ザ・ファーム 法律事務所の紹介:1993年アメリカ映画。ジョン・グリシャムの大ベストセラー小説『法律事務所』を原作とした映画。キャッチコピーは「彼の夢が野望に変わった時、巨大な黒い力が動き始めた…」で、メンフィスの税務専門の法律事務所に入った青年が、そこでの巨大な陰謀に巻き込まれていく様子を描いた法律サスペンス映画です。
監督:シドニー・ポラック 出演:トム・クルーズ(ミッチ・マクディーア)、ジーン・ハックマン(エイヴァリー・トラー)、ジーン・トリプルホーン(アビー・マクディーア)、エド・ハリス(ウェイン・タランス)、ほか
映画「ザ・ファーム 法律事務所」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・ファーム 法律事務所」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・ファーム 法律事務所の予告編 動画
映画「ザ・ファーム 法律事務所」解説
この解説記事には映画「ザ・ファーム 法律事務所」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:11.ミッチの弱点
ミッチが事務所に戻ろうとすると、1台の車が前を塞ぎ止まりました。出てきたのは、警備係のデヴァシャーでした。彼はFBIと話をした件で話をしたいと言い出し、ミッチに車に乗るように促しました。助手席から出てきたのは、タミーが言っていた不気味な青い目をした金髪の白人男でした。ミッチは言われるがまま、車の後部座席に乗ると、ひと気のない湖のほとりに連れて行かれました。デヴァシャーは、ミッチがケイマン島で一夜を過ごした女性と抱き合っている写真を数枚見せ、「FBIはそういうネタを強要に利用する。私は君を守る。君は事務所を守るのだ。今度、FBIが接触を求めてきたら、直ぐに私に報告してくれ」と命じました。ミッチは事務所の仕組んだ罠に乗せられ、弱点を握られたことを悔やみました。落ち込んで事務所に戻ったミッチは、コートも脱ぐ暇もなく、ラマーに図書室に連れて行かれました。図書室に入ると、ランバート以下、事務所の弁護士たちがいました。ランバートは「それで頭がいいつもりかね。世の中、上には上がいる。…弁護士の司法試験…君は2番だった」と告げました。ミッチは司法試験に合格し、晴れて弁護士になれたのでした。アビーもトラーのはからいで、そこに来ていました。みんながミッチの合格をシャンパンで祝いました。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:12.弁護士ミッチの告白
ある日、タミーは、ミッチの指示通り、秘書サービスの会社の社長のふりをして、コットン・ビルの一部屋を借りました。その日、ミッチは弁護士任命式に出席していました。アビーが見守る中、ミッチも右手を挙げ「真実と名誉を汚さぬ、手段のみを用いる事を誓い。依頼人の秘密を守り、決して、それを犯さぬ事を誓います。この職業に就くにあたって、常に誠意をもって、私の能力の及ぶ限り、最善を尽くします」と宣誓しました。その後、晴れて弁護士となったミッチは、アビーとレストランで食事をしながら、自分がこれからやろうとしている事は依頼人の秘密の暴露という弁護士の誓いを破ることだと愚痴りました。そして、ミッチはアビーにケイマン島で見知らぬ女と一夜を過ごした事を、隠し通せずに告白しました。幻滅したアビーは憤り、車のキーをミッチから奪うと、ミッチを残してレストランを早々に立ち去りました。その頃、ランバートら役員とデヴァシャーは、トラーを呼びつけました。来週、シカゴからモロルト兄弟が来るが、ミッチが本当に信頼できるかどうかという話でした。デヴァシャーは、ミッチが故殺罪で刑務所にいる兄がいる事を隠していたと告げました。トラーは「誰だって就職前は犯罪者の身内を隠すさ」とミッチを信じ、庇いました。しかし、デヴァシャーは、自分の仕事は疑わしくない者でも疑うだと厳しく監視を続けることにしました。その夜、ミッチはひとり寂しく歩いて家に帰りました。家に帰ると庭のブランコに、ひとりアビーが座って何か思いにふけっていました。ミッチはアビーとの心に溝ができてしまい、後悔しました。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:13.ミッチの奇策
