ヘイターの紹介:2020年ポーランド映画。論文を盗用したことによって大学を退学になったトメクは、ネガティブキャンペーンを密かに行っている会社に就職をします。最初の案件を成功させたトメクは上司に評価され、政治家のルドニツキを陥れる仕事を依頼されます。その政治家はトメクの大学費を援助してくれたクラジュキ家とも繋がりがあり、トメクはその人脈を利用して深いところまでルドニツキと関わり、任務を遂行させます。ポーランドを舞台に、移民問題、フェイクニュースなど現代の問題を多く取り上げた、限りなくノンフィクションに近いポーランドのスリラー映画です。
監督:ヤン・コマサ 出演:マチェイ・ムシャウォウスキー(トメク)、ヴァネッサ・アレクサンダー(ガービ)、グヌタ・ステンカ(ゾフィア)、ジャセック・コーマン(ロバート)、マチェイ・シュトゥル(ルドニツキ)、アガタ・クレシャ(ベアタ)、ほか
映画「ヘイター」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヘイター」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ヘイターの予告編 動画
映画「ヘイター」解説
この解説記事には映画「ヘイター」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヘイターのネタバレあらすじ:起
舞台はポーランド。トメクは知り合いの裕福なクラジュキ家に学費の援助をしてもらいながら、大学で法律を学んでいました。しかし、論文を盗用したことによって退学処分になってしまいます。トメクは学費を援助してくれている夫婦ロバートとゾフィア、その娘のガービと食事会をしますが、退学処分になったことは隠します。
トメクはガービに思いを寄せていますが、ガービはSNSの友達申請も承認してくれません。食事会後、トメクは携帯を忘れたフリをしてクラジュキ家の会話をボイスレコーダーで盗聴をします。再生してみると、クラジュキ家はトメクの悪口を言いたい放題で盛り上がっています。トメクは落ち込みます。
トメクはプライドが高く、背伸びをして他人に自分が良く見られたいふしがあります。今夜のパーティーも背伸びをして参加をします。パーティーでトメクはガービに視線を送り、酔ったガービと踊ることができましたが、ガービはすぐに他の男とダンスを楽しみます。ふてくされていたトメクの前に、怒っている女性ベアタが現れます。その会話を聞いてみるとインターンシップで人を探しているそう。すかさずトメクは志願して、面接の約束をこぎつけます。その後トメクは酔っ払ったガービを自宅まで送ります。
面接は成功し、仕事が決まったことをSNSに投稿すると、ガービから友達申請が承認され、パーティーで介抱してくれたお礼にと、姉の誕生日パーティーに誘われます。トメクは喜びます。
ヘイターのネタバレあらすじ:承
出勤初日。会社はとても抑圧的な雰囲気で重苦しい空気が漂っています。最初の仕事は、ウコンジュースを宣伝するユーチューバーの名誉を傷つけること。トメクはそのドリンクを飲むと手が黄色くなるとの偽の情報を作り、SNSのアカウントで拡散しまくります。
さらに、イスラム人移民に支持を示している政治家のルドニツキについても調査するように上司のベアタから命じられます。調べてみると、その政治家とクラジュキ家に繋がりがあることを発見します。
ガービの姉の誕生日パーティーの日、トメクとガービは二人っきりになって「真実か挑戦か」ゲームをします。そこでガービはうつ病で休学していたことを告白します。トメクも何か告白するように迫られて、大学を退学していたことを告白します。その次の日からガービと連絡がとれなくなってしまいます。
例のユーチューバーはトメクの働きによってYouTubeを辞めるまでに追い込みました。ベアタは高笑いをしトメクを褒め、認めます。
ガービに退学のことを話したことによって、ロバートとゾフィアにも情報が行き、表面上は優しくしてくれた二人でしたが、トメクは避けられてしまいます。
トメクはクラジュキ家が留守の間に謝罪の手紙と花を届けると見せかけて、盗聴器を仕掛けます。盗聴していると、手紙と花を贈ったことを気持ち悪がられ、トメクは精神病呼ばわりされてしまいます。トメクは涙を流します。しばらく聞いていると、ルドニツキが失敗したらロバートにも損害があるとの発言を聞いて、トメクの目つきが変わります。
