ザ・ディープの紹介:2012年アイスランド映画。1984年にアイスランド沖で発生した漁船沈没事故の実話を基に、唯一生き残った乗組員の男の苦悩を交えて描いた実録海難ドラマです。
監督:バルタザル・コルマキュル 出演者:オラフル・ダッリ・オラフソン(グッリ)、ヨハン・G・ヨハンソン(パッリ)、ステファン・ハルール・ステファンソン(ヨン)、テオドール・ユーリウスソン(グッリの父)、スロストゥル・レオ・グンナルソン(ラウルス)ほか
映画「ザ・ディープ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・ディープ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・ディープの予告編 動画
映画「ザ・ディープ」解説
この解説記事には映画「ザ・ディープ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・ディープのネタバレあらすじ:起
1984年、冬のアイスランド。若い漁師のグッリ(オラフル・ダッリ・オラフソン)たちは夜明け前に仲間たちと合流して漁船に乗り込み、寒空の広がる凍てついた沖合へ数日間の漁へ出かけました。夜になり、乗組員たちは網を海に投げ入れましたが、網が何かに引っかかった拍子に船は傾き始め、操縦士のヨン(ステファン・ハルール・ステファンソン)は網を引き上げようとしましたがウィンチが故障してしまい、船は大きく傾いたのち転覆していきました。乗組員たちは頭を打って流血したり、海に投げ出された仲間を救いに飛び込んでそのまま消息を絶つ者などが出ました。
ザ・ディープのネタバレあらすじ:承
この時点で生き残ったのはグッリとヨン、パッリ(ヨハン・G・ヨハンソン)の3人だけでした。極寒の海に投げ出された3人は浮いているキールにしがみつきました。救命ボートは錆び付いており機能せず、3人は5km先の陸地まで泳いで行くことを決意、励まし合いながら必死で泳ぎましたが、冷たい海温は3人の体力を奪っていき、近くに船を見つけたその時、パッリは力尽きて海に沈んでいきました。やがてヨンも海に沈んでいき、とうとう生き残ったのはグッリひとりだけになってしまいました。
ザ・ディープのネタバレあらすじ:転
グッリは必死で近くを航行する船に助けを求めましたが、気付いてもらえませんでした。グッリは何度も溺れそうになりながらも死に物狂いで泳ぎ続け、船の沈没から約6時間後の夜明け前、ようやく陸地に辿り着きました。裸足で岩場を歩いたグッリの足からは血が流れ、寒さに凍えそうになりながらも歩くこと約2時間、グッリはようやく一軒家を見つけて保護され、病院に搬送されて幸いにも一命を取り留めました。他の乗組員たちの遺体は結局発見されず、グッリはやり切れない思いで仲間たちの葬式に参列しました。それにしても、普通の人間なら数十分で死に至るようなイデオロギー海で、なぜグッリだけ生き残ったのか…。科学者のラウルス(スロストゥル・レオ・グンナルソン)はそんなグッリに深く興味と関心を示し、世界中の漁師のためにも科学的に立証すべく、まだ傷の完治していないグッリに研究への協力を求めました。
ザ・ディープの結末
グッリはスポーツ万能なわけでも、体を鍛えているわけでもなく、元々水泳は苦手で学生時代は授業をサボっていたくらいでした。ラウルスはグッリをロンドンの海軍病院に連れていき、イギリス海兵隊の特殊船艇部隊の全面協力を得て、事故当時と同じ状況を再現したプールで泳ぐ実験を受けさせました。しかし、他の海兵隊員が寒さには勝てず次々とリタイアするなか、ここでもグッリだけがギブアップすることなく泳ぎ続けていました。そして、グッリの体質を分析した結果、何と驚きの事実が明らかになりました。元々肥満体のグッリの体脂肪はまるでアザラシ並みに分厚く、冷たい海温でも体温をある程度キープできたと共にいざという時にエネルギーに変換することも可能ということでした。未だ解明されない部分があるにせよ、この事実は医師や生物物理学者をも驚愕させ、グッリは一躍時の人として英雄視されるまでになりました。しかし、死んでいった仲間たちが脳裏に浮かんで忘れられないグッリは研究を続けたいというラウルスの申し出を断り、ひとり故郷アイスランドへ帰っていきました。グッリは亡くなった仲間たちの家族に会いに行き、悲しみを共有しあっていました。
この映画の感想を投稿する