翌日、ミッチは、コットン・ビルの7階にオフィスがある顧客マルホランド氏に会いに行きました。エレベータの中で、ミッチは打ち合わせ通りタミーと落ち合い、ミッチが事務所から持ち出したマフィアと事務所との関係を暴く資料をタミーに密かに渡しました。タミーは、嘘で借りた9階の部屋でその資料のコピーをとりました。ミッチは、マルホランド氏から指摘を受け、事務所がクライアントとの作業時間を不正に水増ししていることに気付きました。また、そんな水増し請求書に切手を貼って送ると、“郵便詐欺”にあたり、1件につき罰金1万ドル、または3年から5年の懲役にあたることに気付きました。ミッチは直ぐにクライアントとの話を切り上げると、急いで事務所に戻り、マルホランドの水増し時間を調べました。すると事務所が送付した請求書に記載されている作業時間は、自分のコンピュータでの作業時間よりも5時間多く水増しされていました。ミッチは直ぐにまたコットン・ビルに行きました。今度はタミーのいる9階に行きました。ミッチは「いい方法を思いついた」と言い、タミーのしているコピー作業を止めさせました。その手に必要なのは、ケイマン島にある資料が必要でした。そして、まず収監されている兄レイをどうするかが問題でした。ミッチは、まず事務所の監視役デヴァシャーの部下で、エディを殺害した青い目の金髪の白人男を駐車場におびき寄せ、タミーにその男の写真を連写させました。次にミッチは、ドッグレース場にFBIのタランスを誘い出しました。ミッチは「兄をすぐ釈放しろ!金は150万ドルだ!」とわざとタランスを怒らせるようにふっかけました。ミッチの思惑通り、タランスは憤り、ミッチを脅してきました。ミッチは無線でこの会話を録音していました。それをタランスに聞かせると、彼は黙ってしまいました。タランスはミッチの弱みを握られ、彼の要求をのむことにしました。夜、ミッチが家に帰ると、アビーは庭のブランコに座り、ワインを飲みながら、ひとり考え事をしているようでした。そんなアビーに、ミッチは自分が考えた“いい方法”をその日は言い出せませんでした。アビーは幼稚園も水曜日で辞めて、実家に帰ると言い出しました。盗聴されていることを知っている2人は、わざと家の中で再度、話をして、アビーは母の具合が悪いので実家に帰ると言いました。それは警備係に直ぐに伝わりました。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:14.アビーの決心
翌日、ミッチの部屋にラマーが妻にアビーから電話があったと言い、慰めに来ました。ミッチは既にアビーに“いい方法”の断片を説明していたこともあり、落ち込んではいましたが、それを成功しなければなりませんでした。タランスはミッチからの要求について、上司に相談しました。上司はタランスに、金は引き延ばし、兄レイはFBI命令で特別出所させるように命じました。ミッチはケイマン島のダイビングロッジのエイバンクスに、あの青い目の金髪の白人男の写真をFAXで送り、コジンスキーたちの事故死のときの人物かを確認してもらいました。翌朝、社員が出社してくる前にミッチは事務所に出社し、警備員に頼み込み、タイムシートと請求書を全てコピーしました。ミッチはケイマン島のエイバンクスに電話して、トラーが明日何時にチャーターしているかを聞き、タミーが書類をコピーする時間を確保するように頼み込みました。水曜日、“いい方法”の断片を聞かされていたアビーは、ミッチに後ろめたさを感じながら、家を出ていきました。幼稚園で働いているとトラーが会いに来ました。トラーはアビーに一緒にケイマン島に行かないかと誘いました。その時、アビーは、トラーが仕事の都合で今回のケイマン島行きはとんぼ返りで、ダイビングをしないことを聞きました。アビーはタミーに直ぐに電話をし、この事を伝えました。アビーはミッチには内緒でケイマン島に行く決心をしました。兄レイはタランスのはからいで、仮出所になりました。レイはミッチに出所したことを電話で伝えました。レイはタランスから当面の小遣いをもらい、バス停まで歩いていきました。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:15.トラーとアビー、ケイマン島での一夜
