初に名乗りを上げ、住民を説得してみると言って演説を始めるが、結局、捕虜たちがドイツ人にだまされた話をしたので、親衛隊隊員に腕を撃たれる。
だが、それが呼び水になり、群衆の中に混じっていた脱出捕虜が蜂起し、村人も共闘する。そしてヴィクトルも怒りに火をつけられる。
村人はドイツ人が使えないように自分たちの家を燃やし、ヴィクトルやポールと共に山中のレジスタンスに合流するのだった。
以上、映画「ローレンの反撃」のあらすじと結末でした。
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