ナバロンの要塞の紹介:1961年アメリカ映画。アリステア・マクリーンの冒険小説を映画化。第2次世界大戦中、エーゲ海のケロス島で孤立した友軍を救出する為、連合軍は艦艇を向かわせるが、ナヴァロン島に設置された2門の巨砲がそれを阻んでいた。軍はこの砲台を破壊する為に特殊部隊を編成し、潜入工作作戦を決行させた。史実を元にした戦争映画の傑作。
監督:J・リー・トンプソン 出演:グレゴリー・ペック(キース・マロリー)、デヴィッド・ニーヴン(ミラー)、アンソニー・クイン(アンドレア・スタブロス)、アンソニー・クエイル(ロイ・フランクリン)、イレーネ・パパス(マリア・パパディモス)
映画「ナバロンの要塞」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ナバロンの要塞」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ナバロンの要塞」解説
この解説記事には映画「ナバロンの要塞」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ナバロンの要塞のネタバレあらすじ:起
第2次世界大戦中期、エーゲ海ケロス島で連合軍部隊が孤立しその救出艦隊が組まれましたが、ナヴァロンの巨大砲台に阻まれていました。航空機などによる要塞攻略は難しく、司令部はマロリー大尉を招集し、その巨砲を破壊する為の特殊部隊を預けます。部隊は隊長フランクリンの他、爆弾専門家で頑なに士官への昇進を拒むミラー、ナイフと機械の専門家ブランウン、戦闘のプロで現地に明るいスピロと、マロリーも指名し縁深いアンドレアの5名でした。上陸は警戒の手薄な絶壁を登る事になり、登山家でもマロリーはその為に選ばれました。部隊はおんぼろ漁船で出発しナヴァロンへ目指します。途中一行は、敵巡視艇の臨検を受けます。漁船の振りをしてやり過ごそうとしますが危うくなり、結局巡視艇と乗組員を撃滅する事になりました。しかしその最中、ブラウンは何故か敵兵を殺す事を躊躇いました。船が島に近付くと嵐になり海が荒れます。気を紛らわすようマロリーとフランクリンは話をします。作戦の情報が漏れている可能性や仲間の事です。フランクリンとミラーは気の置けない仲でしたが、マロリーとアンドレアは険悪でした。アンドレアはマロリーの所為で家族を皆殺しにされたと恨んでいて、マロリーは戦争が終われば殺されるだろうと言います。マロリーは、戦争に勝つには卑怯になるしかないが、敵より卑怯にはなりたくないと零します。船は座礁しながらも何とか島へ辿り着き、必要な装備を持ち出し、隊員達は強風の中絶壁を登る事になります。マロリーがロープを持って先頭を勤め、彼はなんとか登り切ります。次にアンドレアが登りました。マロリーは彼を引き上げようとした時に足を滑らせましたが、アンドレアは咄嗟にマロリーを支えました。崖の上には敵兵の見張りが居て、アンドレアがそれを突き落とします。その後、全員何とか登り切り、上陸を果たせました。しかし船から脱出する際にフランクリンが怪我を負い、指揮はマロリーが取る事になりました。
ナバロンの要塞のネタバレあらすじ:承
出発前マロリーはブラウンに、船で何故躊躇ったかを聞きます。ブラウンは、戦争で人殺しを続ける事に疲れを感じ、もう人殺しをしないと誓っていました。マロリーはそれを許さないと断じます。見張りは無線を持っていて、マロリーがそれに出て誤魔化しますが、基地では警報を鳴らし侵入者の捜索を始めます。直ぐ様移動を開始したい一行ですが、フランクリンは足の骨折等容態は芳しくありませんでした。ミラーはジュネーブ条約に期待して置いていこうと主張します。しかしマロリーは情報が漏れる事を危惧します。そこにアンドレアは、フランクリンに止めを刺す選択肢もあると言い出します。マロリーはそれに関し、今ではないと口にします。マロリーはブラウンにフランクリンの世話を命じ、移動を開始ます。移動先、潜伏した洞窟でフランクリンは、足手まといな自分を置いて行くよう指示を出します。マロリーはそれに従わず、司令部と連絡を取ります。司令部からは、敵の攻撃が始まり、救出艦隊の出発が早まり、期限も一日繰り上がって事を知らされました。敵の捜索が近付いて来たのでまた移動しようとすると、フランクリンの姿が消えていた事に一同が気付きます。這っている彼は直ぐに見付かりました。マロリーは二人きりで彼と話し、作戦中止の命令が出て、後方撹乱作戦に切り替わったと嘘を吐きます。そして、レジスタンスに身柄を託すと告げます。アンドレアがしんがりで、隊はまた移動を開始します。作戦にあるレジスタンスとの合流地点に隊は辿り着きます。そこにやってきたのは、マリアという女性でした。彼女は死んだ父の代わりでスピロの実の姉でもありました。マリアは同志のアンナを連れていました。アンナは、過去に敵に捕らえられ拷問を受け失語症になっていました。その背中には、拷問で受けた誰にも見せない酷い傷があるとマリアは言います。隊は町の近くまで降ります。町は敵兵で一杯でしたが、フランクリンの怪我は酷く、面倒を見ていたブラウンは足の切断が必要だと言います。フランクリン自身もそれは気付いて居ました。マロリーは敵兵の姿が消えたら医者を探すと言います。ブラウンは、フランクリンらの姿に打たれ、隊の一員だと認めて貰うチャンスが欲しいと訴えます。そんな時、隊が敵に発見され、上空を旋回していた偵察機が攻撃を仕掛けてきます。アンナは足を怪我して遅れましたが、隊は何とか洞窟に逃げ込みました。隊は町に潜入を果たします。隊は二手に別れ潜伏しますが、フランクリンを担ぎ込んだ病院には待ち伏せされていました。潜伏先のホテルは包囲され、アンナの手引きで何とか脱出しますが、協力的な現地の住人達を巻き込む訳には行かず、投降せざる得ませんでした。
