ザ・ファーム 法律事務所の紹介:1993年アメリカ映画。ジョン・グリシャムの大ベストセラー小説『法律事務所』を原作とした映画。キャッチコピーは「彼の夢が野望に変わった時、巨大な黒い力が動き始めた…」で、メンフィスの税務専門の法律事務所に入った青年が、そこでの巨大な陰謀に巻き込まれていく様子を描いた法律サスペンス映画です。
監督:シドニー・ポラック 出演:トム・クルーズ(ミッチ・マクディーア)、ジーン・ハックマン(エイヴァリー・トラー)、ジーン・トリプルホーン(アビー・マクディーア)、エド・ハリス(ウェイン・タランス)、ほか
映画「ザ・ファーム 法律事務所」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・ファーム 法律事務所」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・ファーム 法律事務所の予告編 動画
映画「ザ・ファーム 法律事務所」解説
この解説記事には映画「ザ・ファーム 法律事務所」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:1.プロローグ:破格の条件
ハーバード法科大学を卒業するミッチ・マクディーアは、ハンバーガー屋でバイトをしながら、多くの法律事務所の面接を受けていました。彼は大学で上位5人という優秀な成績を収めており、どの法律事務所からも好評価を受け、引く手数多でした。しかし、彼の心を動かす法律事務所はなかなか見つかりませんでした。彼には愛する内縁の妻アビー・マクディーアがいました。そんなミッチは、テネシー州メンフィスの小さな税務専門のベンディニ、ランバート&ロック法律事務所に面接に行きました。この法律事務所は少数精鋭の弁護士41人のこじんまりとした全体が家族のような法律事務所でした。面接は役員とホテルの一室で行われました。雇用条件は、「大学の就職課の職員を買収して、他社の年俸を聞き出し、その20%上乗せ」という破格の最高の条件でした。また、今年、この法律事務所から勧誘した相手はミッチだけでした。それほど、この法律事務所はミッチを必要としていました。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:2.ミッチは希望の星
ある日、ミッチはアビーの家に行きました。そして、メンフィスの法律事務所に面接に行ったときのことを話しました。その条件は、「2年目は5%アップ」という昇給、「ボーナスと低金利のローン」「一戸建てのマイホーム」という破格の好条件でした。ミッチはアビーとメンフィスに行きました。ミッチはホテルでアビーを降ろすと、その脚でその法律事務所を訪ねました。オリヴァー・ランバートから、ミッチは今年のドラフト1位で指名した希望の星として、職員たちに紹介されました。その夜、ミッチとアビーは、ラマー・クイン夫妻に街を案内されました。ミッチとアビーは彼らから「この法律事務所では離婚ゼロ。独身者もゼロ。女性弁護士はアリス・クラウスただ1人」と聞かされ、驚きました。次の日、法律事務所のパーティで、ランバートはミッチを他者に取られないように丁重に扱いました。同席していたアビーはラマーの妻・ケイから、この法律事務所は子作りのことまで奨励していることを聞きました。夕闇の中、ミッチはアビーにここに就職することを相談しました。アビーは昼間聞いた「妻が働くことは“禁止”はしない。子供を作る事を“奨励”する」という言葉に違和感を感じていることをうち明けました。しかし、ミッチはこの法律事務所に就職する決心をしていました。その頃、ランバートの部屋では、警備役のウィリアム・デヴァシャーがミッチ夫妻の言動・行動を綿密に監視し、ランバートに報告していました。「それより、コジンスキーとホッジスの件は、シカゴと相談したが、まずい」と意味ありげに言いました。ある日、幼稚園の教師アビーは、生徒たちから一枚の絵をプレゼントされました。それはアビーとミッチが車でメンフィスに旅立つ素敵な絵でした。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:3.ミッチとアビー、メンフィスへ