トメクはルドニツキの事務所にルーター修理屋に扮して忍び込み、SNSでルドニツキに対するポジティブなコメントが、ルドニツキによって捏造されたことを仕組みます。それは成功し、ベアタからまた評価をされます。
ヘイターのネタバレあらすじ:転
トメクはある武器オタクのステファンに目をつけます。彼はYouTubeで武器の説明をしたり、イスラム人移民に反対する過激な意見を投稿したりしていました。トメクは彼をルドニツキ排除に利用しようと考えます。そこでオンラインゲームで彼と接触を試みます。彼にイスラムからの侵略を阻止しようと持ちかけて、彼からの賛同を受けます。
トメクはクラジュキ家に改めて謝罪をし、ゾフィアが主催する展覧会でボランティアをしたいと伝えます。なぜならその展覧会でルドニツキは講演会をする予定だったからです。ゾフィアは条件として、ガービに近づかないことを約束させます。講演会当日、トメクはルドニツキとの接触を果たします。その講演会にはステファンも参加し、ルドニツキに暴言を吐きます。その動画が拡散され、またトメクはベアタに褒められます。
次にトメクはルドニツキの事務所で働き始めます。ルドニツキを食事に誘い、飲み物に薬を入れて酔わせます。ルドニツキの意識があまりはっきりしないままゲイバーへと連れ込みます。ルドニツキがゲイバーで楽しんでいる様子を動画に撮られ、また動画は拡散されてしまいます。
度重なる不運にルドニツキは落ち込み、しばらく休みたいと弱音を吐きます。そんな弱っている彼にトメクは「休んではだめ」だと鼓舞します。トメクの言葉をきっかけに再びルドニツキは立ち上がります。これによってトメクはルドニツキから大きな信頼を得ます。ルドニツキから信頼を得たことによって、ゾフィアからも評価されます。
そんな中、ガービはニューヨークへ引っ越すことが決まってしまいます。落ち込んだトメクはやけくそになって、様々な人のSNSにログインをして、ルドニツキ派と反対派が衝突するように、行進のスケジュールを仕組みます。その行進に来てルドニツキを襲撃するようオンラインゲーム上でステファンに依頼するも、ステファンは考えを改め、ルドニツキを襲撃しないと言い出します。してほしいならお金を用意しろと、大金を要求してきます。
そんな大金を持っていなかったトメクはベアタと親密になり、その間にクレジットカードの情報をこっそりと盗み出します。しかしあっさりとベアタにばれてしまいます。トメクは母親が病気でお金に困っているとウソをついてその場を切り抜けます。そのカードでステファンに送金をし、射撃場に忍び込んで武器を調達します。ステファンに武器を渡すことに成功。ルドニツキが公の場に出るのはこの討論会が最後。必ず任務を遂行するようにオンラインゲーム内でステファンに喝を入れます。
ヘイターの結末
討論会当日。トメクはルドニツキに「すべては君のおかげだ。」と感謝されます。さらに、ガービがわざわざニューヨークからやってきて、今まで拒絶したことを謝罪されます。すると討論会場は一変し、銃声が鳴り響きます。多くの人が射殺され恐怖におびえます。トメクはステファンを取り押さえ横腹をナイフで刺されてしまいます。
トメクが取り押さえたことによって、ステファンは逮捕されました。ガービの姉は顔を撃たれて亡くなってしまい、クラジュキ家は泣き崩れます。ルドニツキはトメクの作戦通り亡くなりました。
ニュースではステファンは精神異常者であると報道され、すべてはステファンの作戦のよるものだとされました。トメクは一命をとりとめSNS上ではトメクが英雄として評価されます。トメクの病室は送られた花でいっぱいになっていました。
トメクは会社へ出勤すると、ベアタに「この襲撃事件はトメクが黒幕である」と指摘されましたが、トメクは「ベアタのカードでステファンに送金をしたから、情報を流しても、ベアタが捕まるだけだ」と言い、ここで働き続けたいと意志を示します。
クラジュキ家をトメクが訪れると、歓迎され3人から手を握られます。トメクは一瞬笑顔を見せるものの、真顔へと戻るのでした。
以上、映画「ヘイター」のあらすじと結末でした。
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