CURED キュアードの紹介:2017年アイルランド, フランス映画。メイズウイルスによってゾンビが蔓延したアイルランドでは、感染を治癒する薬の開発で、ゾンビ時代の記憶を持ったまま完治した人間【キュアード】が社会復帰し始めました。しかし街では反キュアード勢力がキュアードの排除を求めて反対運動を始めていました…という内容の、社会派ゾンビ映画です。人権を求める、完治した元ゾンビのキュアード勢力と、排除したい反キュアード勢力との衝突をテーマにしたもので、ゾンビ映画でありながら、現代社会の難民問題を風刺したようなストーリーになっています。
監督:デビッド・フレイン 出演者:サム・キーリー(セナン)、エレン・ペイジ(アビー)、トム・ボーン・ローラー(コナー)、ポーラ・マルコムソン(ライオンズ博士)ほか
映画「CURED キュアード」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「CURED キュアード」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
CURED キュアードの予告編 動画
映画「CURED キュアード」解説
この解説記事には映画「CURED キュアード」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
CURED キュアードのネタバレあらすじ:起
メイズウイルスによってゾンビが蔓延したアイルランドでは、ゾンビ治療薬も開発され、感染者の75%は完全治癒するようになりました。治癒した者はキュアードと呼ばれ、ゾンビであった頃の記憶も全部残っていました。治癒しない25%は感染者レジスタンスと呼ばれ、医療センターに隔離され、ライオンズ博士により治療法の研究がなされていました。
今日も治癒したキュアード達が社会復帰していました。その中にセナンと友人のコナーがいました。セナンはレジスタンスに殺された兄ルークの妻で、義理の姉のアビーが引き取ってくれました。そしてセナンは医療センターで働き、ライオンズ博士の助手をすることになりました。
キュアードはメイズウイルスに免疫を持ち、レジスタンスが襲わず、感染もしませんでした。コナーは父親に会い、元の家族に戻りたいと言いますが、ゾンビになったコナーが母親を殺してしまった事から、お前は化け物だと殴られ、追い出されました。
CURED キュアードのネタバレあらすじ:承
街では社会復帰するキュアードに対し、人間じゃないと言う反キュアード活動の抗議デモがあちこちで起っていました。アビーもセナンと同居することで、息子のキリアンが通う学校で白い目で見られ始めていました。
その頃、政府は治癒しないレジスタンスを処分する方針を固めていました。これに触発された市民たちは、キュアードも街から排除しようと運動を始めました。医療センターを監視する軍人らは、若い女性のレジスタンスを押さえつけてレイプしようとするものまで現れました。そして暴れると射殺していました。街では反キュアード勢力と、キュアード達で衝突が起りはじめました。元弁護士のコナーも軍の幹部に訳もなく痛めつけられました。
このことでコナーはアルファ集会という組織を立ち上げ、反キュアードに対抗する勢力を作りました。セナンも呼ばれ、何もわからず反キュアード勢力の家に火炎瓶を投げ込みました。しかしニュースで、自分たちがテロリスト扱いされ、死者まで出ていることを知り、セナンはコナーを避けるようになりました。
CURED キュアードのネタバレあらすじ:転
軍幹部や刑事がやって来て、コナーが危険人物だとセナンとアビーに話しました。この頃セナンは自分がゾンビになった時の事を思い出していました。セナンに噛みついてゾンビにした男こそコナーでした。アビーはアルファ集会所に行き、コナーに対しセナンに近づくなと言いました。するとコナーの指示でキュアード達がアビーを追いました。
セナンがコナーに呼ばれ、アルファ集会に行った時、そこにライオンズ博士がいました。セナンが理由を聞くと、治療中のレジスタンスの女性が隔離されたので、助けたいと言いました。その時、警察の強制捜査がやって来ました。
家に帰ったセナンはアビーに自分が兄のルークを食い殺したことを打ち明けました。聞いたアビーは怒り狂い、出て行って!と追い出しました。コナーに波止場に呼び出されたセナンは刑事に連絡していました。コナーを逮捕しようとした時、コナーは刑事を殴り殺し、走り去りました。
そしてアルファ集会のメンバーは、ライオンズ博士を伴い、医療センターに乗り込み、パスワードを使って治療中の女性の檻を解放しました。そしてライオンズ博士に銃を突きつけ、レジスタンス全員の解放をさせました。
CURED キュアードの結末
レジスタンス解放の為に利用されたライオンズ博士は、女性が治癒しているのを見て寄り添いました。しかし、レジスタンスが襲ってきて噛み殺されました。レジスタンス達が街へ走り出しました。キリアンを学校に迎えに行こうとしたアビーは、軍に「危険だ」とトラックに乗せられ安全な場所へ移されました。そこはキュアードと人間が分離されていました。
これを見たセナンはキリアンを救いに学校へ行き、キリアンを逃がし、レジスタンスを倒していました。そこへコナーがやって来ました。裏切り者と言いながらセナンをパイプで殴り続けました。武装した軍がコナーを撃ちました。その隙にキリアンを抱きかかえ逃げ出しました。
街では軍とレジスタンスの戦いが続いていました。抜け出したアビーが家に帰ると、セナンとキリアンがいました。アビーがキリアンを抱きかかえた時、レジスタンスが襲ってきてキリアンに噛みつきました。キリアンを殺そうとするアビーを制止し、僕が治すと言ってキリアンを連れて行きました。
やがてレジスタンスは制圧され、元の街に戻りました。セナンはレジスタンスになったキリアンを西部の村で育てていました。
以上、映画「CURED キュアード」のあらすじと結末でした。
キュアしてもゾンビだった頃の記憶が残っている。それも最愛の家族を殺した記憶が….たとえそれが自分の意思では無かったとしても、やはり耐え難いそして許し難い事には変わりない。
この映画はハリウッドのゾンビ映画とは全く異なる視点から作られた秀作。観終わった後に色々と考えさせられる。