その夜、ケイマン島のホテルで、トラーはアビーの姿を見つけました。驚いたトラーはアビーに本音を明かし、本気で口説こうとしました。アビーはトラーが食事をとりに行っている隙に、トラーの酒に睡眠薬を入れました。兄レイの乗ったバスは、FBIに尾行されますが、タミーの元旦那のエルビスの協力を得て、FBIの尾行から逃げることに成功しました。その知らせは事務所のデヴァシャーが刑務所に潜り込ませていた看守から、彼のもとにFAXで送られましたが、そのメモ用紙は切れてFAX機の下に潜り込んでしまいました。一方、ケイマン島では、トラーはアビーを自分の部屋に案内し、一夜を共にしようとしましたが、アビーが入れた睡眠薬が効き始め、完全に眠ってしまいました。アビーはその間に、部屋に隠してあった資料を持ち出し、タミーと協力して、徹夜で全部コピーしました。ただ、書類には金額などが書かれていませんでした。困ったミッチは、タミーに何かサインIDとパスワードのようなものがないか調べてもらい、それを聞き取りました。翌朝、トラーはミッチの裏切りを知ったデヴァシャーからの電話で起こされました。アビーはトラーと一夜を共に過ごしたような格好をしましたが、トラーは「君の電話は盗聴されたぞ」と言い、「腹いせどころか内助の功か。もう逃げたほうがいい」と言って、アビーを逃がしてやりました。アビーはトラーの心配をしました。もうすぐ、デヴァシャーの手下が来るからでした。しかし、トラーはベッドから起きようとせず、覚悟を決めているようでした。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:16.逃げろ!ミッチ
その朝、ミッチは普段通り、事務所に出社しました。いつものごとく清掃車の駐車位置で警備員とドライバーが口論していました。ミッチはトラーの部屋に行き、パスワードを入力し、資産などの金額が書かれている書類を手に入れることができました。潜入させていた看守からのFAXを見つけたデヴァシャーはそれを読み、ミッチが事務所を裏切ったことを確信しました。デヴァシャーはすぐにミッチを見つけるように指示しました。FBIのタランスの所には、看守がミッチの兄を出所させたことを法律事務所にFAXで知らせたという情報が入りました。タランスはミッチの身が危ないことを知り、彼に電話をかけました。ちょうどその時、ミッチはトラーの部屋から最後の重要書類を手に入れ、出てきたところでした。そこにはランバートとデヴァシャーがいました。電話に出るとタランスから「バレた。逃げろ」と言われたミッチは、必死で走り出し、同僚の弁護士の部屋の窓ガラスを割り、毎朝、口論している清掃車の上にダイビングして、追っ手から隠れ、あるビルからタランスに電話をしました。タランスは「こっちに来い!俺たちが保護する。…消されてもいいのか!じきにモロルト兄弟がシカゴから来るぞ!」と言い、モロルト兄弟のシカゴへの到着時刻から宿泊先まで全てをミッチに伝えました。ミッチはそれを聞いて、「その前にやることがある。暫く姿をくらます。ファイルの場所は教える。後で」と言って電話を切り、ビルを出て、博物館の観光客に紛れ込みました。しかし、偶然、ミッチはそこをラマーの妻・ケイに見られてしまい、ケイはラマーにそれを連絡しました。その連絡はすぐさま、モロルト兄弟の出迎えに行っていたデヴァシャーに伝えられました。デヴァシャーは自分もすぐ行くので、部下も急行するように指示しました。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:17.ミッチの逆襲
ミッチはエイバンクスに電話をしました。兄レイを飛行機に乗せたこと、タミーは無事、荷物を積んでいることを聞き、ミッチは安堵しました。ただ、ミッチの上司トラーが謎の女性がホテルの部屋から出た後、風呂の中で溺死したことを聞いて、不思議に思いました。その女性はタミーの女友達らしいが、ミッチには心あたりがありませんでした。ただその時、電話越しに「アビー」という名前が微かに聞こえました。ミッチは電話を切ると、なにくわぬ顔で群衆に紛れこみました。しかし、エディを殺した金髪の男と膝を打たれた男に見つかってしまいました。ミッチは膝を打たれた男の膝を蹴り倒し、群衆をかき分け、道路を横断し、金髪の男から走って街中を逃げ回りました。そして、ミッチはある廃墟となったビルに逃げ込みましたが、運悪く、そこをたまたま車で通りがかったデヴァシャーに見つかってしまいました。デヴァシャーは金髪の男とその廃墟になったビルに入り、ミッチを銃で抹殺しようとしました。デヴァシャーはビル内のガラスに映った人影をミッチと勘違いし、部下の金髪の男を撃ち殺してしまいました。1人になったデヴァシャーに、天井にしがみついて隠れていたミッチは、勇気を振り絞り、飛びかかり、半殺しにしました。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:18.弁護士として