ナバロンの要塞のネタバレあらすじ:転
マロリー達は、町に入る前に隠した爆薬の在り処を尋問されます。国防軍士官は親衛隊が来る前に話せと促します。士官は隊員の情報を持っていましたが、アンドレアだけ詳細が掴めて居ませんでした。そこでアンドレアは漁民の振りをして無理やり協力させられたと芝居を打ちます。その内親衛隊もやってきますが、アンドレアの芝居が功を奏し、形勢を逆転させる事に成功しました。マロリー達は敵の制服を奪い、フランクリンに自決用の薬を渡し、国防軍士官に置いて行く事を告げます。士官は正当な捕虜の扱いを約束してくれました。隊はトラックを奪い無事脱出を図ります。運転をするマリアは、アンドレアに惚れ突然の告白をします。そんな彼女の運転で、隊は町から離れた教会に逃げ込みました。隊員は髭を剃り落とす等、潜入の準備をします。マロリーは皆に、フランクリンが尋問を受け、自白剤投与がされる事まで計算し、敵が山で彼に吐いた嘘の作戦に振り回され、人員を割いた隙に要塞に侵入する計画を説明します。それを聞いたミラーは、フランクリンに自白剤が使われなかった時の事を心配し、激しくマロリーを非難します。その場合フランクリンは、厳しく拷問を受ける筈でした。マロリーはそれも考慮の上でした。彼は皆に計画実行前の休息を取るよう命令し、自分は見張りに立つ為その場を後にしました。見張りに立つマロリーに傍に、抜け出してきたアンナが寄り添います。彼は自分の判断が正しかったかどうか悩んでいる事を吐露します。そんな彼にアンナは優しくキスしました。見せしめに焼打ちされている町を尻目に、隊は要塞に移動します。親衛隊の手でフランクリンは最初、拷問受けていましたが自白剤が投与されます。彼から偽の情報を引き出し、敵は部隊を動かします。マロリー達は要塞潜入に掛かりますが、その時ミラーが裏切り者が居て起爆用の機材が壊された事を告げます。そして彼は、不審な行動が多かったアンナはスパイだと指摘しました。マリアがアンナを庇いますがミラーは、潔白を証明する最も簡単な手段は背中の傷を見せる事だと迫ります。逃げようとするアンナをアンドレアが捕まえ、服を引き千切り背中をあらわにしますが、そこに傷はありませんでした。彼女は涙を流し、脅しに屈服し、スパイになった事を語ります。マロリーはミラーに爆破は可能かを聞きます。彼は何とかなると答えますが、マリアの処分を求めます。マロリーは好きで非常な決断を下していないと激白し、逆にミラーが戦場にいながら傍観者でいると詰ります。しかし、作戦自体が危うくなる為、マロリーは銃を抜きます。彼が引き金を絞ろうとした時、ミラーは咄嗟に止めようとしますが銃声は鳴り響きました。撃ったのはマリアでした。射殺されたアンナを残し、隊は任務に戻ります。彼女の亡骸を見ていたミラーにマロリーは、責任の少ない地位に止どまっていた事を指摘し、天才なら要塞を爆破してみろと言い放ちます。
ナバロンの要塞の結末
警備が手薄になった要塞ですが、更にアンドレア達が陽動に出ます。その隙にマロリーとミラーが要塞に侵入しました。マロリーとミラーは大砲まで無事辿り付けましたが潜入は露顕しており、爆破準備に使える時間は敵が入口をこじ開けるまでの間でした。偽情報で動いていた部隊も、要塞潜入の報告で戻り始めます。マリアとブラウンは、逃走用の船を奪いに出ましたが、ブラウンはその船に居た敵兵の一人とナイフで刺し違えてしまいました。陽動を行っていたスピロとアンドレアですが、スピロは冷静さを欠き、戦う事に血眼になって正面から敵と撃ち合い、戦死しました。要塞では、大砲に爆弾を仕掛け終わりましたが、ミラーは大砲の爆弾が解除されたとき想定して、弾薬を運ぶエレベーターにも爆弾を仕掛けていました。それも終わり、二人は海へ逃走します。敵は一足遅く踏み込んで来ました。マリアの操舵する船にマロリーとミラーが回収されます。マロリーはブラウンの死体を確認します。アンドレアも海に飛び込み船まで泳ぎますが、陽動の時に負った傷で意識が朦朧となり沈みかけます。しかしそれをマロリーが引き上げました。アンドレアはスピロの戦死をマリアに告げます。彼は何故と聞く彼女に目的を見失ったからだと答えました。ドイツ軍は艦隊の接近を感知します。大砲に設置された爆弾は除去されてしました。初弾装填の際、エレベーターは爆弾を起爆させず、艦隊への砲撃が開始されてしまいます。砲撃は続きますが、第3射の時爆弾が起爆、爆薬もろとも大砲を吹き飛ばしました。フランクリンは病院でその轟音を聞きます。艦隊はその光景に特殊部隊員達を称える為、高らかに汽笛を上げます。作戦が終了し、マリアは島を守る為に戻ると言います。アンドレアはマロリーに彼女と共に島へ残ると告げ、二人はそこで別れました。ミラーは、燃え上がる要塞を見ながらマロリーに非礼を詫びます。成功するとは思わなかったというミラーにマロリーも同意しました。脅威のなくなった艦隊は、兵士を救出する為ケロス島へ向かいました。
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