映画「潜水服は蝶の夢を見る」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
潜水服は蝶の夢を見るの紹介：2007年フランス,アメリカ映画。フランスのファッション誌「ELLE」の元編集長ジャン＝ドミニク・ボビーの自伝を映画化した作品です。働き盛りで病に倒れ全身麻痺となったジャン＝ドミニクが、唯一動かせる左目の瞬きのみで周囲とコミュニケーションを取り、自伝を書こうと決意します。
監督：ジュリアン・シュナーベル 出演者：マチュー・アマルリック（ジャン＝ドミニク・ボビー）、エマニュエル・セニエ（セリーヌ・デスムーラン）、マリ＝ジョゼ・クローズ（アンリエット・デュラン）、アンヌ・コンシニ（クロード）、パトリック・シェネ（ルパージュ医師）ほか
この解説記事には映画「潜水服は蝶の夢を見る」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
世界的なファッション誌「ELLE」の編集長ジャン＝ドミニク・ボビー（マチュー・アマルリック）は、長男を乗せてのドライブ中に突然気分が悪くなり、脳梗塞を患って緊急入院します。まだ働き盛りの42歳でした。病室で意識を取り戻したジャン＝ドーでしたが、主医の話は理解できても言葉を発することができず、全身に重い麻痺を背負った「ロックト・インシンドローム（閉じこめ症候群）」と宣告されます。唯一動かせるのは左目の目蓋のみでした。絶望するジャン＝ドーでしたが、言語療法士アンリエット（マリ＝ジョゼ・クローズ）や理学療法士マリー（オラル・ロペス・ヘルメンディア）の助けを得て、左目の瞬きのみで周囲とコミュニケーションを取る方法を教わります。
ジャン＝ドーが教わったコミュニケーション方法とは、質問に対しての答えがイエスなら1回瞬きをし、ノーなら2回瞬きをするという初歩的な手段からスタートします。やがて慣れてきたところに今度は使用頻度の高い順にアルファベットを並べて読み上げていき、ジャン＝ドーが該当する言葉の箇所で瞬きをするという方法を学び、1文字ずつながらも思いを伝えることが可能になりました。これまでのジャン＝ドーはまるで潜水服に閉じ込められたかのような閉塞感を感じていましたが、自由な想像力とコミュニケーション能力があれば蝶が空を舞うようにどこへでも羽ばたけると気付き、再起をかけてこれまでの人生を自伝本として出版する決意を固めます。
ジャン＝ドーは倒れる前に出版社と本を執筆する契約を交わしていました。そこでジャン＝ドーは編集者クロード（アンヌ・コンシニ）を呼び寄せ、クロードがジャン＝ドーの発するメッセージを代筆する形で執筆作業がスタートしました。父（マックス・フォン・シドー）との思い出、かつての恋人だったジョセフィーヌ（マリナ・ハンズ）との思い出深い旅行、元妻のセリーヌ（エマニュエル・セニエ）との間の3人の子供のこと、様々なエピソードをジャン＝ドーは紡ぎあげていきました。
ある日、セリーヌが我が子を連れてジャン＝ドーの元を訪れ、父の日に家族で海に外出することができました。またジャン＝ドーの誕生日には車椅子生活を送る父親から祝いの電話を受け取りました。ジャン＝ドーはこれまで携わってきた周囲の人々に感謝の気持ちを込め、それらの思いも本に織り込みました。やがてリハビリの甲斐あって少しずつながらも首や舌を動かせるようになり、益々快復への希望を膨らませるジャン＝ドーでしたが、肺炎を患ってしまいます。そして自伝本が出版された10日後、ジャン＝ドーは静かに息を引き取りました。
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