ミッチは汗だくになりながらも、シカゴに来たモロルト兄弟に会いに行きました。トミーは「弁護士なんか、ぶっ殺してやる!」とカンカンになって怒っていました。ミッチはモロルト兄弟に会い、こう言いました。「お宅の弁護士の…1人です。…言いにくいことですが…事務所全体がグルになって不正を働いていたのです。請求書を水増し請求していたのです。それはかなりの金額です。あそこで働き始めて知ったのです。それでご報告せねばと…。請求書を証拠品とするには、あなた方の許可が必要です。請求書が請求額の水増しを立証するのです。…他のクライアントはご了解を…あとは、あなた方だけです」と。すると、トミーは「FBIとの話はその事だったのか?」と聞いてきましたが、それをジョーイが制し「請求書を証拠品に?」と尋ねてきました。ミッチは「水増しを証拠づける請求書です。…ご心配なく。弁護士と依頼人との間の秘密は、その場合も守られます。弁護士として、たとえ解雇されても秘密は漏らせないのです。弁護士の誓いを破る事です」と説明しました。トミーは「ファイルを盗んだことはどういう了見なんだ」と問いつめてきました。ミッチは答えました。「ファイルは盗んでいません。元の場所にちゃんと保管してあります。僕は弁護士として、依頼人の資産と事業内容を正確に知りたかっただけです。それで全書類をコピーしました。依頼人との対応に必要な情報です。もちろん、第三者に話す必要が生じた場合、全てを話します。小銭の1ペニー、ポンド、フラン、ドイツマルク…すべて把握しています」と。するとトミーは「君を解雇した場合はどうなる?」と尋ねてきました。ミッチは「事務所を離れて、どこへ行こうと、依頼人の情報は漏らしません」と2人の前で誓いました。ミッチの言葉を信頼したモロルト兄弟は、請求書を証拠品とする許可の委任状にサインしました。
ザ・ファーム 法律事務所のネタバレあらすじ:19.実感した法の貴さ
ミッチからの連絡を受けたFBIのタランスは、コットン・ビルの9階のオフィスに行きました。するとそこには、事務所が行っていた水増し請求書と郵便詐欺を証拠とするクライアントからの委任状がありました。兄レイは、弟ミッチがFBIから入金させた75万ドルの口座を持ち、タミーを口説き、2人で自由な洋上の旅に出ようとしていました。ミッチは家に帰ると、事務所の警備係が荒らしまくった後で、家の中は滅茶苦茶になっていました。そこにFBIのタランスがやって来ました。始めの約束と違うことをしたミッチに、タランスは怒っていましたが、ミッチが「水増し請求と郵便詐欺で1件につき罰金1万ドル、または懲役5年の刑だ。…事務所の全パートナーがやっているんだ。合わせて250件の郵便詐欺を働いた。合計すると懲役は最低で1250年で、罰金は最低250万ドル。アル・カポネ以上だ」と言うと、怒りを収め始めました。そして、タランスはミッチに「なぜこんな事をした?」と聞いてきました。ミッチは「自分の人生を取り戻した。それに、お陰で法の貴さを身にしみて知った」と答え、ドッグレース場で録音したテープをタランスに渡しました。「なぜ公開しなかった?」と問うタランスに、ミッチは「違法だ」と答えました。
ザ・ファーム 法律事務所の結末:エピローグ:ミッチとアビーの新たなる旅立ち
タランスが家を出ようとドアを開けると、愛犬を連れてアビーが帰ってきました。アビーは「なぜ本当の計画を教えてくれなかったの? 本当というか全部?」とミッチに聞いてきました。ミッチは「言うと心配して、行かないと言い出すと思って。君ははずしておきたかった」と答えました。アビーはミッチの鞄を見て「どこへ行くの?」と尋ねると、ミッチは「君を探しに」と言いました。アビーは疲れた顔のミッチの瞳を見つめ、「愛してるわ。出会う前から。私の期待を裏切らない人だと…。やはり、あなたは期待通りだった。もう離れないわ」と言うと、ミッチに抱きついてきました。ミッチもアビーを優しく抱きしめました。そして、2人は愛犬と共に、引っ越してきたおんぼろ車に乗り、ボストンで新たな人生を送ろうと夢と希望を持ち、旅立ちました。
以上、映画「ザ・ファーム 法律事務所」のあらすじと結末でした。
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