大学を優秀な成績で卒業したミッチは、妻・アビーと一緒に、心機一転、テネシー州メンフィスにおんぼろ車で引っ越してきました。ミッチとアビーは、就職先の法律事務所が手配してくれた家を見て驚きました。家はきれいで庭もすばらしく、家具も揃えてありました。また、裏庭のガレージにはベンツのオープンカーが置いてありました。翌日、ミッチはやる気満々で朝6時半に法律事務所に出勤し、司法試験に準備をしました。ミッチは自分の部屋に案内されると、次々と先輩弁護士たちがやって来て、様々な分野の参考書や資料、課題を持って来ては「うちの事務所で試験に落ちた者はいない」と言って、出ていきました。あまりの参考書や資料の多さに、少しパニック状態になっていたミッチの部屋に、エイヴァリー・トラーが入ってきました。トラーはミッチの指導教官の役目でした。トラーはてんてこ舞いのミッチを見て、ちょっとリラックスさせようと昼食に誘いました。トラーはミッチに「クライアントの事を考えた1分1秒でも弁護報酬料を請求しろ」と命じました。また、トラーは、自身が担当しているケイマン諸島などの国外のお客の1人であるソニー・キャップスの資料を読んでおくように指示しました。彼はトラーが担当するお客の中でも上得意のお客でした。その頃、ミッチの家では引っ越しで、アビーはてんてこ舞いしていました。法律事務所の同僚の奥さんら大勢の人が来て、手伝いってくれました。電話会社の人は、まだアビーも覚えていないミッチの勤務先の電話番号を、短縮番号で入力をしてくれました。レストランでミッチとトラーは互いになぜ法律家を目指したのかを言いました。ミッチはピザ屋でバイトをしていたときの話をし、生きていくには法律を勉強する必要性を思い知り目指したと話しました。トラーは若い頃に平日ゴルフ場でバイトしていたときの弁護士夫婦を見たときの話をし、弁護士の生活に憧れ目指したと話しました。お互い理想家肌の法律家ではありませんでした。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:4.コジンスキーとホッジスの事故死
ある休日、ミッチとアビーは、先輩弁護士ラマー・クイン夫妻の家に招待されました。2人が行ってみると、ラマーの妻・ケイが泣きながら出てきました。法律事務所のコジンスキーとホッジスがケイマン島でスキューバーダイビングをしていたとき、船が爆発するという事故で亡くなったという知らせが入ったからでした。ラマーは庭でひとり、椅子に座り、庭のスプリンクラーの水が足にかかっていることを気にもとめないで、ただ呆然とタバコを吸っていました。帰りの車の中で、アビーはラマーの妻・ケイは“脅えていた”と言いました。ミッチは“落ち込んでいた”と言いましたが、アビーは“脅えていた”と主張しました。後日、コジンスキーとホッジスの葬儀が行われました。エイヴァリー・トラーはミッチの妻・アビーと初めて出会い、挨拶しました。アビーはミッチに死んだ2人と仲が良かったと聞き、慰めの言葉を言うと、ミッチは「悲しみはいろいろです」と答えました。トラーの下でミッチは夜遅くまで猛烈に働き、アビーは専業主婦となり、すれ違いの日々を送っていました。ある日、トラーは突然、ミッチの部屋に来て、「明日、ケイマン島のソニー・キャップスと話し合いをする」と言い出し、書類の書き直しの仕事を命じました。ミッチには司法試験の準備がありましたが、トラーは「戻ってからすればいい」と言い出ていきました。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:5.見知らぬ2人の男
その日の夜、ミッチがハンバーガー屋で仕事をしていると、見知らぬ2人の男が入って来ました。その男たちはミッチに声をかけてきました。男たちは、ミッチがベンディニ、ランバート&ロック法律事務所で入って2か月目である新人であること、コジンスキーとホッジスが事故死したこと、10年間で41人の弁護士のうち4人が45歳前に死んだことを話して、「また会おう」と言い出ていきました。ミッチはその男たちの言葉に不安感を感じました。その夜もミッチは夜遅くに帰ってきました。がむしゃらに働くミッチの気持ちに、アビーは不安感を感じていました。ミッチは貧乏暮らしから脱出したい気持ちを話しましたが、アビーが本当に心配していたのは、トレーラー住まいのミッチの母、隠しているミッチの兄のことでした。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:6.ケイマン島での一夜の情事
