ファイナル・イヤー: 政権最後の一年の紹介:2017年アメリカ映画。バラク・オバマ第44代米国大統領とそのチーム、特にケリー国務長官、パワー国連大使、ローズ副補佐官の任期最後の一年を追ったドキュメンタリー。
監督:グレッグ・パーカー 出演:バラク・オバマ、ジョン・ケリー、サマンサ・パワー、ベン・ローズ、スーザン・ライス、ほか
映画「ファイナルイヤー 政権最後の一年」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ファイナルイヤー 政権最後の一年」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ファイナル・イヤー 政権最後の一年の予告編 動画
映画「ファイナルイヤー 政権最後の一年」解説
この解説記事には映画「ファイナルイヤー 政権最後の一年」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ファイナル・イヤー 政権最後の一年のネタバレあらすじ:起
2016年1月。任期残り1年のチーム・オバマの主要メンバーが順々に、また細切れに登場する。慌ただしい朝、幼い子供の世話と出かける準備に追われるサマンサ・パワー国連大使。選挙戦のときのオバマ大統領の演説を聞いて、彼を支えたいと思ったと回顧するジョン・ケリー。9.11を経験して政府高官を目指したベン・ローズ。
任期最後の1年、チームは外交に注力することを決意した。ケリー国務長官はベトナム戦争体験者。その時の経験を無駄にしたくない、兵士を無駄に死なせたくないという強い思いが彼の中にはあった。
5月には現職のアメリカ大統領として初めて広島の平和記念公園で、原爆投下国として初めて犠牲者に哀悼の意を表明した。この時のスピーチ原稿を準備するローズの様子も映される。戦争を生き延びた日本人男性が原爆で死没した米国人捕虜も原爆死没者リストに載せるべきだと、オバマに直接話す。オバマは「本来、政府や外交が目指すことは、彼のような行動だ」と語る。
ファイナル・イヤー 政権最後の一年のネタバレあらすじ:承
残り8か月となった5月。残りの時間で何を達成したいか明確にすべき、と熱く語るパワー国連大使。複雑な紛争問題には切迫感を感じる、と元ジャーナリストのパワーは言う。ケリー国務長官もまた、政権交代前に改善したい国際問題がある。シリア和平に向け、20か国が集まる会議に72歳のケリー長官が出席し、30時間にもおよぶ会議に臨む。元国連大使のスーザン・ライスも解決の糸口があれば飛びついてみたいと語る。パワーも同じくシリア問題を解決したい。ケリーと協力して動きたいが、それぞれが忙しく、なかなか難しい。
一方ローズは、中東やロシアだけではなく、世界的リーダーなら世界を視野に入れるべきだと語る。民主党の再選が果たした後、それぞれが課題にしたい国を決めることにした。ローズはキューバを選んだ。米国とキューバが過去を水に流せれば、他のことにも当てはめられる、と。ローズはまた、ニクソン時代に米国が多くの爆弾を落としたラオスを訪問し、将来への足掛かりをつくる。そんな中、カフェで学生に「ヒラリー・クリントンが勝てば、あなたは大統領を補佐し続けるか」と訊かれ、「それは考えていない」と答えるローズ。
ファイナル・イヤー 政権最後の一年のネタバレあらすじ:転
パワーは大統領選に向けた講演で、自分が米国民になったときのことを語る。彼女はアイルランドからの移民だ。もしかしたら米国民になってなかったかもしれないことを思い、目頭を熱くするシーンが映る。大統領は中国の習主席との会議に出席。この会議で8年間の米中関係に起きた変化を振り返るローズ。この変化に世界経済も気候変動にも良い影響を受けているのに、国内では話題にもならず、皆の関心はトランプのツイッターだ、と嘆く。
パワーはナイジェリアで誘拐された女学生たちの解放のために動く。グリーンランドを訪問中のケリーは、「実際に見ることで、自信を持って政策を推し進められる」と語る。パワーはナイジェリアのジハード組織撲滅に走る。会見で記者のどの質問に誰が対応するかと報道官を含めた会議が行われている。会見を受けてメディアは政府の外交を批判的に報道する。
ファイナル・イヤー 政権最後の一年の結末
9月。残り4か月。オバマは国連にいた。大統領としてそこで話す最後の機会だった。ケリーとパワーは特にシリア問題に関してロシアの代表と討論するが、平行線でらちが明かない。ローズは、オバマ政権の皮肉なところは、プーチンをロシアから引き離せなかったことだ、と語る。
大統領選の結果が明らかになる夜、女性国連大使たちとテレビを見守るパワー。米国発の女性国務長官のマデリーン・オルブライトも招かれている。テレビの報道では民主党が劣勢である。トランプ勝利の報道を見守るパワーの膝には幼い彼女の子どもが眠っている。ローズもインタビューされるが言葉に詰まる。ケリーは、「新政権に危機感があるかを確かめるのが我々の仕事」と語る。ローズは国民を始めキューバやイランの人たちが心配だ、と語る。
大統領として最後の海外訪問でギリシャを訪れたオバマの演説が流れる。「25世紀前にここで民主主義が生まれた。重要なのは大統領や首相ではない。重要なのは国民だ」と。オバマの価値観を持っている若者たちが台頭している一方で、それを阻む力も世界にはあると言うローズは「振り子は戻ってくる。戻ってきたときの型が僕たちにはある」と語る。パワーは「まだあるべき世界ではない」と言う。
オバマはギリシャの遺跡を訪ねながら「我々は長い歴史の鎖の1つでしかない。鎖の1つである今に全力を尽くすのだ。世界中で会った若者が目に浮かぶ。彼らこそ未来だ。彼らが革命を起こしてくれるだろう。楽しみでならない。若者との交流は最も未来に影響力を持つ活動かもしれない。」とレポーターに語ってオバマはその場を去った。
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