翌日、トラーとミッチはケイマン島に行きました。まず、トラーの案内でミッチはスキューバーダイビングをしました。ミッチはコジンスキーたちの事故死の後で不安感を抱いていましたが、トラーはそんな事を気にしていたら仕事ができないと跳ね返しました。ダイビングの後、2人はソニー・キャップスと話し合いをしました。トラーはソニーに今後数年間納税義務を免れるプランを持ちかけましたが、ソニーはあまり乗り気ではありませんでした。同席していたミッチはミッチのプランがいかに素晴らしいかを強調し、ソニーを口説き落としました。トラーはミッチの実力を高く評価しました。ホテルの部屋に着いたミッチは、コジンスキーたちの事故死が気になり、ひとりで密かに関係者に会い、妙な情報を手に入れました。ミッチは、ホテルでの夕食までの時間をつぶそうとトラーの部屋に行きました。トラーは夜遊びを楽しむための準備をしていました。ミッチはトラーの部屋を見て回ると、ある小部屋に数年前に亡くなったアリス・クラウスが担当していたシカゴ・モロコ社などの大量の不審な書類を、偶然に見つけてしまいました。「租税回避と脱税」など、それらはいかがわしい資料のようでした。資料の山を見つけてしまいました。ミッチはその中身を少しだけ覗き見しました。2人はそれぞれ女性を連れ、ホテルでの夕食をとりました。トラーはいつものように女性と楽しんでいましたが、ミッチは妻・アビーのことやコジンスキーたちの事故死、ホテルのトラーの部屋で見た故人アリスの資料の山のことで頭がいっぱいで、連れの女性を1人残して、浜辺に散歩に出かけました。すると1人の見知らぬ女性が男と口論しているところに出くわしました。その女性は脚にケガをしていたので、ミッチは応急手当をしてあげました。その女性は旅行社で働いていると言い、ミッチを誘惑して、ミッチは結局、彼女と一夜を共にしてしまいました。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:7.兄レイとの再会
ケイマン島から帰ってきたミッチは、トラーから午後の休みをもらい、久しぶりに収監されている兄レイに面会に行きました。ミッチは今自分が働いている法律事務所に不審な点があることを兄に相談しました。兄レイは、友人の元警官で私立探偵のエディ・ロマックスをミッチに紹介しました。ミッチは兄レイを刑務所から出すと約束しました。その頃、トラーは事務所に戻り、ランバートにミッチの手柄を報告し、ワシントンの税務セミナーに彼を行かせるように言いました。ランバートの部屋にいたデヴァシャーは彼に不審な点がないことを告げ、セミナーにはミッチが行くことになりました。刑務所の帰り、早速、ミッチは紹介された私立探偵のエディに会いに行きました。そこにはセクシーな秘書タミー・ヘンフィルがいました。エディはミッチの話を聞くと、「そのハンバーガー屋に来た2人がFBIなら、用心したほうがいい。奴らは情け容赦ないから。…お宅の死人の数は普通じゃない。調べてみよう」と快く引き受けてくれました。アビーは、島から戻ったのに家に帰ってこないミッチに会いに、事務所に行き、ロビーで待っていると、トラーと偶然、会いました。アビーはミッチの居場所をトラーに訊きましたが、トラーもそこまでは知りませんでした。ミッチが家に帰ると、アビーは少し怒っていました。それは彼女が事務所に会いに行ったのに、ミッチがどこに行ったのか分からなかったからでした。ミッチは正直に兄レイに会いに行ったことを告白しました。ミッチは今、何も兄にしてやれない自分を責め、落ち込んでいました。アビーはそんなミッチを慰め、励ましました。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:8.エディの悲劇
ある日の夜、私立探偵のエディが秘書タミーとデスクで抱き合っていると、一本の電話がかかってきました。すると誰かが入ってくる気配がしたので、タミーは直ぐデスクの下に隠れました。入ってきたのは、青い目をした金髪の白人男とレスラーのような男でした。金髪の白人男は銃でエディの耳を撃ち、「何で死んだ弁護士のことを聞き回っている。誰の依頼だ」と聞いてきました。エディがとぼけていると、その男は腕、肩を銃で撃ちました。それでもエディはとぼけながら、デスクの下に隠していた護身用の銃で、レスラーのような頭の膝を撃ち抜きました。咄嗟にレスラーのような男は、エディを撃ち殺してしまいました。何も聞き出せずに悔しがりながら、2人の男は去っていきました。タミーはデスクの下で、恐怖のあまり、声を殺して泣きました。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:9.FBIからの恐るべき情報
数日後、ミッチはワシントンの税務セミナーに出席しました。ミッチがセミナーの資料を開けると、エディが事務所で射殺されたという新聞記事と、「昼休みにバスでリンカーン記念館へ。FBI・タランス」というメモが挟み込まれていました。ミッチが周りを見ると、後部の席に以前、ハンバーガー屋で会った男がいました。昼休み、ミッチはメモに書かれた通りにバスでリンカーン記念館へ行くと、ハンバーガー屋で会った男が背後から小声で「ベンチの男と話せ」と言い通りすぎて行きました。ミッチは言われた通りにすると、ベンチの男は司法省のデントン・ヴォイルズと名乗りました。彼は、4年前からミッチの事務所を内偵していること、辞めようとした弁護士たちは殺されること、ミッチの家もオフィスも盗聴されていることを告げました。そして、彼はミッチの事務所を所有しているのは、シカゴのモロルト・ファミリーというマフィアで、麻薬・賭博・売春などから得た不正な金をマネー・ロンダリングという違法行為をはたらいていること、ミッチが雇った探偵エディを殺したのも彼らの仕業だと告げました。しかし、逮捕するための物的証拠がないため、FBIはミッチにその証拠物件を提供するように要求してきました。そして、今後の連絡等はハンバーガー屋で会った男ウェイン・タランスにするようにと、半ば脅しにも近い、協力要請をしてきました。ミッチは弁護士になりたいため、クライアントの情報を秘匿する義務がありました。その義務を破ることは、弁護士を諦めることになります。ミッチは協力を拒否しました。しかし、タランスは、マフィアは収監されている兄レイに危害を加えるかもしれないとミッチに話しました。今、ミッチは兄レイの仮釈放の願いを提出していました。タランスは協力すれば、後押しすると言いました。ワシントンから事務所に帰るまで、ミッチは考えに考えました。ミッチは事務所に帰ると、トラーに「パートナーを集めてくれ。話がある」と言い、ランバートたちにFBIが自分と接触してきて、“秘密のファイル”を提供してくれと頼まれたこと、“コジンスキーとホッジスが他殺だ”と言っていたことを報告しました。それを聞いたランバートは、ミッチに「うちは政府と折り合いが悪い。司法省に国税庁。争うたびにうちが勝つので目の敵にされている。…いざとなったら訴えてやる」と言い、ミッチの安全を保証しました。家に帰ったミッチは、アビーに「声を出すな」というサインを出し、かかっていた音楽のボリュームを上げ、アビーに耳元でFBIから聞かされた事を話しました。アビーはパニック状態になり、庭に飛び出して、ミッチに「何もかにも放りだして、ボストンに帰りましょう」と訴えました。ミッチは悩みに悩みました。とにかく、ミッチはアビーに、これまでどおり自然に生活しようと言いました。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:10.タミーとの再会
翌日、ミッチは普段通りに事務所に出勤しました。外では清掃会社の車の駐車位置で警備員とドライバーが口論していました。ミッチはソニー・キャップス関連の資料を、監視カメラを意識しながら、コピー室でコピーしようとしました。すると突然、アラーム音が鳴り響きました。慌てたミッチに、出勤してきたラマーが「今度から、クライアント・コードを打ち込まないとダメなんだ」と教えてくれました。つまり、コピー1枚でも全部の記録が残るシステムになったのでした。ミッチは、トラーがソニーと今度はいつケイマン島で会う予定なのかを聞くと、それは来週でした。トラーは「君は連れて行かない。手柄を取られたくないからな。ただ、アイデアは出してくれ」と言いました。ミッチがトラーの部屋を出て、自分の部屋に戻ろうとすると、秘書が顧客の1人であるマルホランドから請求金額の件で2度も電話があったことを伝えてきました。彼のビルは向かいのコットン・ビルにあったので、ミッチは秘書に「あとで訪ねる」と伝えるように指示しました。また、秘書は「角の店に卵サンドの注文を?」とミッチに尋ねると、そこには殺された探偵エディの秘書タミーが来ていました。ミッチは「頼んだ」と嘘を言い、彼女を部屋に入れると、彼女は「レシートは袋の中に」と言い出ていきました。そのレシートを見ると、待ち合わせの場所と時間が書いてありました。ミッチはあるコーヒーショップで、カウンターで1席空けて、密かにタミーと話をしました。外にはミッチを監視しているような車が1台止まっていました。タミーはエディを殺した犯人の特徴を言いました。1人はレスラーのような男、もう1人は不気味な青い目をした金髪の白人男でした。レスラーのような男はエディに銃で膝を撃たれたので、一生脚を引きずって歩くだろうとタミーは言いました。タミーは自分も行方を追われているようなので、急いでモーテルに身を隠したそうでした。タミーは、エディとミッチの関係が分かると、今度はミッチが危ないと思い、知らせに来てくれたのでした。タミーは、怖いけれど、愛していた死んだエディのために何かしてあげたいとも言いました。そう言うタミーに、ミッチは自分の事務所の向かいのコットン・ビルで、一役かって欲しいと頼みました。
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